2022/09/08

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旬食材辞典|残暑にぴったり!季節の変わり目は「空芯菜」で疲労回復

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は9月が旬の「空芯菜」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
空芯菜
シャキシャキした食感が特徴の空芯菜の旬は7〜9月。中国の野菜で、茎の中が空洞になっていることからこの名前がついたとか。ビタミンCや鉄分、β-カロテン、カリウムなど栄養が豊富で、疲労回復にも効果的。夏の終わりの暑い時期に積極的に食べたい食材です。


空芯菜の主な栄養素は?
カルシウム
ミネラルの一種であるカルシウム。骨や歯の材料となるほか、筋肉の収縮に関わる栄養素。カルシウムの吸収をよくするために、ビタミンDが豊富なきのこや魚介類とともにいただくと◎。
鉄分
血液中のヘモグロビンを構成する栄養素。鉄分は酸素を体中に運ぶ働きをしているため、不足すると疲労感や貧血症状にもつながってしまうことも。
ビタミンB群
ビタミンB1やB2が豊富。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝を助けたり、末梢神経の作用を正常に保ったりする栄養素。ビタミンB2はエネルギー代謝をサポートするほか、髪や皮膚の細胞を再生する作用があります。
葉酸
細胞の再生を助けたり、赤血球の生成に関わる葉酸。妊婦中に必要な栄養素として知られていますが、不足すると貧血につながるおそれがあるので、男性や子ども、妊娠していない女性にとっても大切な栄養素です。
食物繊維
空芯菜には、不溶性食物繊維が多く含まれるため、便の量を増やす作用があります。
β-カロテン
β-カロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化、老化の抑制、がんの予防が期待できます。
ビタミンE・C
活性酸素を抑える働きがあり、血行促進や皮膚の再生のサポートにも効果的。
カリウム
ナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、むくみ予防に効果的。血圧の上昇を抑えたり、筋肉の収縮にも深い関係があります。


空芯菜の栄養を効率的に摂取する方法
油で炒める
β-カロテンとビタミンEは、水に溶けにくく油に溶けやすい成分。この2つの成分を摂るためには、油で炒めて調理するのが良いです。
肉や魚と一緒にいただく
空芯菜の鉄分を摂りたいときは、動物性たんぱく質やビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすく。とくに肉や魚に含まれるヘム鉄を利用することで、非ヘム鉄の吸収もよくなります。とくにレバー、赤身肉、赤身魚などにはヘム鉄が豊富に含まれるのでおすすめ。


美味しい空芯菜を選ぶときのポイント
空芯菜を選ぶときは、
・葉先までハリがあるもの
・葉の色が鮮やかで濃い緑色のもの
・切り口がきれいでみずみずしいもの
を選びましょう。

しなびていたり、少し変色するものは避けましょう。


空芯菜の保存方法は?
空芯菜は乾燥に弱く、すぐにしなびてしまうので根元の切り口に水分を含ませると◎。
濡れたキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて口をしばったうえで、野菜室に立てて保存を。
空芯菜は湿気にも弱いので、キッチンペーパーは茎の部分にだけ巻くのがポイント。葉の部分に水分がつくとすぐに腐ってしまいます。

また、冷凍するとえぐみや苦味が出やすくなり、食感も柔らかくなりすぎるのであまりおすすめできません。冷凍保存で、なるべく早めに食べ切りましょう。


空芯菜はあまり日持ちがしない野菜のため、大量に手元にある場合はさっとゆがいてからおひたしにするのがおすすめ。
炒め物はしょうゆや塩などのシンプルな味付けでも十分においしくいただけますが、ナンプラやニンニク、バジルなどと合わせると一気に本格的なアジアン料理の風合いになります。
スタミナをつけたいときは、ビタミンたっぷりの豚肉と炒めても。ビタミンB1たっぷりのレシピで、疲労回復にはもってこいです。
シャキシャキの食感を楽しみながら、残暑を乗り切りましょう!



<参考文献>
ヤマサ醤油
旬の食材百科
家事読本

Text by Sonomi Takeo

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