2022/07/29

FOOD

旬食材辞典|「トマト」のリコピンパワーで夏を元気に乗り切ろう!

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は夏が旬の「トマト」をピックアップ!


-今月の旬食材-
トマト
夏野菜の代表的な存在、トマト。春〜初夏も美味しいトマトを収穫できますが、夏場はもっとも量を多く生産できる時期。トマトといえば「リコピン」ですが、リコピンは疲労回復に役立つ栄養素。また、ビタミンCやカリウムも豊富のため、紫外線が強く夏バテしやすい今の時期に積極的に摂取したい野菜のひとつです。


トマトの主な栄養素って?
リコピン・β-カロテン
トマトにはリコピンやβ-カロテンなどの天然色素カロテノイドが豊富に含まれています。
この2つの栄養素には、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、動脈硬化予防やがん予防効果が期待できます。
特に、リコピンの抗酸化作用はカロテンの2倍、ビタミンEの100倍といわれるほど!
紫外線が強い夏の時期にとりたい栄養素です。
ビタミンC
美肌効果や抗酸化作用があるといわれているビタミンC。トマトのビタミンC含有量は、他の野菜に比較して特別多いとは言えませんが、ビタミンCは水に溶けやすい性質があるため、生がで食べることが多いトマトは、ビタミンCを無駄なく摂れる食材でもあります。
カリウム
腎臓でのナトリウムの排出を促すため、高血圧予防の効果が期待できる栄養素。カリウムもビタミンCと同じ水溶性のため、サラダなど生でいただくのがおすすめ。


トマトの栄養を効率的に摂取する方法
リコピンは、加熱したほうが吸収率は高まります。トマトスープやシチュー、スープなどにして食べるのがおすすめ。
また、リコピンは朝に摂取したほうが吸収しやすいともいわれています。ミキサーなどにかけてトマトジュースにして朝飲むのもGOOD。
すり潰したりミキサーにかけるたりすることで、細胞壁が壊れやすくなり、体内に吸収されやすくなるというメリットも。

ビタミンCを効率よく摂取したい場合は、生のままが一番。
ビタミンCは水溶性のため、お湯で煮るとすぐに溶け出してしまいます。ビタミンCは汗や尿ですぐに排出されてしまい、体に貯めておくことはできないため、こまめに摂取することが大切。
ビタミンCは疲労回復にも役立つので、同じく疲労回復効果のあるクエン酸が含まれるお酢や、アリシンという成分を含む玉ねぎを合わせたマリネなどもおすすめ。


美味しいトマトの選び方
新鮮なトマトを選ぶには、以下のポイントを覚えておきましょう。
・肩の部分やそのまわりがよく張っていて、固くしまったもの
・手にとってずっしりと重いもの
・皮に色ムラがなく、ツヤとハリがあるもの
・ヘタの緑色が濃く、ピンとしているもの
しおれていたり、黄色っぽくなっているものは、鮮度が落ちている証拠です。


トマトの保存&長持ちさせる方法とは
トマトは、寒さと外部からの衝撃に弱いため、保存方法には気をつけましょう。

<冷蔵保存の場合>
1.1個ずつキッチンペーパーで包む
2.包んだトマトを、肉厚で傷みにくいヘタ側を下にして、保存用ポリ袋に入れる
3.冷蔵庫の野菜室に入れる

保存の目安は7〜10日ほど。
冷やしすぎると甘みが弱くなるため、常温保存も可能ですが、気温が高くなる5〜9月は冷蔵庫の野菜室で保存を。

<冷凍保存の場合>
トマトは冷すぎると甘みが弱くなるためなるべく冷蔵が望ましいですが、冷凍なら約1カ月保存できます。
冷凍保存するときは、「丸ごと」または「刻み」が便利。
丸ごとの場合はヘタをとって、1個ずつラップで包みヘタ部分を下にして、冷凍用保存袋に入れます。
刻む場合はみじん切りにして冷凍保存袋に入れて、平らにならして密封します。

暑い夏にいただく冷やしたトマトは、抜群に美味しいですよね。
そのままでももちろん、ラタトゥイユなどの煮込みにしたり、トマトソースにしてパスタにしてみたりと、いろんな料理に活用できます。
他の夏野菜と合わせていただくことで、栄養価もアップ。
また、甘みを丸ごと存分に楽しめるトマトの炊き込みご飯もおすすめ!
自分好みのトマトレシピを、見つけてみてください。



<参考文献>
KAGOME公式サイト
ナガノトマト公式サイト
Radish Pocket

Text by Sonomi Takeo