2022/06/04

FOOD

旬食材辞典|暑い夏は「オクラ」で体を調えて元気をサポート

Photo by Shutterstock

心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は夏の旬野菜「オクラ」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
オクラ
季節に関係なく、スーパーでは見かけるオクラ。旬の時期は6〜9月。
オクラ独特のネバネバには、実はうれしい栄養素が含まれていたり、夏バテ防止や免疫力アップにも効果が期待できる食材。
薬膳の考え方では、「身体の熱を取る」とされているので、暑い夏に積極的に取り入れたい野菜です。


オクラに含まれる栄養と効能
ペクチン
整腸作用を促し、便秘や下痢を予防して大腸ガンのリスクを減らす効果があるといわれています。また、コレステロールを排出する作用でも知られています。
ムチン
オクラのネバネバに含まれる代表的な成分。ムチンは炭水化物とタンパク質の複合体で、山芋やれんこん、なめこなどのぬめりにも含まれています。この粘り気は胃の粘膜を保護したり、タンパク質の吸収を促進する働きがあり、夏バテの改善や予防に最適。また、整腸作用にも役立ちます。
β-カロテン
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、視力や粘膜の健康を維持するほか、髪や皮膚の健康維持といった美容面にも効果的。
カリウム
体内の塩分を排出する働きがあり、高血圧予防に効果的です。


オクラの栄養を逃さない方法とは?
オクラはさっとゆでてからいただくイメージですが、オクラの栄養を余すことなく摂取するためには生で食べるのが一番です。
オクラに含まれるペクチンやムチンといった成分は水溶性なので、ゆでるとお湯に溶け出してしまい、水と一緒に捨てることになってしまいます。

もしゆでるのであれば、短時間でさっとゆでましょう。

また、β-カロテンは脂溶性なので油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。
それゆえ生のオクラを和え物にするときはごま油を加えたり、油で軽く炒めたり、脂質の多い食品と一緒に摂取した食べ方もおすすめ。


美味しく新鮮なオクラの選び方
新鮮なオクラを選ぶポイントは、次のとおり。

・鮮やかで濃い緑色
・ヘタの切り口がみずみずしい
・ガクがみずみずしく、角がはっきりしている
・表面の毛が密集している
・ハリがある

また、オクラは大きくなりすぎると実が固くなって食べにくく、苦味やえぐみが出てしまいます。茶色くなっていたり変色しているものも、鮮度が落ちている証拠なので避けましょう。


オクラの保存方法は?
一般的に生で冷蔵保存をした場合は、3〜4日程度しか持ちません。
長持ちさせるなら冷凍保存がおすすめ!

冷凍保存するためにはしっかりと下処理をしておきましょう。

方法としては、まずは板ずり。
オクラの全体に塩をまぶして手のひらでそのオクラを軽く抑えながら板の上で転がします。
次に、ヘタの部分についているガクの固い部分を包丁で取ります。
※全体的に削ぎ落としてしまうと、中に水が入ってしまうので注意!

オクラを2〜3本ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍を。
冷凍庫で約1カ月保存が可能です。解凍するときは凍ったまま加熱調理します。

下茹でする場合は、下処理を済ませたオクラを熱湯で1分ほどゆでて、流水にとって冷まし、水けをとって使いたい大きさに切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
そのまま和え物やサラダに使えるので便利です。

冷蔵の場合は、オクラが乾燥しないようにキッチンペーパーなどに包み、さらにポリ袋などに入れ、口を閉じて野菜室へ入れてください。


サラダや和え物などのちょっとした副菜はもちろん、オクラのさっぱりとした食感はお肉との相性もいいため、肉巻きなどにしても。みそ汁の具材にすれば、楽ちんなだけでなく溶け出した成分も一緒にいただけるので一石二鳥。
夏にほてった体を冷やしてくれて、整腸作用や免疫力アップ、代謝をサポートなどあらゆる力を発揮してくれるオクラを、ぜひ旬の時期に味わってみてください。


Text by Sonomi Takeo

Related

Ranking

Category

MailMagazine

Biople