2022/06/17

FOOD

旬食材辞典|「なす」に期待できる意外な美容効果とは?

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は初夏〜秋にかけてが旬の「なす」をピックアップ!


―今月の旬食材―

なす
なすの旬は長く、5〜10月頃の初夏から秋にかけて。夏はみずみずしく、秋なすは種が少なく実が締まっているのが特徴です。
なすはあまり栄養がないと思われがちですが、食物繊維やカリウム、葉酸などのほか、美肌にいいとされるポリフェノールが豊富!夏バテ予防にも効果的といわれているので、この時期にぜひ摂取しましょう。


なすに含まれる主な栄養素
カリウム
余分な塩分や水分を体外に排出してくれるカリウム。高血圧の予防やむくみの解消にも役立ちます。水分とともに体の熱を放出してのぼせやほてりを鎮める効果もあり、だるさや食欲不振などの夏バテ症状の予防や緩和が期待できます。
ナスニン
なすの皮の紫色は、ポリフェノールの一種であるナスニンによるもの。
ナスニンには強力な抗酸化作用があり、免疫力向上やアンチエイジングのほか、がん予防にも効果があるとされています。
食物繊維
実は食物繊維がとっても豊富ななす。便秘の予防、改善のほか、血糖値の上昇をゆるやかにしたり、血中コントロール値を低下させたりする働きがあります。
葉酸
葉酸は不足すると貧血の原因になることも。葉酸が主に野菜に含まれる栄養素なので、野菜不足のかたは、不足している可能性があります。不足しないよう、なすなどの野菜をたっぷり食べましょう。
モリブデン
モリブデンとはミネラルの一種で、鉄分のはたらきを助けて造血を促す役割があり、貧血予防が期待できます。また、糖質や脂質の代謝をサポートしたり、摂取したプリン体を分解して尿酸に変換する働きを。


なすの栄養を効率的に摂取する方法
なすに含まれるポリフェノール(ナスニン)が含まれるのは紫の皮の部分。まずは皮ごと食べるのがベストです。
また、なすを調理する前にアク抜きするのが一般的ですが、カットしたなすを水にさらすと水溶性であるカリウムやナスニンの栄養素が流れ出てしまうという問題があります。
水にさらす時間は10分ほどを目安にして、長時間浸けておかないようにしましょう。
もしくは切り口に塩をふって、出てきたアクと水分をふきとるというアク抜きの仕方をしても。変色を防ぐためには、加熱の直前にカットすればOKです。

生のままが一番栄養素を逃しませんが、加熱をする場合に水溶性の栄養素を逃さないようにするためには、煮たりゆでたりするよりも「揚げる」「炒める」といった油を使う調理法が有効。
油でコーティングされることで、水に溶けやすい栄養素を閉じ込めておけるからです。
また、なすは油と一緒に調理することで、皮に含まれるポリフェノールなどの栄養を最大限に発揮してくれます。中華料理や揚げ物と相性抜群なのも納得!
ただ、なすは油をよく吸収するので使いすぎるとダイエット中は注意が必要。油の種類に気をつかったり、油の量を控えたりしながら工夫しましょう。
スープなどの汁物も、水溶性の栄養素を余すことなく摂取できるのでおすすめ。


美味しいなすの選び方
新鮮で美味しいなすを選ぶポイントは、次の通り。

・表面にツヤとハリがあり、傷がない
・トゲが尖っている
・ヘタの切り口が白っぽい
・ずっしりとした重みがある

なすは手に持ったとき、ずっしりとした重みがあるのが新鮮な証拠。
なすは水分が多い野菜なので、鮮度が悪くなると、実の水分が飛んでスカスカになり、軽くなります。
また、たるんでいたり、傷がついたりしているなすも、水分が飛んでいる可能性が高いです。


なすを長持ちさせる保存方法
<冷蔵保存の場合>
なすの水けがついていると傷む原因になってしまうので、水けをふきとり、ラップで1本ずつ包む。
ジップ付きの保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存。
<冷凍保存の場合>
なすを使いやすい大きさにカットしたら、なすの変色を防ぐため、5〜10分程度水にさらしてから水けをふきとり、冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫へ。冷凍したなすは、凍ったまま鍋やフライパンに入れて調理できます。


味にクセがないなすは、いろいろな味付けや料理で楽しむことができます。
90%が水分でできているため、あまり栄養がないように思われがちですが、残りの部分にうれしい栄養素がたっぷり!
何よりこれからは紫外線がより強くなる季節なので、シミやシワ、たるみなどの肌トラブルを防いでくれるポリフェノールが豊富ななすをたくさんいただけば、アンチエイジングケアとしても役立ちます。なすを取り入れて、美しさも健康も手に入れましょう♪

Text by Sonomi Takeo