2022/05/19

FOOD

旬食材辞典|夏バテ予防に!「王様の野菜」とも呼ばれるモロヘイヤの力とは?

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心も体も喜ぶ、旬の野菜を紹介していく人気連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は初夏の旬、「モロヘイヤ」をピックアップ!

ー今月の旬食材ー
モロヘイヤ
ミネラル、ビタミン、食物繊維など、他の野菜と比較しても群を抜いた栄養素を持つモロヘイヤ。6〜9月が旬で、夏バテ予防に最適といわれています。
エジプトではその昔、重病を患った王様に食べさせたところ回復したという故事があり、語源をさかのぼると「王様の野菜」という意味もあるとか。
暑い国からやってきた野菜なので、日本では夏にいちばん成長し、収穫量が増える野菜です。


モロヘイヤの主な栄養素とは?
β-カロテン
緑黄色野菜のなかでもβ-カロテンが豊富といわれているにんじんやほうれん草よりも、モロヘイヤはβ-カロテンを多く含んでいます。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。目の機能を保ち、視覚を調整してくれるとといわれています。また、抗酸化作用が強く、肌の老化や生活習慣病予防も期待できます。
ビタミンC
疲労回復や血管を丈夫に保つといわれるビタミンCも豊富。鉄分も含まれているため、貧血予防にも◎。血液に含まれ酸素を運ぶへモグラビンの成分となる鉄は、ビタミンCと一緒にとることで吸収率をアップしてくれます。それは、ビタミンCが鉄を体に吸収しやすい形に変え、さらにはヘモグラビンの生成を促進するから。モロヘイヤはビタミンCと鉄を同時に摂取できるため、貧血気味の方にはうれしい野菜です。
その他ビタミン類
老化や動脈硬化の予防につながるビタミンE、骨粗しょう予防に役立つビタミンK、新しい細胞をつくる葉酸なども豊富。
カリウムやカルシウムなどのミネラル
ナトリウムを排出し、むくみを予防したり血圧の上昇を防ぐカリウムや、丈夫な骨や歯をつくるカルシウムも多く含まれています。
食物繊維
整腸作用のある食物繊維も豊富で、正常な排便を促す働きがあります。また、食物繊維をとることで、血糖値の上昇をゆるやかにし、コレステロールの吸収を妨げる作用があるため、生活習慣病の予防にもなります。


モロヘイヤの栄養を逃さず摂取するには?
モロヘイヤは茹で時間が長いと、水溶性ビタミンである葉酸やビタミンCが茹で汁に溶け出てしまいます。加熱時間はなるべく少なくするか、茹で汁ごと食べられるスープや味噌汁でいただきましょう。


おいしいモロヘイヤの選び方
葉にハリがあり、鮮やかな緑色のものが新鮮です。また、切り口があたらしくみずみずしいもの、葉が太すぎず柔らかいものが食べやすく口当たりもよいです。
葉がしおれていたり変色していたら、鮮度が落ちている証拠なので避けましょう。


モロヘイヤを新鮮に保つ保存方法
モロヘイヤは傷みやすいので、すぐに食べない時は冷凍保存がおすすめ。
さっとゆでたモロヘイヤを1食分ずつラップで包んで冷凍庫へ。

冷蔵保存のときは、茎の部分に湿らせたキッチンペーパーを巻き、全体を新聞紙で包んで、保存袋に入れて野菜室へ入れてください。


モロヘイヤの定番の食べ方といえばお浸し! シャキシャキの食感を楽しめます。
そのほか細かく刻むとネバネバ感を楽しめるので、冷奴にのせたり、味噌汁に入れてとろみを楽しんだりしても。
夏の暑さに負けないためにも、夏バテ予防にぴったりのモロヘイヤで元気な体をつくりましょう!

Text by Sonomi Takeo