2022/04/22

FOOD

旬食材辞典|疲労回復やダイエット、美肌に効果的な「グリーンアスパラガス」

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は春〜初夏にかけてが旬の「グリーンアスパラガス」をピックアップ!


ー今月の旬食材
グリーンアスパラガス
グリーンアスパラガスの旬は4〜6月。グリーンアスパラガスはホワイトアスパラガスより栄養価が高いといわれています。細長い見た目からあまり栄養がなさそうに見えますが、ビタミンやミネラルが豊富で、健康や美容に抜群の効果を発揮する特徴的な栄養素も含んでいます。


アスパラガスの主な栄養素とは?
アスパラギン酸
疲労回復やスタミナ増強に効果のあるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸。もともとアスパラから発見された成分なので、その名もアスパラに由来しています。体内のエネルギー代謝を活発にする作用があるため、栄養ドリンクにもよく使用される成分です。
ルチン
ポリフェノールの一種で、毛細血管を強く丈夫にして血流を改善。高血圧や動脈硬化、脳卒中、心臓疾患などの生活習慣病の予防に効果があるといわれています。
また、ビタミンCの吸収を促進するので抗酸化作用も期待できるため、美肌や認知症予防などにも有効です。
葉酸
DNAや細胞の合成に関わる葉酸も豊富。葉酸はおなかの赤ちゃんの発育に必要不可欠なので、特に妊婦の女性にとって必要な栄養素。赤血球の造成をサポートする働きもあるため、貧血や動脈硬化の予防にも役立つとされています。
各種ビタミン
アスパラガスは、ビタミン類をバランスよく含んでいます。また、ビタミンAの前駐物質であるβカロテンも豊富に含まれており、皮膚や粘膜の健康に役立ち、美肌効果もあるといわれています。
カリウム
カリウムはむくみの原因となるナトリウムの排泄を促進して、血圧の上昇を抑える働きがあります。そのため、高血圧の予防効果が期待できます。


アスパラガスの栄養を効果的に摂取するためには?
栄養素は部位ごとに違う!
まず、アスパラガスの栄養素は部位ごとに異なります。
栄養が多く含まれているのは穂先の部分で、アスパラギン酸とルチン、ビタミン類が豊富です。
また、茎の表面にある小さな三角形の部分は血圧の上昇を抑えるアスパラプチンという栄養素が多く含まれています。できれば下処理時にこの部分を取り除かないで食すのがベターです。
サッとゆでるのがおすすめ
アスパラガスに含まれるルチンやビタミンなどの栄養素は水溶性なので、長時間ゆでると水に溶け出してしまいます。できるだけ栄養を逃さないためには、切らずにそのままか、大きめにカットしたものを熱湯でサッとゆでるのがポイント。
かたい根元の部分を先にゆで始めて、穂先は後から投入することで食感が残せます。ゆで上がったらすぐに冷水にとるようにすると、鮮やかな緑色がキープできます。
油と一緒に摂取すると吸収率がアップ
アスパラに含まれるルチンやβカロテンは、油脂と一緒に摂取すると吸収率がアップします。油で炒めたり揚げたりすれば、これらの栄養素を効率よく摂取できちゃいます。
さらに、水溶性の栄養素も逃さず取り入れることが可能です。定番のソテーや豚肉巻きのほか、素揚げや天ぷらもおすすめ。熱に弱い栄養素を損なわないためにも、短時間で加熱するのがおすすめ。


美味しいアスパラガスの選び方
アスパラガスを選ぶときは、穂先がキュッと締まっているもの、切り口はなるべく白っぽいもの、みずみずしいものが新鮮な証拠。
茎の部分のハリがあり、鮮やかな緑色でツヤツヤとしているものを選びましょう!
黄色っぽく変色していたり、筋っぽいもの、傷があるものは避けましょう。

アスパラガスを長持ちさせる保存方法
<冷蔵保存の場合>
アスパラガスは、根元の切り口を乾燥させないようにするのが長持ちさせるポイント。
水を入れたコップやペットボトルに根元をつけるか、濡らしたキッチンペーパーなどで根元を包んでから保存袋をかぶせ穂先を上にして立てて、冷蔵庫で保存します。
<冷凍保存の場合>
生のままか、軽く下ゆでしたものをラップして、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。1カ月ほど保存することが可能です。食べるときは熱湯をかけたり、電子レンジで軽く加熱したりすることで、簡単に解凍することができます。


疲労回復や代謝サポート、生活習慣病の予防、美肌など、さまざまな健康・美容に効果的といわれている野菜、アスパラガス。
春の出始めは、甘みが強く一番美味しい時期と言われています。サッとゆでるだけでも十分美味しいので、サラダにしたりバター醤油でソテーしたりと簡単なメニューにも役立ちます。フレッシュな味わいを、いろんな料理に活用してみてください。

Text by Sonomi Takeo