2022/05/03

FOOD

旬食材辞典|甘酸っぱさが美味しい「さくらんぼ」は、ビタミンの宝庫!

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は梅雨時期が旬の「さくらんぼ」をピックアップ!


―今月の旬食材―
さくらんぼ
甘酸っぱい味わいが魅力のさくらんぼは、梅雨の時期である5月後半から6月にかけてが旬。さくらんぼは体を温める作用があるといわれています。膀胱炎や尿道炎をはじめとする泌尿器疾患に効果があることで知られ、アメリカ先住民の生薬として使用されていたとか。また、中国では咳止めとして使用されていました。一粒の栄養素量はさほど多くはないものの、バランスがよいため天然のサプリメントともいわれています。ビタミンも豊富なため、美肌やアンチエイジングにも効果的。


さくらんぼの主な栄養素は?
カリウム
さくらんぼ100gあたり210mg のカリウムを含みます。カリウムは塩分(ナトリウム)の排出を促す働きを持つため、むくみ防止に効果的です。
鉄分
鉄は赤血球の材料になる栄養素。さくらんぼには非ヘム鉄が含まれていますが、非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収されづらいのが特徴。非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒にとることで吸収されやすくなります。さくらんぼにはビタミンCも多く含まれているため、非ヘム鉄の吸収率を高めるのに役立ちます。
ビタミンA
ビタミンAは肌や粘膜の健康を維持するのに有効。免疫機能にも深く関わる栄養素です。鼻やのどなどの粘膜に働きかけることで、細菌を侵入しづらくなります。
ビタミンB群
さくらんぼに含まれるビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン、ビオチン。エネルギーや細胞の代謝に関わる栄養素。糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを生み出すために必要になります。
ビタミンC
皮膚の健康を維持する働きを持つため、美容にも欠かせない栄養素。また、鉄の吸収をサポートしたり、ストレスから体を守って、病気への抵抗力を高めたりする働きもあります。
ポリフェノール
眼精疲労の対策に効果的なポリフェノール。目の健康維持に役立ちます。


さくらんぼの栄養を効果的に摂取するには
生で食べるのが一般的ですが、他の食材と組み合わせることで、栄養をさらに効率よく摂取することができます。
さくらんぼは鉄の吸収をよくするビタミンCが豊富なため、ほうれんそうや小松菜など鉄が豊富な野菜と組み合わせると◎。
また、ビタミンAは油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。サラダにトッピングしてオリーブオイルをかけて食べたり、ソテーしていただくのもおすすめです。


美味しいさくらんぼの選び方
果皮にハリとツヤがあり粒が大きく、表面に傷や変色がないものが新鮮。
しっかりと太陽を浴びることで鮮やかな色になり、甘味も増すので、なるべく全体が赤いものを選びましょう。(品種によっては完熟すると黒っぽくなるものも)。
軸は太くてきれいな緑色のものが鮮度がよいです。
軸が黒っぽく枯れていたり、萎れて細くなっているものは収穫から時間が経ってしまっています。


さくらんぼを美味しく保つ方法は?
さくらんぼは温度変化に弱いため、常温保存が基本。ただ、冷蔵状態で購入した場合は冷蔵しましょう。
触るときはそっと、やさしくが鉄則。長期保存したいときは、冷凍を。冷凍すれば1カ月ほど美味しさを保てます。
<冷蔵保存の方法>
1.ペーパータオルを敷いて保存容器に移す
保存容器にペーパータオルを敷き詰め、さくらんぼを洗わずそのまま並べる。みっちり並べると傷みやすいので、余裕のある大きさの保存容器を使いましょう。
2.ペーパータオルで包んで蓋をする
ペーパータオルで包み、蓋をする。
<冷凍保存の方法>
1.洗ってから水けを拭き取る
ボウルに張った水にそっとさらすようにして洗い流す。ペーパータオルで水けをやさしく拭き取る。
2.冷凍用保存袋に入れる
冷凍用保存袋に入れて、空気を抜いて密閉してから冷凍庫へ。


さくらんぼはフルーツゆえの糖分もあるので食べ過ぎには注意ですが、栄養素がバランスよく含まれているため意識してとりいれたいフルーツ。
暑い日はゼリーなどにしてスイーツでいただいても!フレッシュなさくらんぼは通年では食べられないぶん、旬なこの時期に堪能しましょう。

Text by Sonomi Takeo