2023/08/14

FOOD

旬食材辞典|青唐辛子で夏バテ解消と肌荒れ防止!

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は夏の旬野菜「青唐辛子」をピックアップ!


―今月の旬食材―
青唐辛子
青唐辛子の旬は7〜9月。青唐辛子が成熟したものが赤唐辛子で、成熟するほど辛味は強くなります。
青唐辛子は夏バテ防止と食欲増進の効果があり、さらに抗酸化作用や肌荒れ防止など美容効果も期待できる食材。ただ、刺激が強いため大量摂取すると胃腸が弱る原因にも。食べ過ぎには注意しましょう。


青唐辛子の主な栄養素とは?
ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑制し、動脈硬化や心筋梗塞など生活習慣病の予防に役立ちます。
また血管を酸化から守り、健康な状態を保つ働きもあり、血行をよくすることで美肌にも効果が期待できます。

ビタミンC
ビタミンEと同じく抗酸化ビタミンに分類される栄養素で、ビタミンBとともに、体内で起こるさまざまな代謝に関わる酵素の働きをサポート。
β-カロテン
強い抗酸化作用を持つ栄養素で、活性酸素の発生を抑えるだけでなく、活性酸素そのものを取り除く働きもあり、動脈硬化やがんの予防に効果があると言われています。また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。
カプサイシン
辛味成分であるカプサイシンは、ワタの部分にとくに豊富に含まれています。発汗作用が強く、適量でいただけば食欲増進などが期待できます。摂取しすぎると粘膜が荒れるなどリスクも伴うため、ほどほどにしておきましょう。


青唐辛子の栄養を効率的に摂取する方法
唐辛子を生の状態で食べても吸収率が悪く、10%程度しか吸収されません。茹でたり油と一緒に摂取すると吸収率がアップ。
唐辛子の栄養成分であるカプサイシンやβ-カロテンには油に溶けやすい性質があり、油を使って調理することで、体に吸収されやすくなります。


青唐辛子の辛味を和らげる、または強める方法は?
辛いものが苦手な人や子どもに唐辛子を食べさせる際には、
・切らずに丸ごと使う
・カプサイシンを多く含む胎座や隔壁を取り除いてから使う
・カプサイシンを吸着するヨーグルトなどの乳製品を料理に取り入れる
・熱い料理のほうが辛味を感じやすくなるため、冷ましてからいただく
などがあります。
また、辛味を増強させたいときは、細かく刻んだり潰したりしてペーストや粉末にすることで辛味をアップ。細かく刻むことで細胞壁が壊され、辛い成分が溶け出しやすくなります。


美味しい青唐辛子の選び方
新鮮な青唐辛子を選ぶには、以下のポイントで選びましょう。
・色鮮やかな緑色
・ハリとツヤがある
・先が尖っているもの
萎びているものや色がくすんでいるものは鮮度が落ちている証拠なので気をつけて。


青唐辛子の保存方法
<冷蔵保存の場合>
一回分ずつ小分けにして、密封できる保存袋に入れて保存を。1週間を目安に使い切って。
<冷凍保存の場合>
ペーパータオルで水分を拭き取り、1本ずつラップに包んで、空気に触れないようにしてから冷凍保存をすると長持ちします。3カ月くらいは保存が可能。
<乾燥保存の場合>
密封できる保存容器や保存袋に乾燥剤と一緒に入れ、湿気の少ない冷暗所に置く。完全に乾燥している青唐辛子は1年保存ができます。
<オリーブオイル漬けの場合>
加工してから保存する方法も。保存用の瓶を煮沸消毒して、青唐辛子を洗って細かく刻み、瓶に入れる。青唐辛子がしっかりかぶるまでオリーブオイルを入れて冷蔵庫で保存すれば、サラダをはじめさまざまな料理に使えます。

ピリッとした辛さが特徴の青唐辛子。カレーのスパイスやパスタのアクセントなどに使われることが多いですが、野菜炒めや豚汁、そのほか煮物など応用の効く食材です。残暑を乗り切るお助け野菜として、活用してみてください。





<参考文献>
農林水産省「カプサイシンに関する情報」
旬の食材百科

Text by Sonomi Takeo