2023/07/03

FOOD

旬食材辞典|「和製ハーブ」として古代から親しまれてきた大葉の嬉しい効果効能って?

Photo by Shutterstock

心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は夏が旬食材「大葉」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
大葉
香り豊かな大葉は、日本では古くから栽培されており、「和製ハーブ」とも呼ばれています。縄文時代の遺跡から大葉の種子が発見されており、その頃から栽培されていたといわれており、最も古い野菜のひとつ。その昔は咳止めとして用いられていたそう。そんな大葉はビタミン類やミネラル類を豊富に含んでおり、栄養価の高い緑黄色野菜です。また、しその葉に含まれるロスマリン酸は花粉症などのアレルギー症状が抑える効果があります。そのほか抗菌作用があったり、免疫力を高めるなど優秀な食材のひとつです。


大葉の主な栄養素は?
カルシウム
骨や歯の材料となるカルシウム。筋肉の興奮を抑えたり、血液の凝固に関わり出血の予防をしてくれる働きもあります。
β-カロテン
β-カロテンを摂取すると、その一部はビタミンAに変換されて働きます。ビタミンAは皮膚や目などの粘膜の健康を保ち、抵抗力を維持するために必要です。青じそより赤じそのほうがβ-カロテンは多く含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、髪、肌、爪などの健康維持や健全な成長に関与し、発育のビタミンと呼ばれています。糖質、タンパク質、脂質の代謝とエネルギーの生成に欠かせない栄養素です。
ビタミンE
活性酸素の害から守る作用が期待できるビタミンE。毛細血管の血行を促進する働きもあるため、生活習慣病や冷え性への改善効果が出ることもあります。
ベリルアルデヒド
大葉特有の独特な香りは、この成分からきています。胃の健康の維持と殺菌作用があるため、食中毒予防の効果が期待できます。
ロスマリン酸
ポリフェノールの一種で、ローズマリーやレモンバームなどのハーブに多く含まれている成分。抗酸化作用、抗炎症作用があり、アレルギー反応を抑える働きがあります。


大葉の栄養を効率的に摂取する方法
抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富なしそは、鶏ささみなどの高タンパクな食材と組み合わせると免疫力アップにつながります。魚や肉を使った主菜の薬味として活用するのも◎です。
ビタミンB群など、水溶性ビタミンを摂取したいなら、生で食べるのがおすすめ。細かく刻むことで、豊かな香りも楽しめます。
β-カロテンやビタミンEを効率よく摂取するなら、油を使った調理方法がおすすめです。これらの栄養素は脂溶性なので、油に溶けやすい性質があります。天ぷらやオイルパスタの材料として使うのがおすすめ。


美味しい大葉の選び方
大葉を選ぶときは、
・軸の太さがあり、切り口が変色していないもの
・葉にハリがあり、青じその場合は緑色が鮮やかなもの
・大きすぎず、適度なサイズ感
などがポイント。
軸が細いものや曲がっている大葉は鮮度が落ちている可能性があります。切り口が変色していたり乾燥している大葉も、収穫から時間が経っている証拠。また、大きすぎる大葉は硬くなりすぎている場合があるので、気をつけましょう。


大葉の保存方法
大葉は傷みやすい食材なので、変色したり水分が出たりしがち。新鮮な状態をキープするためにも、正しく保存しましょう。
<冷蔵保存の場合>
乾燥に弱いので、保存中も水分を補給すると長持ちします。大葉を立てて入れられるコップや瓶などの容器を用意して、大葉の軸を2~3㎜カットしたら、軸を下にした状態で立て、葉が浸らない程度の量の水を入れて保存を。
2〜3日ごとに水を変えると長持ちします。
<冷凍保存の場合>
大葉を2〜3枚ずつ重ねてからラップで包んで、密閉できる保存袋に入れましょう。3カ月程度は持ちますが、鮮度は落ちてしまうので1カ月程度で使い切るのがおすすめ。自然解凍して生のままでも使えますが、水っぽくなってしまうため凍ったまま天ぷらや炒め物にするのがおすすめ。
<塩漬け保存の場合>
塩漬けにする場合は、大葉の軸を取り除き洗い、水分をふきとったら保存容器に大葉と塩を交互に重ねて入れるだけ。最後に乾燥を防ぐためにラップをしましょう。保存期間は1〜3カ月程度。おにぎりに巻いても美味しくいただけます。

薬味としてはもちろん、主菜と合わせたりごはんやパスタのアクセントにしたり、天ぷらにしたりとさまざまな料理に活用できる大葉。とくに夏バテしやすいこれからの季節、胃腸をすっきりしたいときにおすすめ。傷みやすいので、正しく保存して旬の季節を楽しみましょう。





<参考文献>
わかさの秘密
シンクヘルス株式会社
サントリーウェルネスOnline

Text by Sonomi Takeo