2022/11/02

ORGANIC DICTIONARY

旬食材辞典|古くは薬草として親しまれていた「ごぼう」の栄養素とは?

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は秋〜冬にかけての旬野菜「ごぼう」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
ごぼう
固くてシャキシャキとした歯ごたえがおいしいごぼうの旬は、年に2回。香りが重視といわれる新ごぼうは4〜5月ですが、最もスーパーに出回る旬の時期は、秋の終わりから冬にかけての時期です。ごぼうは古くから薬草として利用されてきた歴史があり、食物繊維やミネラルなどさまざまな栄養が含まれています。


ごぼうの主な栄養素とは?
食物繊維
ごぼうといえば食物繊維が豊富なことで有名。食後の血糖値上昇をゆるやかにしたり、余分なコレステロールや塩分を外に排出する働きがあります。
イヌリン
イヌリンは水溶性食物繊維の一種。腸内のビフィズス菌などの善玉菌を増やし、腸内環境改善に役立ちといわれています。また、血中に含まれる脂肪を低減する効果、食後の血糖値上昇を抑制する効果も期待できます。
リグニン
不溶性食物繊維の一種で、コレステロール値を低下させる効果があります。腸内で水分を吸収し、便の容積を増やすことによって、大腸が刺激され排便をスムーズにするので、便秘解消にも役立つといわれています。
アルギニン
アミノ酸の一種であるアルギニンも多く含みます。アルギニンは精力増強に役立つといわれており、成長ホルモンの分泌を促進し、男性の機能向上や筋肉増強、血流改善などにも役立つといわれています。
マグネシウム
体内にある多くの酵素の働きを助け、血液循環を正常に保つ働きをするマグネシウム。マグネシウムを摂取することで、血液中のカルシウムの量や、カルシウムが骨や歯に行き届くように調整してりします。
ビタミンC
抗酸化作用を持つ栄養素で、皮膚や血管の老化を防ぎます。体内の活性酸素の増加を抑える働きがあり、アンチエイジングに効果があるといわれています。


ごぼうの栄養を効率的に摂取するには?
皮付きのまま調理したほうがよい
ごぼうの皮にはクロロゲン酸やタンニンなどのポリフェノールが豊富。ポリフェノールは抗酸化作用があり、血管を正常に保つのに役立つといわれています。調理するときは皮をむかずに泥を洗い流し、たわしや包丁の背を使ってこすり洗いするのがおすすめ。
アク抜きはなるべく短い時間で
ごぼうは変色防止やえぐみ、苦味などのアク抜きのために調理前に水にさらすことがほとんど。実は、アク抜きをした際に出る茶色の成分はポリフェノール。ポリフェノールはなるべく摂取したい栄養素なので、アク抜きする場合は5分程度、酢水にさらす場合は1〜2分程度など短時間で行うのがおすすめ。油を使う料理ならそれほどえぐみを感じることもないので、アク抜きなしで調理しても。
切り口の面積が大きくなる切り方を
不溶性食物繊維の一種であるリグニンが切り口に多く発生するため、ささがきや乱切りなど、切り口の面積が広くなるような切り方にしたほうが◎。切ってから少し時間をおいてから調理すると、より効率的に摂取できるともいわれています。


美味しいごぼうの選び方
ごぼうは土が付いたままのほうが日持ちがしやすいので、すぐに使わない場合は泥付きのものを選びましょう。
また、ひげ根が少なく、なるべく先の方まである程度太さがあるもの、太すぎずかつ太さが均一のものが鮮度がよいです。

表面のひび割れやシワが寄っているものや、ぐにゃぐにゃと柔らかいものは鮮度が落ちているので避けましょう。


ごぼうの保存方法は?
<土付きごぼうの保存方法>
1. ごぼうを新聞紙で包む
2. ビニール袋に入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫で保存
※水洗いをすることで鮮度が落ちてしまうので、洗わず保存を。洗ってある場合は、ラップをして野菜室へ。1週間以上保存したい場合は、下処理をしてから冷凍保存がおすすめ。

<生のまま冷凍保存>
1. 皮をむき、4㎝幅に切る
2. ボウルに水を張り、①をさっとさらす
3. キッチンペーパーで水けをきる
4. 料理1回分ずつに小分けしてラップに包む
5. ④を密閉袋に入れ、冷凍庫に入れる

<炒めてから冷凍保存>
1. 皮をむいてから、使いやすい大きさに切る
2. ボウルに水を張り、①をさっとさらして水けをきる
3. フライパンに油を入れて温め、全体に軽く火を通す程度に炒める
4. バッドに取り出し、粗熱がとれるまで冷ます。
5. 料理1回分を小分けにしてラップに包む
6. 密閉袋に入れ、冷凍庫に入れる

食物繊維だけでなく、ミネラルなどさまざまな栄養が豊富なごぼう。定番のきんぴらごぼうからごぼうのサラダや甘酢炒め、ごぼうの唐揚げなど、おかずやお酒のおつまみ、お弁当などに役立つレシピがたくさん。
アレンジ次第で飽きることなく美味しくいただけるので、あらゆるシーンで楽しんで。




<参考文献>
食物繊維の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット

野菜類/ごぼう/根/生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等

Text by Sonomi Takeo