2022/03/10

FOOD

旬食材辞典|たけのこご飯で集中力アップ?

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心も体も喜ぶ、旬の野菜を紹介していく人気連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は春の旬野菜「たけのこ」をピックアップ!



ー今月の旬食材ー
たけのこ

たけのこの旬は3月〜4月。2月後半から出回りはじめます。たけのこは70種類ほどあるといわれていますが、そのなかでも食用とされているのは数種類のみ。食物繊維やカリウムといった栄養素を豊富に含むことから、健康面にも美容面からみても、優秀な野菜だといわれています。


たけのこが持つ栄養素とその効能とは?
チロシン
チロシンは、タンパク質であるアミノ酸を構成する有機化合物の一種。切ったたけのこやゆでたたけのこに白い結晶が見られることがあると思いますが、これがチロシン。たけのこの旨味成分でもあります。
カリウム
カリウムは、人間に必要なミネラルの一種で、ナトリウムを排出する作用があります。塩分の摂りすぎを調節してくれたり、高血圧の予防に効果があるといわれています。たけのこは、野菜の中でもカリウムの含有率が高めなので、むくみが気になる人におすすめ。
食物繊維
食物繊維も豊富で、腸内環境を整える働きをします。血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、さまざまな機能を持っているといわれています。大量に摂取すると消化器官に負担がかかってしまうため、食べ過ぎに注意して、適量を心がけましょう。


たけのこの栄養成分を効果的に摂取する方法とは
たけのこに含まれるチロシンは、ブドウ糖と一緒に取り入れることで吸収率がアップします。アミノ酸であるチロシンは、甲状腺ホルモンや神経伝達物質のノルアドレナリンやドーパミンの元になります。新陳代謝を活発にして、ストレスを緩和したり、集中力をアップしたりと脳を活性化してくれる作用になるともいわれています。
定番のたけのこご飯にしたり、麺類や芋類と合わせるのも◎です。


美味しいたけのこの選び方
たけのこは、伸び過ぎたり日に当たる時間が長過ぎたりすると、アクが強くなりすぎてしまいます。
それゆえ、伸び過ぎてないものや、皮の色が薄いものを選びましょう。
そのほか皮の部分がしっとりしていて乾いていないもの、細いものより太短いもののほうが美味しいたけのこ。
また、根元のまわりに赤いブツブツが少ないものが良いです。多いものはアクが強い可能性があります。


たけのこの保存方法は?
たけのこのアクが残っているとえぐみや苦味の原因に!さらに腹痛やアレルギー症状などが出てしまう場合もあるので、調理する際にはアクはしっかり抜いていただきましょう。
掘り出されたたけのこは、アクがどんどん強くなっていってしまいます。
保存するときは必ず下茹して、アクを抜いてから保存を。アク抜きは重曹や米ぬかなどを加えたアルカリ性の水で取り除くことができます。

<冷蔵保存の場合>
アクを抜いたたけのこは皮をむき、カットします。
保存容器または保存袋にたけのこが浸かる程度の水とたけのこを入れ、密閉して冷蔵庫で保存をします。毎日水を変えながら保存をすれば、1週間ほどもちます。
市販のカットされたたけのこの水煮の場合も、乾燥しないように水につけたまま保存を。
長期間保存をしたい場合は、密封できる瓶に入れ電子レンジにかけて沸騰させるか、沸騰させた湯に首まで浸して煮沸した状態で蓋をきっちり閉めてから保存を。
<冷凍保存の場合>
冷凍保存の場合は、アク抜きしたたけのこの水気をしっかりふき取り、厚さ5㎜以下になるようカットします。冷凍保存袋にたけのこを入れて、冷凍庫で保存を。
<出汁に入れて保存する場合>
たけのこを出汁に浸けて冷凍することで、たけのこの水分が抜けにくくなります。解凍後は、煮物や汁物などの料理に使えます。アクを抜いて薄切りしたたけのこを、冷凍用の保存袋に入れて、全体が浸かる程度のたっぷりの冷ました出汁を入れます。できるだけ平らにしてから冷凍保存を。使うときは出汁汁ごと調理できます。
<砂糖をまぶして冷凍保存する場合>
砂糖には保水性があるため、たけのこの水分をキープするのに役立ちます。砂糖を使う量は、たけのこ1本(150g〜200g)につき大さじ1ほど。たけのこ全体にまぶせるくらいの量が目安です。アク抜きをして薄切りしたたけのこを冷凍用保存袋に入れて砂糖をふりかけて全体をなじませたら冷凍庫へ。解凍するときは、凍ったまま加熱を。


定番のたけのこご飯のほか、煮物や味噌汁、焼きたけのこや天ぷらなどいろんな料理が楽しめますが、旬の時期はぜひ、素材の味を活かしたシンプルな料理で味わってみてください。
食物繊維が豊富なぶん、食べすぎると消化器官に負担をかけてしまうことにもなりかねないので、適量を心がけることも大切。春が旬のたけのこを味わい尽くしましょう。

Text by Sonomi Takeo