2022/04/27

INTERVIEW

【湘南PEOPLE】腸活アドバイザーでライアー奏者、キミさんの真のウェルネスライフとは

今回の「湘南PEOPLE」でインタビューしたのは、腸活やアロマセラピーのアドバイザー・セラピストとして活躍する鎌倉在住のキミさん。最近は、ライアー奏者としても活動。これから届けていきたい想いとは?

――キミさんはKOMBUCHAのワークショップ開催や腸育講座講師など、腸に特化したアドバイザーとして活躍されています。そもそも、腸に着目したきっかけは?
「もともとはアロマテラピー・アロマオイルに興味があって勉強をしていたんです。ちょうどアロマを勉強し始めた頃に東日本大震災があり、ある時テレビで『心の問題』について取り上げている番組を見たんです。そこで自分のためだけでなく、まわりの人も癒したいと思い始め、日本スポーツアロマ協会というところで本格的に勉強しに通い始めました。
そこでアロマオイルの勉強をしているなかで、講師の一人に『アロマオイルと腸と脳の関係』を大学院で研究している先生がいまして、その先生の授業も面白かったし、人の体と心が健康でいるうえで腸内環境を整えることがいかに大事かわかってきました。それからは腸に関する講義を調べてたくさん聴きに行ったり、発酵食品を積極的に摂るようにしたり、腸のリンパマッサージをしたりと、いいと言われているものはいろいろ試すようになって。その情報やプロダクトがいいかどうかは自分が実験台となり、ちゃんと調べて試したいタイプ。15年くらいは自分のライフスタイルに取り入れながら、情報をアップデートしている感じです。」



――アロマテラピーに興味を持ったのはなぜですか?
「まわりには意外に思われるのですが私は小さい頃からずっと虚弱体質で、4歳のときに肺炎で入院をしてから何度かの入退院を繰り返していました。肺があまり強くないので熱もすぐ出すし、平均体温は35℃台。生理痛もとても重いほうだったんです。熱が出たら病院に行って抗生物質の薬をもらって熱を下げるといったことの繰り返し。ただ若さと気力と好奇心の強さでカバーしていたので、なんとなく誤魔化しながら過ごしていました。
社会人になり最初に就職した先はツアーコンダクターのお仕事で、海外と日本を行ったり来たりしていたため、体力的にも精神的にもかなりハード。より体に負担をかけるようになり、高熱を出すことも増え、生理痛で寝込んでしまうこともしばしば。今考えると当時の私の体は無理をしすぎて本当にボロボロだったと思います(笑)。サーフィンが好きだったので運動もしていたし、食生活も気をつけていたつもりですがそれでもなかなか改善されなくて。そんな中で何か改善できるものがないかと思い、興味を持ったのがアロマテラピーだったんです。東洋医学にも興味があったので、スリランカにアーユルヴェーダの勉強をしに行ったこともありました。」

――アロマオイルや腸活を始めたことで、徐々に改善していった感じなのでしょうか?
「そうですね。どれかひとつだけやればいいということではないのですが、腸活をしはじめてから体が変わり始めたという実感はあります。特にKOMBUCHAと出会ったことは大きかったと思います。」

――KOMBUCHAはどこで出会ったんですか?
「たしか昔、ハワイかバリで飲んだことはあったかんですが、その時はまずくて(笑)、捨てちゃった記憶があります。でもコスタリカのリトリートセンターにボランティアとして参加したことがあり、そこでKOMBUCHAを飲んだらすごく美味しくて。日本に戻ってからKOMBUCHAを飲めるところを探したのですが、いくつかあったものの、当時はそこまで多くはなくて。じゃあ自分で作っちゃおうかな、と思って作り始めました。そしたらある時、コスタリカで飲んだ時と同じ味ができてしまったんです。体にいいということだけでなく単純に美味しいので、ほぼ毎日飲んでいました。」

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腸内環境を整える効果が期待できる、発酵飲料「KOMBUCHA」。すべてキミさんの手作り

――そもそもKOMBUCHAってどんな効果が期待できるのでしょうか。
「KOMBUCHAはアジア発祥の発酵飲料で、紅茶や緑茶などの茶葉と水と糖類、酢酸菌と酵母由来のスコビー(菌株)などを加えて作られています。腸にやさしいプロバイオティクスの食品という事で、腸内環境を整えると言われています。」

――キミさん自身は具体的にどんな変化がありましたか?
「まず花粉症が軽くなりました。生理痛も寝込むこともなくなりましたね。お肌の水分量も違う気がします。あとは便の状態もいいです。でも麹を取り入れたり海藻などの繊維質が豊富な食材をなるべく食べるようにしたり、あとは夏でも冷たい飲み物はなるべく避けるなど、いろんなことを同時にやっていたのもあると思います。それに、精神的なものもあるかもしれません。ストレスは腸内環境を悪い影響を与えると言われていますが、特にここ数年は、ありがたいことに仕事も好きなことしかしていないので(笑)、それも腸内環境にとっては良いことだったのだと思います。リラックスすることで腸はちゃんと動くようになるし、やっぱりストレスって何事にも大敵ですよね。」

――鎌倉のカフェ『HOUSE YUIGAHAMA』でもキミさんのKOMBUCHAを出されていますよね。その経緯は?
「ツアーコンダクターの後にアパレル会社に就職していたのですが、6年ほど前にそのアパレルの会社を辞めることになり、次はどうしようかなと思っていた時にもともと面識があったカフェのオーナーさんからお声がけをいただき、カフェの近隣にある系列の宿で働くことになったんです。もともとは千葉に住んでいたのですが、その時はすでに鎌倉に移り住んでいました。そこでは鎌倉という場所柄もあり、海外から観光でいらしているお客様も多くて、中にはベジタリアンやグルテンフリーの方もたくさんいたんです。

当時カフェはわりとジャンクなメニューしかなかったのですが、そういった需要があるということをオーナーさんにお伝えし、私から提案させていただいてヴィーガンやグルテンフリーのメニュー、そしてKOMBUCHAのメニューをプロデュースすることに。でもヘルシーなものだけでなく、ホットドッグなどのジャンクなメニューも残しました。海外のようにどちらも選べるほうがいいかなと思ったんです。」

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鎌倉・由比ヶ浜通り沿いにあるカフェ『HOUSE YUIGAHAMA』で初めて飲食業を経験

――まわりの方の反響はどうでしたか?
「私は飲食業の経験がありませんでしたが、湘南にはオーガニックなど食に対して意識が高いお友達がたくさんいたので、みんながとても宣伝してくれて。観光の方だけでなく地元の方々も気軽にいらしていただけました。また同時に、お店が海の近くということもありますし、私もサーフィンが好きなので環境問題の発信もしていました。もともとツアコンの仕事で海外に行くことが多かったため、日本は環境問題に対する意識が遅れているな、とは感じていたんです。ストローをプラスチックからステンレスに変えたり、店内で環境問題に関するイベントを開催したりもしていました。」

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腸に関するワークショップの様子

――現在はどんな活動をメインにされているのでしょうか。
「カフェは昨年からテイクアウトのみになり、それと同時に私はプロデュースしながらも、常駐はしなくなりました。腸活に関しては、腸育講座やKOMBUCHAのワークショップなどをオンラインで開催しています。そして、これからはセラピストとしても積極的に活動したいと思っています。アロマのマッサージもそうなのですが、昨年ライアーという楽器に出会い、ソウルサウンドラライアー奏者といても活動しています。」

ーーソウルサウンドライアーとはなんでしょうか?
「ソウルサウンドライアーとは、シュタイナー教育の教育者であったドイツのアンドレアス・レーマン氏が生み出したハーブや琴にも似た弦楽器。素材は天然の木で、一枚板で作られています。音の振動を直接身体に伝えることで細胞を震わせ、身体と魂を癒すものと言われています。楽譜はないので頭で考えながらではなく、その時の感覚のままに演奏するのも魅力。私自身や施術を受けられた方の状態によって音色は変わっていきます。」

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キミさんのライアーは青森で製作

――ライアーと出会ったきっかけは?
「一年ほど前に、KOMBUCHAのワークショップで奄美大島に滞在したのですが、その時泊まった宿で、たまたまライアーを持っていた人がいらしたんです。“音”というものにもとても興味があったので、触らせてほしいとお願いしたところ、身体に乗せて演奏してくれました。その方が音を奏でてくれた瞬間、なぜか涙が止まらなくなってしまったんです。ライアーは本来の自分にかえると言われています。おそらく自分の今まで溜め込んでいた感情などが、ブワッと外に出されたのだと思います。」

――ヒーリング楽器ということですね。
「そうですね。今はネットもテレビでも暗いニュースばかりで、心が疲れている人がたくさんいると思います。こういった音や香りなどを活用して、癒されてほしいと思います。現在は沖縄にあるホテル『treeful treehouse Resort』で、私が沖縄滞在中のみ施術を行うというプログラムを作っていただいています。ここ半年くらいだけでも3回ほど沖縄には訪れたのですが、今後も鎌倉と沖縄を行ったり来たりするようなスタイルになっていくと思います。あとはいろんな人とコラボしながら、イベントなども行っていきたいなと、思っています。」

――鎌倉にいる時は、どんなライフスタイルを送っているのか教えてほしいです!
「朝は6時くらいには起きます。ここ最近は、起きたらまず瞑想をします。なかなか今まで続かなかったのですが、10分だけでもやろうと決めて、今習慣づけているところです。そのあとは白湯を飲んで、ヨガの太陽礼拝をします。暖かくて波がよければサーフィンにも行きます。天気がよければ、自転車で葉山のほうまで行くこともあります。
あとは、忙しい日々でも朝日や夕陽を見ながら海岸散歩をするようにしています。夏は裸足で。それだけでリセットになりますし、鎌倉に住んでよかったなと思える瞬間です。」

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趣味のサーフィン

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鎌倉の海から眺める夕陽は絶景


――これからの季節は気持ちよさそうですね!
「そうですね。私は寒いのが苦手なので(笑)、冬の間はあまり自転車で出かけられなかったので、そろそろいろんなところに出かけたいと思っています。」

――では最後に、キミさんが今後目指していることを、教えてください。
「私は、平和な世界を作るにはまず、1人1人が心身ともに健康であることだと思っています。健康だと余裕ができて、相手を思いやることができる。だから手を差し伸べ、必要な人に届けることを今後もしていきます。私の肩書きは、“発幸(はっこう)セラピスト”という言い方をしているんです。『幸せを発するセラピスト』として、ライアー、アロマなどの香り、腸育などを伝えていきたい。発信することで、もっとみんなの選択肢が広がるといいなと思っています。KOMBUCHAもまだまだ知られていないので、もっといろんな人に知ってほしいです。
そして自分自身は自然に任せて、ゆっくりと歩んでいきたいと思っています。私もガクンと落ち込でしまう日はあるし、そういう時はお風呂で号泣したりします(笑)。昔だったら落ち込んだ気持ちをなんとかしようとあがいていたかもしれませんが、今はその気持ちを感じきって、あとは放っておきます。そのほうが翌日にはスッキリしていたりするんです。40歳を過ぎてからは、自分の弱さやダメな部分も受け入れられるようになって、生きるのがとても楽になりました。そんなマインドでいたら、気負わなくても出会いたい人に、出会いたい時に出会えるようになってきた気がします。そんなふうにこれからも、自分を知るプロセスを楽しみながら、生きていきたいと思います。」


長年にわたり、自分なりのウェルネスを追い求めるジャーニーを続けてきたキミさん。
元気でハッピーに過ごす方法や正解は、人それぞれ。
しかし、自分の体感を持って信じられるものを見つけていくということは、ウェルネスの真髄なのではないだろうか。
こんなご時世だからこそ、自分の内側を見つめ直すいい機会かもしれない。
20代、30代、40代とさまざまな経験や知識を積み重ねてきたキミさんの言葉からは、そんなことを気づかせてくれた。

Text by Sonomi Takeo