2022/02/09

FOOD

旬食材辞典|春と言えば!風邪予防にも役立つ「菜の花」の効能とは?

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心も体も喜ぶ、旬の野菜を紹介していく連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は春の旬野菜「菜の花」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
菜の花
春を告げる代表的な野菜、菜の花。最盛期の旬は2〜3月。食用として用いられる菜の花は、つぼみと花茎の部分を収穫するので、つぼみの開いてないものが選ばれます。
菜の花はとても栄養価の高いアブラナ科の緑黄色野菜で、粘膜強化や免疫力を向上し、風邪予防に役立つといわれています。ビタミンCが豊富で、その含有量はほうれん草の3倍、もしくはニラの5倍の量。春先の体調管理に役立つ食材としておすすめです。


菜の花に含まれる主な栄養素とは?
β-カロテン
菜の花に含まれるβ-カロテンの量は野菜のなかでもトップクラス。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、その抗酸化作用により有害な活性酸素から体を守る働きをします。
ビタミンC
高い抗酸化作用があり、風邪の予防や免疫力向上などに効果が期待できます。また、シミやくすみの原因となるメラニン色素を分解する効能もあるため女性にうれしい栄養素です。
イソチオシアネート
菜の花の蕾の部分に多く存在し、大根やキャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれる辛み成分です。血液の流れをよくして血栓予防に優れています。そのほかにも咳止め効果、解毒や殺菌作用などに働きます。
葉酸や鉄分
葉酸は胎児の先天性の疾患を予防する大切な栄養素。また、ビタミン貧血予防にも役立つといわれています。鉄分の量も豊富なので、こちらも貧血予防に効果的です。

このほかカルシウムや亜鉛、リンといった不足しがちなミネラルも比較的多く含んでいます。


菜の花の栄養を逃さない方法
ゆですぎない
ビタミンCなどの水溶性の栄養素は熱に弱いため、サッとゆがくことがおすすめ。沸騰したお湯に根から葉先の順で入れ、30秒〜1分ほどで取り出しましょう。
油と一緒に摂取する
菜の花に含まれるβ-カロテンは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が上がるといわれています。オリーブオイルで炒めたり、おひたしにして最後にごま油をかけても。


新鮮な菜の花の選び方
葉の色も茎の色も、鮮やかなものがベスト。全体的にみずみずしさがあり、持ったときにハリがあるものがおすすめです。
つぼみは硬く、開く直前のものを選びましょう。花が開いてきているものは成長が進んでいるため鮮度が落ちています。
切り口は茶色く変色しているものは鮮度が落ちている証拠なので、変色していないものを選びましょう。


菜の花の保存方法は?
冷蔵保存の場合
菜の花は放っておくと乾燥してすぐしなびてしまうため、乾燥させないことが長持ちさせるポイント。
軽く湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて口を軽く縛って、冷蔵庫の野菜室で保存を。横向きに寝かしてしまうのもしなびてしまう原因になるので、冷蔵庫では立てて保存しましょう。
冷凍保存の場合
かために下ゆでして冷凍することで、ほろ苦い香りとやわらかい食感を長く楽しめます。
鍋に湯を沸かし、塩少々を入れてから菜の花を茎から入れ、サッとゆがいたら冷水にさらして色止めを。ざるにあげてペーパータオルなどでおさえて水分をしっかり拭き取る。茎の根元のかたい部分を切り落とし、2等分の長さに切る。茎の部分と花の部分を均等に入れてラップに包み保存袋に入れて空気を抜いてから口を閉じて冷凍。3〜4週間保存可能です。

菜の花はおひたしやナムルにするのが定番ですが、炒めたり天ぷらにしたり、味噌汁にしたりとさまざまな調理法が楽しめます。
今のおいしい時期にほろ苦い風味をぜひ味わってみてください。

Text by Sonomi Takeo