2022/02/15

ORGANIC DICTIONARY

改めて知っておきたい!再び注目されている「低GI値」を解説

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いっとき話題となった「低GI値ダイエット」。ダイエットという観点のみならず、急激な血糖値上昇は健康を害する可能性に繋がります。今回は改めて「GI値」について解説します。


GI値とは?
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。GI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し、反対に低い食材を食べると血糖値はゆるやかに上昇します。


急激に血糖値が上がるとどうなる?
GI値が高い食材を食べすぎたり、過食などで血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が多量に分泌されます。このインスリンはすい臓から分泌されるため、すい臓に負担をかけてしまいます。
また、インスリンには「脂肪を作る・脂肪の分解を抑制する」という働きがあります。
そのインスリンが過剰に分泌されることで、余ったエネルギー源が脂肪として蓄えられてしまいます。それにより、肥満やすい臓の疲労による糖尿病、高血圧、高脂血症などの「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪の蓄積されることによって発症する病気のこと)の危険性を高めることになります。

また、食後に急激に眠くなったり倦怠感やイライラを感じる経験はありませんか?
これらも血糖値の乱高下が原因のひとつです。
この時、自律神経の交感神経を刺激するホルモンが分泌されています。
このような状態が続くと体の不調をきたす原因にも繋がります。さらに処理しきれなかった余分な糖質は、体内のタンパク質などと結びついて、細胞などを劣化させてしまう「糖化」という現象を起こしてしまうことも。これらが進むとシミ、シワ、くすみの原因にもなってしまいます。


低GI値の食品とは?
炭水化物などは高GI値食品の代表的なもの。とはいえ、炭水化物はエネルギー源として重要な栄養素。
ただ抜けばいいものではなく、低GI値の食品のものを選ぶことが大切です。

【低GI値の食品を選ぶポイント】
・デンプン質の低い野菜
・食物繊維が豊富な食材
・精製されていないもの(玄米やライ麦など)
・肉や魚などのタンパク質
どれかに偏ることなくこれらをバランスよく摂取すると、栄養もしっかり摂りながら血糖値が急激に上昇することを防ぎます。


高いGI値食品を食べるときの対処法
とはいえ、GI値が低い食品ばかり食べるということはなかなか難しいはず。
GI値の高い食品を食べる時には、食事の摂り方を気をつけることがポイントとなります。

【血糖値上昇を緩やかにするポイント】
・食物繊維と一緒に摂取する
・野菜から食べる
・お酢を活用する

食物繊維を含む食品と一緒に摂取することで、他の食品のGI値を下げる効果が期待できます。水溶性食物繊維が多く含まれる海藻類やきのこ類などがおすすめです。
また、消化吸収に時間がかかる食物繊維が豊富な野菜から食べるのもポイント。
酢に含まれるクエン酸や酢酸も糖の吸収を抑え、血糖の上昇を緩やかにしてくれます。
食前にお酢ドリンクを飲んだり、副菜で酢の物を足すなどしながら工夫しましょう。


現代人は精製された炭水化物や甘いものなど、知らず知らずのうちに糖質を過剰に摂取しています。上手に低GI値食品を活用したり、食べ方を工夫しながら食生活を楽しみましょう!




<参考文献>
山梨県厚生連

ケンミン食品会社
タニタ
kracie「Kampoful Life」

Text by Sonomi Takeo