2021/07/02

ORGANIC DICTIONARY

やっぱり体に悪いの?人工甘味料「アスパルテーム」とは

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数年前、「カロリーゼロ」という謳い文句とともに、人工甘味料が含まれた食品が急増。人工甘味料は、体に悪い影響を及ぼすのでしょうか?ここでは人工甘味料の一つである「アスパルテーム」について解説します。


人工甘味料は、そもそも健康によくない?
アスパルテームのほか、サッカリン、ネオテーム、スクラロース、アセスルファムKなどの人工甘味料は、食品に甘みをつけるために使われる合成化学物質。
人工甘味料を使った商品は、カロリーを抑えながら甘味を感じられるので、糖質制限がブームの中で、その需要が拡大しました。
人工甘味料についての議論は賛否両論で、必ずしもすべての人工甘味料が体に害かというと、そうではないという意見もあります。
ステビアやアルロースなどの天然の非栄養甘味料は、「体に毒ではない」という話も。
しかしながら大量に摂取することはやはり、甘み中毒になってしまったり、さらに脳卒中、認知障害、満腹中枢の機能異常による体重増加のリスクが高まるともいわれています。


中でも避けたいのが「アスパルテーム」
アスパルテームは、天然には存在しない化合物です。 現在でも安全性・危険性に関しては最も論争がある人工甘味料の一つです。
アスパルテームは、現在米国、欧州、アジア、アフリカ、オセアニアなど120以上の国で1万品目を超える食品・ダイエット食品・医薬品などで使用されるほど普及しています。
砂糖の160〜220倍の甘味を持つため、少量で甘く感じられ、日本でも多く使用されています。

アスパルテームは天然には存在しない化合物。経口摂取されると小腸でフェニルアラニン(約50%)とアスパラギン酸(40%)というアミノ酸と有毒なメタノール(10%)に分解・吸収されます。
その後、通常のアミノ酸と同じようにタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりします。 そのそれぞれの成分が、健康被害をもたらすと考えられているのです。
アスパルテームによって引き起こされる症状は激しい頭痛、うつ病、不眠症、体重増加、めまい、嘔吐、疲労、抜け毛、手の震え…など多岐にわたるといわれれています。

「アスパルテームは脳腫瘍などの致命的な健康被害をもたらす危険性がある」と結論を出している研究機関も多く、米国の興奮毒の専門家ラッセル・ブレイロック医師(脳神経外科)は、「このような神経毒が市場に出回ることは、人々の知能の低い人々を支配するために、このような人工甘味料が出回っているのだ」と述べています。

真実はまだ研究途中ではありますが、さまざまなリスクがある可能性は否めません。

体にいい食べ物を摂取するのはもちろん、体によくないとされるものを意識して避けることも大切。
そして、どの食品、食材であっても摂り過ぎは禁物です。 自分の体の声を聞きながら、なるべく自然に近いものを取り入れましょう。


〈参考文献〉
本当に危ない人工甘味料(その1) くちにか内科クリニック
人工甘味料の種類と特徴! 栄養士が考えた上手な使い方
『スイートポイズン:本当は恐ろしい人工甘味料「アスパルテーム」の話』ジャネットスタハール著(東洋経済新報社)

Text by Sonomi Takeo