2022/01/31

ORGANIC DICTIONARY

風邪予防や歯周病予防、ほうれい線ケアまで!オイルでうがいする「オイルプリング」って?

Photo by Shutterstock

インドの伝統医学、アーユルヴェーダの中の自然療法の一つである「オイルプリング」。
健康や美容など、様々なメリットが期待できるといわれています。その効果とは?


オイルプリングとは?

オイルプリングとは、「オイルで口をすすぐ」健康法。
プリング(pull)は「引っ張る」ことで、口の中の細菌などを引っ張りだすことを意味し、日本語でオイルうがいともいわれています。
古代インド発祥のアーユルヴェーダのひとつで、オイルを使った口腔ケア「ガドゥーシャ」が由来だそう。


オイルプリングによる効果・効能は?
毒素排出
細菌は単細胞でまわりが油でコーティングされているので、オイルを口に含んでクチュクチュうがいすることで、唾液とオイルが混ざって乳化され細菌を油膜で吸着してくみとってくれます。
免疫力アップ
口内細菌をオイルで絡めとって排出することで今まで口内細菌の撃退に使われていた免疫機能の負担が減り、そのぶん他の細菌撃退に免疫機能が使われるように。つまり免疫力がアップされ、自然治癒力も上がるという仕組みです。
ほうれん線ケア
口をしっかり動かすため、顔の表情筋が鍛えられ、固まった顔の筋肉を動かすことで血流もよくなります。ほうれい線を予防したり、むくみを解消されて小顔効果も期待できます。
虫歯予防
オイルを使うことで歯や歯茎の隙間まで入り込み、歯ブラシだけでは磨ききれなかった汚れを取り除いてくれます。また、口内には300〜500以上もの細菌がいるともいわれており、これらも虫歯や歯周病の原因になるともいわれています。オイルプリングは虫歯や歯周病の予防にも有効だといわれています。
歯のホワイトニング効果
蓄積された汚れを少しずつ溶かして取り除き、コーヒーやタバコ、赤ワインなどの色の濃い食品や食べカスなどが原因でできた歯の黄ばみを軽減して、歯の色をトーンアップしてくれるといわれています。


オイルプリングの方法
使用するオイルは、ココナッツオイルやオリーブオイル、白ごま油、ひまわり油、アマニ油などの植物性オイル。白ごま油は、キュアリング(加熱処理)をしてから使用しましょう。
オイルを大さじ2/3〜1杯を口に含んでクチュクチュとうがいをする(ガラガラうがいはしないこと!)。歯の隙間や表面にオイルが行き渡るように15~20分かけてうがいするのが理想。最初は5分からでもOKです。
うがいが終わったらオイルを口から出します。排水溝ではなくティッシュに出してください。最後にお湯か水で口をゆすいだら終了です。


オイルプリングをする回数・時間は?
1日1〜3回、食事前などの空腹時がおすすめ。特に口内細菌が一番多いといわれる起床後すぐが効果的といわれています。寝る前に行って、口の中をスッキリしてから寝るのも◎。朝はいつもの身支度をしながらやると続けやすいかもしれません。


オイルプリングの注意点
うがいしたオイルには毒素が含まれているので、絶対に飲み込まないこと。
オイルを下水に直接流さないという環境への配慮も大切です。
また、酸化していないオイルを選ぶことも大事。開封してから時間が経っているオイルは避けましょう。


美容にも健康にも効果的といわれるオイルプリング。人によっては1〜2週間続けると、だるくなったり好転反応が出る場合も。体がデトックスを進行させている過程で起きることなので、しばらくするとおさまるはずです。
スプーン一杯から始められて、誰でも実践しやすい健康法なので、ぜひ気軽に試してみてください。



<参考文献>
cocowell公式ホームページ
山田製油公式ホームページ
医道の日本社
tenki.jp

Text by Sonomi Takeo