2022/01/08

FOOD

旬食材辞典|ほのかな苦味と酸味が美味しい「キンカン」の効能とは?

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は冬が旬の果実「キンカン」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
キンカン

キンカンと聞くと、のど飴をイメージする方も多いのではないでしょうか。
昔から咳やのどの痛みに効果的であるとされ、親しまれている果物です。小さいですが、実は様々な栄養成分が豊富に含まれています。
皮が柔らかいため皮ごと食べることができ、甘味と苦味のどちらも持っていることが特徴です。熟した果実が金色の柑橘であることから、「キンカン(金柑)」と呼ばれるようになりました。
日本では宮崎県が最も多くキンカンを生産しており、そのほか鹿児島県、熊本県、高知県、和歌山県でも生産されています。
最もおいしくたくさんキンカンが出回る時期は、1月中旬〜3月です。


キンカンに含まれる栄養素とその効果は?
ビタミンC
キンカンには、レモンと同じくらいビタミンCが含まれています。特に皮に多く含まれています。肌のうるおい作りをサポートし、風邪の予防やストレスへの抵抗力を高めるなどの効果が期待できます。
ビタミンE
強い抗酸化作用のあるビタミンEは、血管の細胞膜のダメージを防いで血管そのものの健康を保ちます。
ヘスペリジン
ヘスペリジンはみかん由来のフラボノイド、ポリフェノールの一種。主に柑橘類の果皮・薄皮に多く含まれています。ビタミンCの吸収を良くして、毛細血管を強くする働きがあります。
カルシウム
果物として珍しく、カルシウムが豊富。カルシウムは丈夫な骨や歯をつくる働きをしてくれます。
β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンとは、赤〜オレンジ色の色素であるカロテノイドの一種。目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあり、のどの痛みにも効果があるといわれています。
シネフリン
咳止め効果があるといわれるシネフリン。これは気管支の筋肉弛緩作用の効果によるものといわれています。
食物繊維
キンカンの皮やスジの部分には、食物繊維が豊富。食物繊維は、腸内環境の改善に役立ちます。


キンカンの栄養を効果的に摂取するには?
ヘスペリジンやビタミンCは皮の部分に多く含まれているため、皮をむかずにそのまま食べましょう。
ビタミンCは水に溶けやすい性質があることから、ゆでてしまうと栄養が流出してしまいます。そのため生で食べるのがおすすめです。


キンカンの栄養をパワーアップするのがはちみつ漬け
はちみつ漬けは、生のキンカンをはちみつに漬け込むだけなのでビタミンC損失の心配がなく、はちみつの持っている抗酸化作用とキンカンに含まれるシネフリンなどの成分により、古くから風邪予防に効くといわれている食べ方です。
また、生のままスライスしてサラダに入れても、味と彩りのアクセントになります。


昔からのど風邪に効く民間薬として広く利用されてきたキンカン。柑橘系の爽やかな香りは、イライラや気持ちの落ち込みを和らげる作用も。
栄養たっぷりのキンカンを食べて、寒い冬を元気に乗り切りましょう。

Text by Sonomi Takeo