2021/12/03

FOOD

旬食材辞典|夏より栄養価がぐんっとUP!「ほうれん草」の魅力

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心も体も喜ぶ、旬の野菜を紹介していく新連載がスタート! 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は冬の旬野菜「ほうれん草」をピックアップ!


ー今月の旬野菜ー
ほうれん草
ほうれん草は通年スーパーや八百屋さんで見かけるイメージですが、実は冬の旬野菜。寒くなるにつれて緑が濃くなり、甘みが増してきます。ビタミンも豊富になり、栄養素もぐっとアップします。
また、低カロリー・低糖質でもあるので、ヘルシーな食事をしたい日にもぴったりです。



ほうれん草の主な栄養素は?
鉄分
ほうれん草に含まれる鉄分は、牛レバーに匹敵するともいわれるほど。鉄分は血液中にあるヘモグロビンをつくるため、貧血の予防や改善に必須のミネラルです。
ビタミンA
体内でβ-カロテンに変化します。油を使って調理すると、β-カロテンをたくさん摂ることができます。
ビタミンC
抗酸化作用がある水溶性ビタミンで、老化防止や免疫力を高める働きがあるといわれています。旬の冬に収穫されたほうれん草は、夏に収穫したものよりビタミンCが3倍多く含まれているといわれています。
ビタミンE
脂溶性ビタミンのひとつ。抗酸化作用が強く、老化防止にも効果があるといわれています。
ビタミンB1
疲労回復に役立つといわれるビタミンB1。また、ブドウ糖からエネルギーを生成するときにも必要なビタミンです。
食物繊維
ほうれん草には、不溶性食物繊維(水に溶けない食物繊維)が多く含まれています。
葉酸
ほうれん草の抽出物から発見されたビタミンB群のひとつ。鉄分と同様、造血作用があるといわれています。


葉物野菜をシャキッとさせる方法
葉物野菜は葉が薄いため、他の野菜と比べて水分が蒸発しやすくなります。しなびてしまった時は、氷水をボウルに張って野菜を2分ほど浸しましょう。
ほうれん草や小松菜は、根元を切って浸すとより水分を吸収しやすくなります。


効率よく栄養素を摂取するには?
ゆでる場合
ゆでることでアクを抜き、シュウ酸を減らし、食べやすくなります。また、土が残りやすい根の部分も食べやすくなります。根の部分はミネラルが含まれて、茎よりも栄養豊富。なるべく切り落とさずいただきましょう。
ただゆでることで水溶性のビタミンが流出してしまいます。栄養素の損失を防ぐために、ゆでる時間は1〜2分ほどにとどめて最小限に手早くするのがポイント。
炒める場合
ほうれん草に含まれるβ-カロテンは、脂溶性のビタミン。油と一緒に摂ることで、吸収率がアップします。また、ゆでる調理に比べて水溶性のビタミンの損失は少なくなります。ただシュウ酸が残りやすくえぐみや酸味のもとになるので、ほうれん草の炒め物は摂りすぎに注意。


相性のよい食材は?
肉類、じゃがいも、ピーマンなどはほうれん草に含まれる鉄分の吸収率をアップしてくれます。


ほうれん草はメインにもちょっとした副菜にも使える便利な食材。
定番のほうれん草のごま和えやおひたし、サラダなどのほか、パスタや肉炒め、グラタンやスープ、リゾットなど様々な料理と相性抜群です。
冬はホットスムージーにして楽しんでもいいかもしれませんね。
ぜひこの機会にほうれん草料理のレパートリーを増やしてみてください。

Text by Sonomi Takeo