2021/11/09

ORGANIC DICTIONARY

アップサイクルを解説!新しい発想とアイデアで不用品が生まれ変わる

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「アップサイクル」という言葉をご存知でしょうか。SDGsの一環である取り組みで、今注目されている循環システムです。今回はこのアップサイクルについて、解説します。


アップサイクルってどういう意味?
アップサイクル(upcycle)とは、廃棄物や不要になったものに新しい価値を与えて、元はなかった用途を可能にしたり、異なる分野の製品に転換するなど、元の製品よりも高い価値を創り出すこと。
たとえば、タイヤのチューブを使用してバッグをつくったり、大型家具やフローリング材をつくる際の端材を、文字盤やベルト部分に使用するなど、ファッション業界での事例も多いです。
また、木や鉄屑など、廃材を使ってつくるアート作品などもアップサイクルの取り組みのひとつです。
アップサイクルの逆の概念として、「ダウンサイクル」という言葉もあります。これは、たとえば着なくなったTシャツを雑巾にする=価値が下がるという意味で使われます。
この言葉の対比として、アップサイクル(リサイクルによって製品をアップグレードする)という言葉が生まれました。


リメイク・リデュース・リユース・リサイクルとの違い
アップサイクルはリサイクルとも似ているように感じますが、リサイクルは不用品をいったんバラして製品がつくられる前の資源の状態に戻してから再度製品をつくるのに対し、アップサイクルはものの素材や特徴をそのまま活かして、新たな製品を生み出すことをいいます。
また、リユースは自分が使わなくなったものを人にゆずって再利用すること。
リデュースは、たとえばショッピングでマイバッグを使用することでゴミを出さないようにすることをいいます。
リメイクもまた、素材や特徴を活かすという点ではアップサイクルと近しいですが、リメイクの場合は、アレンジするのみでアップサイクルのように違う製品をつくりだすことではありません。


アップサイクルのメリットは?
リサイクルの場合、元の製品を分解する工程があるため、そのためのエネルギーが必要になります。アップサイクルは製品を分解したり溶かしたりすることがないため、エネルギーの消費を抑えられます。さらに製品を分解するための工場も必要ないため、コストも抑えられます。
また、元の製品よりも価値を上げるため長く使い続けることにつながり、物の寿命が伸びるというメリットもあります。


アップサイクルの取り組みを行なっている企業が増えていますが、一人ひとりが不要になったものを捨てる前に、一度新しい価値を付加することで活用できないか考えてみることが大切です。サステナブルな社会実現のためにも、日常のなかでアップサイクルを意識してみましょう。


<参考文献>
フマキラー公式サイト

Text by Sonomi Takeo