2024/02/13

FOOD

旬食材辞典|栄養たっぷりの山菜、「わらび」を食して春の訪れを感じて

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は春が旬の「わらび」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
わらび
わらびは植物で、山菜の一種。全国各地の山に自生しており、葉が開く前の新芽の状態で食します。旬の時期は、春。早ければ2月の下旬頃から収穫されます。直売所や山菜採りなどで採れたてのわらびは手に入りますが、スーパーなどでは加工品が並んでいることが多いです。食物繊維やビタミンが豊富で、ぜんまいやふきに比べると糖質が少ないのが特徴。山菜の中でもカロリーは低めなので、ダイエット中の方にもおすすめです。


わらびの主な栄養素は?
ビタミンB2
皮膚や髪の発育を促す作用があるビタミンB2。とくに成長期の子どもにとっては重要な栄養素です。また、肌荒れやニキビを抑制する働きがあるともいわれています。
食物繊維
わらびには、食物繊維が豊富に含まれています。腸のぜん動運動を促したり、腸内細菌のエサになったりするといわれているので整腸作用が期待できます。
ビタミンEやβ-カロテン
抗酸化作用を持つビタミンEやβ-カロテンも豊富。抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素の働きを抑えたり、活性酸素そのものを除去したりする働きのこと。活性酸素は過剰に発生すると、脂質の酸化を促進し、動脈硬化を引き起こしたり、ほかにもガンや老化の原因となる物質なので、抗酸化物質の摂取はとても大切です。
葉酸
葉酸はとくに妊婦初期に必要とされていて、葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害を招く原因となるともいわれています。ただ、わらびには発がん性物質のプタキロサイドが含まれているので、アク抜きは欠かさず行うことが重要。プタキロサイドは水溶性なので、熱に弱い性質のため、茹でたり水に浸せば安心です。


わらびの栄養を効率よく摂取する方法
アク抜きをする
わらびは毒性のあるプタキロサイドが含まれているため、十分なアク抜きが必要。鍋にたっぷりの水を沸騰させ、重曹か木炭とともにわらびを入れます。その状態で加熱し、沸騰寸前で火を止めます。落とし蓋をして、冷めたら一度水を替えて、その状態でひと晩置いたらOK。
油を使う
わらびにはビタミンEやβ-カロテンなど、脂溶性の栄養素が多く含まれています。これらの栄養素を効率よく摂取するには、油を使った料理がおすすめ。脂溶性の栄養素が溶けやすく、油と一緒に摂取すると吸収効率が高まります。


美味しいわらびの選び方
新鮮なわらびを見分けるポイントはコチラ。
・茎は緑色のもの
・うぶ毛がたくさんついているもの
・茎が太く短いもの
など。
茶色く変色しているものは、鮮度が落ちているのでご注意を。また、新芽を採るわらびは穂先がU字型に曲がった状態で収穫されます。首が上を向いたものは育ちすぎているため、食感が硬く味が落ちている可能性があります。


わらびの保存方法
生のわらびは足が早いので、なるべく早く食べ切りましょう。また、購入した日のうちにアク抜きをするのが基本。アク抜き後は冷蔵庫で2〜3日保存が可能です。

<冷蔵保存の場合>
冷蔵庫で長持ちさせる場合は、アク抜きしたわらびを水に入れた状態で保存します。適宜水を入れ替えながら保存すると1週間ほど持ちます。
<冷凍保存の場合>
冷凍保存する場合もアク抜きする必要があります。保存容器にわらびとと水を一緒に入れて冷凍庫へ。冷凍すると、2〜3カ月程度保存が可能です。

シャキシャキの食感が楽しめるわらび。わらびのナムルや炒め物、煮物料理は、ごはんのおともやお酒のおつまみとしてぴったりです。ちょっぴり苦味のある山菜をいただいて、春の訪れを感じてみて。





<参考文献>
わらびたたき 山形県 | うちの郷土料理:農林水産省
月報 野菜情報-情報コーナー- 

Text by Sonomi Takeo