2023/02/28

FOOD

旬食材辞典|ビタミンとクエン酸が豊富な「はっさく」で美肌&疲労回復!

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は初春が旬の「はっさく」をピックアップ!

ー今月の旬食材ー
はっさく
江戸時代に、広島県にある因島で偶然発見されたはっさく。はっさくが出回るのは1月中旬〜4月下旬。一番おいしい時期は、2〜3月と言われています。はっさくは「八朔」と書きますが、これは旧暦の8月1日のこと。1日を朔日と呼んだことから名付けられましたが、旬は8月ではありません。美容に関わるビタミンCやナリンギン、便秘解消に効果的な食物繊維など多くの栄養を含むフルーツです。


はっさくの主な栄養素は?
ビタミンC
抗酸化ビタミンのひとつとして知られるビタミンC。体の酸化を防ぐ働きや、コラーゲン生成を助ける働きがあります。
カリウム
ミネラルの一種であり、ナトリウム(塩分)の体外排出、筋肉の収縮、血圧の上昇を防ぐサポートをしてくれます。
カルシウム
人体に最も多く含まれるミネラルであり、骨や歯を形成します。
アスパラギン酸
アミノ酸の一種。疲労物質である乳酸の分解や、たんぱく質の合成を促し、疲労回復に役立ちます。
ナリンギン
ポリフェノールの一種ではっさくの苦味成分。ナリンギンには食欲抑制作用や抗酸化作用、他にも血管を丈夫にし、血流を改善してくれる効果があると言われています。
クエン酸
クエン酸は柑橘類に共通して多く含まれる成分。体内でのカルシウムの吸収を助けたり、炭水化物の代謝アップを促すなどの効果があると言われています。
ビタミンP
はっさくの袋や筋の部分に多く含まれるヘスペリジンはビタミンPの一種でビタミンCの働きを助け、ビタミンCの抗酸化作用をサポートしてくれます。


はっさくの栄養を効率よく摂取する方法
はっさくには抗酸化作用が期待できるビタミンCがたっぷり含まれています。ゆでたり水にさらしたりすると栄養が流出しやすので、加熱調理をせず皮をむいて生でいただくのがおすすめ。薄皮部分にも栄養はたっぷり含まれているので、薄皮はむかず果肉と一緒に食べるのがグッド。
また、はっさくのクエン酸はカルシウムの吸収をサポートしてくれるため、カルシウム豊富なヨーグルトなどと合わせていただくと食べ合わせがよいです。


美味しいはっさくの選び方
はっさくを選ぶときのポイントは、
・色が明るいだいだい色
・ヘタの部分がきれいな緑色
・ハリとツヤのあるもの
・手で持ったときにずっしりと重いもの
・柑橘のいい香りが残っているかどう
をチェックしましょう。茶色い部分がある場合は、鮮度が落ちている可能性があります。


はっさくの保存方法
<室温保存の場合>
はっさくは皮が暑いので長持ちしやすいのが特徴。室内保存をする場合は、風通しのよい冷
暗所に置いておくとよいでしょう。

<冷蔵保存の場合>
室温が高いときは、冷蔵庫の野菜室で保存を。ビニール袋に入れて口を閉じ、乾燥を防いで。

<冷凍保存の場合>
長期間保存をしたい場合は冷凍保存も可能。皮と薄皮を取り除き、果肉だけを保存袋に並べ、空気を抜いてから冷凍庫へ。半解凍すれば、シャーベットのような味わいに。ジャムなど加熱殺菌するとより安心です。


暖かくなるにつれて、柑橘類のフルーツが美味しくなってきます。ビタミン豊富で、美肌や免疫力アップにもつながるので、朝食や食後のフルーツとして楽しんでみましょう。




<参考文献>
旬の食材百科
文部科学省「食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(かんきつ類)/はっさく/砂じょう/生
伊藤農園「みかんな図鑑」

Text by Sonomi Takeo

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