2022/12/09

REMEDY

冬のエイジング対策は「血管ケア」を意識して!

Photo by Shutterstock

エイジングケア連載第二回は、「血管力=若々しさ」についてです。
冬のエイジング対策は、血管ケアを意識しましょう。

「冷えは万病の元」と昔からよく言われますが、いえいえ、「冷えは老化の元」もっと言うと「元凶」です!
特に寒いこの時季は、手足の末端の冷えはもちろん、“顔冷え”も気になります。
通常、顔の表面温度は34℃ほどですが、外気の気温が7℃以下になると肌表面は30℃近くにまで下がると言われています。

肌表面の温度が下がることにより、血行不良を招き、ターンオーバーが乱れることで肌のくすみやハリ低下を引き起こしてしまうんです。
冬は透明感不足やしぼみが気になる方も多いのでは?

肌の真皮層に酸素や水分、栄養を届けているのは、毛細血管です。
肌はもちろん、髪や頭皮、各器官や細胞まで、全身に栄養や水分を届けている、いわば、身体のインフラである血管。その全身を巡っている血管の99%は毛細血管と言われています。血管と言えば、静脈、動脈という太い血管がメインかと思われがちですが、それはたったの1%。全身のインフラは毛細血管がほとんど担っているというのは驚きですよね。

ここで毛細血管についてもう少し詳しく語らせて頂くと…
毛細血管は、髪の毛の約1/20の細さで肉眼では見られないほどと言われています。それほど繊細で脆い存在。
そして、全身を巡る毛細血管の長さは、地球の約2周半分と言われています。信じられないほどに長いですよね。まさに人体の神秘…!

さらに毛細血管は、全身に水分や酸素、栄養を行渡らせるだけでなく、身体に不要な水分や老廃物も回収して静脈に送る、というとてもとても重要な役割も果たしています。

この毛細血管ですが、悲しいことに年齢とともに脆く弱くなり、水分や栄養素が漏れ出てしまうことにより、最終的に消滅してしまう“ゴースト血管”といわれる現象が起こります。加齢だけでなく、生活習慣やストレスなどでもゴースト血管化することもあると言われています。
せっかく身体に良い食事やサプリメント等の栄養分を取り入れても、それが体内でちゃんと吸収されて、各器官に届けられないと意味がない、ということはなんとなくご存知の方も多いかと思いますが、それを担うのが毛細血管です。

毛細血管は、エイジングサインが出やすい肌や頭皮、目や口内、膣などの粘膜、そしてなんと骨の中にまで!みっちりと張り巡らされています。

以下のような症状が気になる方は、まずスキンケアやヘアケアといったパーツケアを見直す前に「毛細血管ケア」を意識して取り入れてみることが、全身のエイジングケアの近道かもしれません。


こんなサインがあったら、もしかして毛細血管がゴースト化しているかも? 

✓肌のくすみが気になる。
✓肌のしぼみが気になる。
✓抜け毛が気になる。
✓疲れやすい。
✓冷えが気になる。
✓肩こりが気になる。
✓ドライアイ、目が疲れやすい。
✓眼が乾く。
✓口が乾く。

何か気になる症状はありましたか?

では、どうやったら毛細血管を強くすることができるのでしょうか?
嬉しいことに、毎日のちょっとした習慣で改善することができるんです。

まずは、しっかりと全身を温めることが大切。
冷えやすい冬はできるだけ湯舟に浸かって身体の芯から温めましょう。
入浴中は、毛細血管が集中する手足の指先をクルクルとマッサージすることでよりめぐりをアップさせましょう。また、保温効果を高めるエプソムソルトやクリスタルソルト、リラックス効果の高いエッセンシャルオイルを数滴入れるのもおススメです。
入浴で副交感神経が優位になることで、血液の流れもよりスムーズになります。
入浴後は血液がドロドロになりやすいので、お水もたっぷり摂ることも忘れずにしてくださいね。

そして、毛細血管を強くする食材を取り入れることも大切。
毛細血管を拡張させてめぐりを高めると言われる、ショウガやシナモン、ルイボスティー、ヒハツと言われる香辛料や月桃茶が良いと言われていますので、冬は温かいシナモンティーやショウガ紅茶をリラックスタイムに取り入れて楽しんで。

また、血管に良くない食事をしない、という引き算ケアも大切。
血管を脆くさせると言われる加工食品や塩分や糖分が多い食事、悪い油を使った食事はできるだけ避けましょう。
そして、適度な運動とたっぷりの睡眠ももちろん大切です。

今回のエイジングケアは、「血管力」にフォーカスしましたが、いかがでしたでしょうか。
全てのケアを取り入れようと気負ってしまうと逆に交感神経が優位になってめぐりが悪くなりますので(笑)、まずはできることから楽しんで取り入れてみてくださいね。

大鐘 響子