2022/02/12

REMEDY

正しい口腔ケア、できている?しっかり汚れを除去して歯周病予防を!

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実は、日本人の30歳以上の約8割が歯周病になっているとか!正しい口腔ケアをして、万病の元といわれる歯周病を予防しましょう。


そもそも歯周病とは?
歯と歯茎(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨などが溶けてしまう病気のこと。
歯肉の内側は歯の根の表面にあるセメント質と、歯そう骨(歯のまわりの骨)との間に歯根膜という線維がつながっていて、歯が骨から抜け落ちないようにしっかりと支えています。
虫歯は歯そのものを壊す病気ですが、歯周病はこれらの組織が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまうことも。
それだけでなく糖尿病、気管支炎、心臓疾患、脳卒中や心筋梗塞にも関連している病気ともいわれています。
日本人の30歳以上の約8割がこの病気を患っているともいわれており、日々の生活習慣がこの病気になる危険性を高めることから、生活習慣病のひとつとされています。


歯周病になる原因
歯が十分に磨けていないと、歯垢(プラーク)という細菌の集まりが歯と歯茎の間の溝にたまります。この細菌が繁殖することで、歯周病は起こります。
歯が赤くブヨブヨとした感じになったり、出血しやすくなるのは細菌による毒素によって炎症を起こしているから。
歯垢を放っておくと、石灰化して硬くなり歯石へと変化します。歯垢や歯石をためていると歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)が深くなり、さらに歯垢がたまりやすくなって、歯周病を進行させる要因になります。
歯周病はストレスや喫煙などの生活習慣や、糖尿病などの病気によって免疫機能が落ちてしまうと、さらに進行しやすくなります。


歯周病になりやすい人とは?
1.歯をあまり磨かない人
歯を磨かないでいると、歯に歯垢が付き、口の中が細菌でいっぱいになり、歯周病のリスクが高まります。
2.たばこを吸う人
たばこを吸うことで歯茎の血行が悪くなり、歯茎に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなってしまいます。また、歯茎の抵抗力が弱まり、細菌と戦う白血病の働きが半減し、免疫力が低下。唾液の分泌が抑えられるため、歯垢や歯石が付きやすくなることも原因のひとつです。
3.糖尿病の人
糖尿病を患っている人は、健康な人より歯周病にかかるリスクが高いとうことがわかってきています。歯周病による炎症で生じる物質がインスリン(血糖値をコントロールする物質)の機能を低下させて糖尿病を悪化させる場合があるともいわれています。
4.口をポカンと開けている人
口を開けていると口の中が乾燥するため、白血球の機能が低下して歯周病菌が増幅。鼻が悪い人で慢性的に口呼吸になっている人も要注意です。
5.歯ぎしりをする人
歯ぎしりをすると歯に力がかかり、歯や歯茎へのダメージが歯周病を悪化させます。


歯周病を予防するには?
歯周病の大きな原因のひとつは歯垢(プラーク)。予防のためには、日々の歯みがきが大切です。磨いたあとに歯と歯茎の境目、歯と歯の間に磨き残しがないかをチェックしましょう。


<歯の磨き方のポイント>
毛先を45度に
歯ブラシの毛先を、歯と歯茎の境目に45度の角度にあてて動かします。
軽い力で磨く
あまり強く磨くと歯ブラシの毛先が広がりすぎて、歯と歯の間にブラシが入りづらくなります。歯ブラシの毛先が広がらないくらいの軽い力で磨きましょう。
小刻みに磨く
5~10㎜の幅を目安にして、歯ブラシを小刻みに動かします。1~2本の歯を磨くくらい、丁寧に磨きましょう。


歯間ブラシを効果的に使おう
「歯はしっかり磨いているのに、虫歯や歯周炎になってしまった」という方もいらっしゃると思います。しっかり歯垢除去をするために、歯間ブラシも取り入れてみましょう。
夜、歯磨きをする前に使うのがおすすめ
歯間ブラシを使った後、歯間ブラシの先についた食べカスが歯に付着してしまうことがあります。そのため歯間ブラシを使ったあとに歯ブラシで磨いたほうが歯垢が残らず仕上げられます。
また、一日に何度も歯間ブラシを使ってしまうと逆に歯肉を傷つけてしまい、歯茎を押し下げてしまう場合があります。一日一回、夜寝る前に使用するのが効果的です。
自分に合った歯間ブラシ選びを
歯間ブラシのサイズの選び方は、歯と歯の隙間より小さめで、スッとブラシが入るものを選びましょう。無理に押し込むと歯肉を傷つけたり、歯肉が下がってしまう歯肉退縮が起きてしまうことも。また、力が強すぎる場合も歯肉を傷つけるのでよくありません。歯間の大きさに合わせて狭い部分と広い部分で分けて選ぶと効果的に取り除くことができます。
ブラシは歯に沿わせて入れる
歯に沿うようにゆっくりと前後に2〜3回動かして使います。表側からだけではなく、裏側からも行うと効果的です。


口の中にはおよそ400〜700種類の細菌が住んでいるといわれています。普段はあまり悪いことはしませんが、ブラッシングが十分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。これらを放っておくと結果的に歯を失う原因に……。歯が健康であるから、食事も美味しくいただけますよね。
正しい口腔ケアを普段から適切に行い、清潔な状態にしておくことが大切です。また、歯科衛生士による専門的なクリニックなどで定期的にメンテナンスするのもいいかもしれません。その意識が差がつくポイント! 「しているつもり」にせず、一度見直してみてください。




<参考文献>
日本臨床歯周病学会 歯周病とは?
デントヘルス
eヘルスネット
歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020
くすりと健康の情報局
歯のアンテナ

Text by Sonomi Takeo