2020/07/07

WELLNESS

女性ホルモンは増えるの?医師に聞くホルモンに関する5つの疑問

From Yogajournal Online(Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION))

女性は年代やライフステージによって、心身の揺らぎにも変化があります。その要因のひとつ、女性ホルモンの変動と、今の自分に必要な対策を知って、不調に負けない心と体を手に入れて!ホルモンバランスの仕組みを医学博士の高尾美穂先生に伺いました。

1.女性ホルモンの仕組みとは?

女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣の寿命は約40年。30代後半から分泌量が緩やかに低下し、閉経を迎えます。1カ月のサイクルで見ても、また一生のうちにもホルモン分泌量が大きく変動します。

ピーク期(20代~35歳)
女性ホルモンの分泌量がピークになり、特に排卵前後から生理前にかけてはエストロゲン分泌の波が激しくアップダウン。

移行期(30代後半~40代)
エストロゲンの分泌量は35歳前後を境に緩やかに下降していき、閉経までのこの年代は更年期への移行期間。

更年期(50歳以降)
エストロゲン分泌が激減し、閉経を迎えると卵巣の機能が終了。尿漏れ、骨盤臓器脱、骨粗しょう症のトラブルに注意。それぞれの時期に現れる不調を緩和するためのヨガを次回から紹介。自分の体をよく観察することも習慣に!


illustration by Misako Nakagawa

2.女性ホルモンにはどんな種類があるの?

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあり、生殖機能を高めるのはもちろん、心身の健康を保つ役目も。

3.女性ホルモンが効果的に作用するには?

女性ホルモンは卵巣から分泌された後、血流にのって全身へ運ばれ、肌や髪の毛、骨など、女性ホルモンを受け取るレセプターを持つ各部で機能を果たします。女性ホルモンが効果的に役目を果たすには血流の良さが大切!

卵巣や自律神経の働きを司るのは視床下部。睡眠や生活リズムの乱れ、急激な寒暖差、デジタルな光刺激などは視床下部に過剰な入力を繰り返します。日常のストレス要因を減らし、ヨガで不調を乗り越える体づくりを。

4.年を重ねても女性らしく。「エストロゲン」の特徴は

特にエストロゲンは女性らしい外見をつくり、コレステロール値を抑え血管の弾力性を保つことで動脈硬化や高血圧から守ってくれています。筋肉や骨を強く保ち、自律神経の副交感神経を優位にする働きもあります。

エストロゲンが減ると骨盤底筋の筋肉量も減っていく…
エストロゲンはしっとり潤い豊かなお肌や髪質、コラーゲン含有量とも相関関係にあります。エストロゲンの分泌量が急激に減少する産後や閉経後は肌のシワや乾燥、髪も細くなり抜け毛が増えます。さらに筋肉にもエストロゲンのレセプターがあるので、エストロゲンが減ると筋肉量も減少。そうなると女性にとって大切な骨盤底筋の筋肉量も減っていきます。

5.女性ホルモンは増やせる?

残念ながら、女性ホルモンは自力で増やせませんが、減らさない努力は可能です。そのために油分カットや極端に偏った食事、タバコやストレスを避け、適度な全身運動を心掛けましょう。

エストロゲンと似た作用をする大豆イソフラボンの摂取もいいですね。更年期症状には、イソフラボンの一種「エクオール」も近年注目されているのでおすすめです。

「骨盤底筋」ダメージをチェックしてみよう
骨盤底筋は、健康な心身と女性らしさを支える鍵ですが日常の習慣が衰えを加速。多く当てはまったら次回からのワークにトライ!

☑座っているとき、自然と膝が開いてしまう
☑椅子に座ると必ず背もたれに寄りかかる
☑便秘をしがちで排便のときいつも力む
☑くしゃみや咳を頻繁にする
☑下腹がぽっこり出てきた
☑O脚である
☑妊娠中や産後、尿漏れしたことがある

「骨盤底筋」を鍛えるメソッドを実践しよう

▶更年期の不調は「骨盤底筋」を鍛えて予防|医師に聞くトレーニング法はこちら

▶5~60代に向けて骨盤底筋をケア|腹横筋と内転筋を鍛える方法はこちら

▶加齢による骨盤底筋の衰え|医師に聞く「背中」を鍛えるべき理由はこちら

▶尿漏れ・頻尿…更年期トラブルを予防|股関節を外旋させるメソッドはこちら

▶効率的に「骨盤底筋」を鍛えよう|内腿・臀筋を強化するメソッドはこちら

▶重力を解放して筋トレ効果アップ「骨盤底筋」を簡単に鍛える方法はこちら

教えてくれたのは…高尾美穂先生
産婦人科専門医、医学博士、スポーツドクター、 Gyne Yoga主宰。イーク表参道副院長。ヨガ指導者資格を各種取得し、ヨガや東洋医学にも精通。



出典:女性ホルモンは増えるの?医師に聞くホルモンに関する5つの疑問
https://yogajournal.jp