2022/03/02

WELLNESS

生理痛が和らぐかも?まずは生理用品をオーガニックに変えよう

Photo by Shutterstock

人にも環境にもやさしいオーガニックの生理用品を選ぶだけで、現代の女性が悩みがちな生理痛が和らぐことも。その理由とは?

女性としての大切な器官が集まるデリケートゾーン。とても皮膚が薄く、繊細な場所です。
デリケートゾーンは、経皮吸収率(外部からの成分を皮膚を通じて体内に吸収されること)が他の部位に比べて約40倍高いといわれています。
皮膚の薄いデリケートゾーンは、消化器官を通らずにそのままダイレクトに外部からの成分を吸収されるため、体外へ排出されにくく、体内に蓄積してしまう恐れもあります。
それゆえに、生理用のナプキンは慎重に選ぶことが重要です。


ナプキンを変えるだけで生理痛や冷えが改善?
「子宮の冷え」は女性の大敵。冷えてしまうと、生理痛は強くなってしまうのです。
まずは、そのメカニズムをご説明いたします。

子宮の内部には、受精卵を育むための「子宮内膜」という赤ちゃんを育てる“ふかふかのベッド”が作られます。受精しなかった卵子にはそのベッドが必要ないため、はがされて血液と一緒に体の外に出されます。これが「生理」です。
生理中は子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きをする「プロスタグランジン」が分泌されます。

子宮が冷えると、いらなくなったベッドをはがす作業ができにくくなってしまい、無理矢理プロスタグランジンを分泌しようとして子宮を縮めようとします。
この時、プロスタグラジンは血流を増やしてくれますが、同時に生理痛を引き起こしてしまいます。
現代人は、ストレスや座りすぎによる血流の滞りが原因で、子宮が冷えている人が多いといわれています。意識して、なるべく冷えないための対策をすることが必要!


オーガニックナプキンに変えることで起こる変化とは?
今どきの生理用ナプキンは吸収率が高く漏れにくいものが多いですが、その反面で便利なナプキンの多くは化学繊維でできており、高分子吸収剤(合成ポリマー)などの化学物質が使われていることがほとんどです。
この合成ポリマーは経血を吸収してジェル状に固まってしまい、膣を冷やしてしまいます。
膣が冷えることで子宮が冷えてしまい、生理痛をひどくしてしまう原因につながってしまいます。

そんな繊細なデリケートゾーンに直接触れるナプキンは、オーガニックコットンや天然コットン100%など、天然素材でつくられたナプキンにするだけでも肌にやさしく、生理時の不快なムレや痒みも軽減してくれます。


肌にやさしい生理用品の種類。そのメリット・デメリットとは?
オーガニックの紙ナプキン
天然素材の紙ナプキンに変えるだけなら、布ナプキンよりハードルが低くなるため最初の一歩にしやすい。地球にやさしい有機栽培のオーガニックコットンなら、身体への影響はもちろんのこと、環境への配慮にもなります。また、洗う手間も省けたり、職場や学校など外出する機会が多い時に便利です。
デメリットとしては使い捨てのため、ゴミが出てしまうこと。
オーガニックの布ナプキン
洗って何回も使えるのでエコフレンドリー。半永久的に使えるので、一度購入してしまえばお財布にもやさしい。
洗う手間があるのと、外出先でナプキンを変える場合は使用後のものを持ち歩かなければならないことがデメリットに感じることも。
吸水型サニタリーショーツ
吸水性のある布を何層にも重ねることで、紙ナプキン不要の新しいフェムテック製品。多い日はナプキンなどと併用して、少ない日はショーツのみで履くこともできます。簡単に洗えて繰り返し使えるため、費用も削減できて、ゴミを出さず環境にやさしい。肌にやさしいオーガニック素材や締め付けが少ないボディにフィットしたものなども増えてきています。他の生理用品アイテムと併用して使うと便利なアイテム。
月経カップ
生理中に、膣内に挿入して経血を溜めるシリコン製やラテックス製などのカップのこと。経血が溜まったら捨ててまた装着して使います。
ナプキンによるムレやかぶれといった肌トラブルや、ゴワゴワ感、経血が空気に触れることによって発生するニオイが解消されるのがメリット。カップは膣内に収まるので、温泉やプールに入れるのも利点。
出先で交換しづらかったり、毎度しっかり洗浄、乾燥までさせる必要があるため、手間がかかってしまうところも。


今、あらゆる新しいプロダクトが登場し、自分に合った生理用品をチョイスがしやすい時代になってきています。
身体の中でも大切で、繊細なデリケートゾーン。その部分に直接触れる生理用品を肌にやさしいものに変えるだけで、体の不調を改善してくれるかもしれません。
これから先も向かい合っていくものだからこそ、少しずつ、ご自身ができることから始めてみてください。



<参考文献>
『自然ぐすり生活 からだとこころの不調をととのえる初めてのフィトテラピーノート』南上夕佳著<ワニブックス刊>
omochabako コラム

Text by Sonomi Takeo