2022/12/21

REMEDY

“快適さ”だけで選ばない、生理用品の考え方

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フェムケアの悩みを解決しながら、その重要性を伝える連載の2回目は、生理用品について考えましょう。

1回目の記事はコチラから!

こんにちは。
前回は、自然に寄り添い、心地良く過ごすことが心身の健康に繋がることをお話させて頂きました。
女性の場合はさらにフェムケアを通じて自身を理解し、意識することが快適に過ごすヒントにつながっていきます。
これからこちらのコラムでは毎回「フェムケア」をテーマに、自らのリズムをライフスタイルの軸として取り入れてもらえるようお話していきます。


フェムテック市場の歴史から考えたいこと 
さて、”フェムテック” と ”フェムケア” という言葉はこの2,3年で知名度がグッと高まり、昨今では媒体の特集、商業施設の催事や常設店舗、ネット上の物販などなど、関連グッズや情報などが 溢れるようになりました。
ビープルやコスメキッチンでも、以前からデリケートゾーンケアやインナーケアなどの取り扱いはありましたが、主に具体的なお悩みをお持ちの方からの支持が高く、一般層まで関心が広まったのはやはりここ2,3年のことです。今ではケアの幅も広く、様々なご紹介ができるようになりました。

世界のフェムテックの歴史をさかのぼると、その起源は17世紀頃といわれています。
はじめは日本で言うウォシュレットのビデ機能のように、ヨーロッパでは女性が月経や性交後に膣の洗浄を行うことができるオマルのようなものがベッドサイドに置かれるようになり、大分類であるボディケアから「女性専用のケア」が切り離されて考えられるようになっていきました。
日本は世界と比べると生理用ナプキンなどの発展なども遅れをとってきましたが、元は和装が基本であった日本ならではの知恵で自身の身体の変化に対応してきたそうです。
布や脱脂綿などの活用をしながら、人によっては自身の筋力で経血の排出をコントロールして月経期間を過ごしていました。意識と鍛え方によっては実践できると、現代でもその素晴らしさを伝える活動をされている方もいます。
しかし、近年では生理用品は便利さを競うように月経が無いかのような快適なアイテムが増えていることから、それさえ使っていれば安心であり、膣に意識が向かず、常に経血が流れ出ていることが普通となっています。
でもその普通は、実は不自然かもしれません。
量や質の変化に気づきにくい場合があったり、下腹部に緊張感が薄れることで筋力や姿勢に影響が生じたり。
人間の快適さが重視される一方で環境への負荷、ゴミ問題など持続性に疑問が残ります。
何を選択するのか。自分で考えてみる。という選択幅がこれから増えていくのではないでしょうか。


快適を求めすぎて自分のカラダを見失わないで!
生理用品は近年さまざまな選択肢が増えてきましたよね。
一番選ばれているのはナプキン。使い捨てがほとんどの中で、布地などの繰り返し使用するもの、昨今では吸水型ショーツのように履くだけで付け外しの必要がないアイテムにも注目が高まっています。
どのアイテムでも一番は吸収という働きにフォーカスがあたりますが、「快適さ」のおかげで「深く知る」機会が減っているのかもしれません。ビープルやコスメキッチンが生理用品をセレクトする際には、【素材感、環境や肌への負荷、経血量や色、匂い、排出の感覚がわかる】など、より自然に近いメッセージ要素の強いブランドを選んでいたりしています。
使っているものはどんなものなのか、自身の経血はどうなのかを知ることができると、意識が少しずつ変わります。もしくは、知ることで何かを取り入れるキッカケに繋がるかも。
「快適」は素晴らしいことだけど、月経は毎月違うものです。変化に気づきやすいように意識が向かう習慣やアイテムをぜひ、取り入れてみてください。


中條 直子
2005年入社
コスメキッチン創業メンバーとして携わり、2010年よりバイヤーを担当、コスメキッチンのオーガニックセレクトの幅を広げる。
多くのブランドの導入や立ち上げを経験し、オーガニックブランドの魅力的な生産背景や製品誕生のストーリーを多くの方へ伝えること、豊富な知識で肌のメカニズムから商品を紹介することを得意とし、社内では教育担当やセミナー活動も行う。
自身は3児の母でもあり、女性ならではのお悩みにも向き合う。

中條 直子