2021/04/19

INTERVIEW

【湘南PEOPLE】Manaさんが伝える、新たな瞑想スタイル「ゴングメディテーション」とは?

「Gong」という楽器を使ったメディテーションを中心に、ウェルビーイング・セルフケア・ライフスタイルブランドを運営している、鎌倉在住の「Mana & Co.」代表・Mana Ogawa / 小川麻奈さん。ゴングメディテーション(Gong Meditation)とはどんなものなのか?そして彼女がその先に目指しているものとは…?

——まず、「ゴングメディテーション(Gong Meditation)」とはどんなメディテーションなのか教えていただけますか?
「Gong(ゴング・日本語では“銅鑼”)という楽器を使った瞑想です。Gongの音に心身を委ねるだけで、深い瞑想状態に導く瞑想のスタイルです。Gongは古くからさまざまな国や文化において、儀式や宗教的な行事にも使われてきた道具なんです。その起源はお釈迦様が誕生した頃ともいわれています。それを1960年頃、カウンターカルチャーのムーブメントの中でヨガや瞑想が出てきた年代に、アメリカで新しいメディテーションのツールとして使われ始めたことで、現在のスタイルができ上がったとされています。」

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Manaさんが使うGongは、惑星の周波数に合わせて作られたという、ドイツ製のプラネタリーゴング

——Gongを使うことでどんな効果があるといわれているんですか?
「まずは脳への効果です。日常生活で論理や理性、知性といった分野を司る顕在意識の働きを鎮め、感情や感覚、直感などを司る無意識の領域、潜在意識の領域を活性化し優位にさせていくと言われています。前者が『左脳的な働き』、後者が『右脳的な働き』と表現されることもあります。現代社会での生活は、顕在意識≒マインドが優位になりがちです。

私たちが今一日に浴びる情報は、一説にはなんと江戸時代の約一年分になるともいわれているんです。でも、そのぶん脳が進化しているかというとそうではないんですよね。脳が疲れていて眠りが浅くなったり、瞑想してもなかなか思考が止まらないという人が多いのは、ある意味当然なんだと思います。Gongの音や振動は、脳をベータ波からα派、シータ派、デルタ派に移行させて、脳を深いリラックス状態に導くといわれています。Gongの音がサポートしてくれることで、初心者でも瞑想状態に入りやすく、また普段から瞑想をされている方はより深い瞑想を体験しやすくなります。」

——デジタルに囲まれる生活は、現代では避けられないですよね。ビープルでも“ブレインヘルス”に関しての情報、アイテムは積極的にお届けしたいと考えています。
「脳のリラックスだけでなく、体内の巡りを良くしてくれるという効果も期待できます。理科の授業で習った方も多いと思いますが、音は空気中より水中のほうが早く届くという法則がありますよね。そして、人間の身体も60〜70%が水分でできています。音が体内の水分を通じて、ひとつひとつの細胞に粒子レベルで隅々まで行き渡り、電磁波や食生活などで乱れた振動数をニュートラルに戻す作用として働いてくれるんです。なので動いてもいないし、触られてもいないのに、身体がスッキリしたり、お腹が空いたり、トイレに行きたくなる方もいらっしゃいます。」

——触ってもいないのに、循環を促してくれるんですね!
「あと、人によっては深い瞑想体験の中で無意識の領域とつながり、過去の記憶やトラウマに辿り着き、それが昇華されるような体験をされる方もいらっしゃいます。でも、音は無邪気な存在なので、身体にも意識にも、無理矢理何かを引き起こすことはできません。基本的にはその人にとって、“今必要なところ”に届くもの。それは脳かもしれないし、身体かもしれないし、無意識や潜在意識の領域かもしれない。その方の、その日の状態によって異なるんです。特に深い無意識の領域に辿り着くのは何回か体験されてからの方が多いかもしれないですね。」

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——Manaさんは、もともとメディテーションやヨガなどのウェルネスには興味があったんですか?
「もともと興味は持っていましたが、よりウェルネスなライフスタイルの大切さを実感して真剣に日常に取り入れるようになったのは、2015年に仕事の都合でシンガポールに生活の拠点を移したことが大きなきっかけでした。その前に日本で生活をしていたときには、ウェルネスなライフスタイルとはある意味程遠い生活でしたね。ヨガはたまにしていましたが、そこまで真剣にはやっていませんでしたし。

もともとは転職・中途採用の支援をする人材総合企業の法人担当営業として社会人生活をスタートして、その後は金融業界専門のヘッドハンターとして、主にアセットマネジメント業界のサーチ・転職支援をしていたのですが、幼い頃からの夢だった“海外に住んで働くこと”を実現するため、2015年には生活の仕事をシンガポールに拠点に移しました。そこでは米国企業に勤めプロジェクトマネージャーとして、企業と個人をプロジェクトベースでマッチングさせる仕事をしていました。本業の傍ら、女性の可能性を支援したいという想いから、さまざまな企業や著名人とコラボレーションするプログラム運営をする団体を立ち上げて運営したりもしていたんです。当時の私を振り返ると、はたから見たらバリキャリ路線のキャリアウーマン的な働き方をしていましたね。」

——そこからどうやってGongに出会ったんですか?
「シンガポールに住み始めてから、よくバリ島へ遊びに行っていたんです。シンガポールはとても楽しいけれど、どこか人工的で作られた感じの街並みだからか、もっとワイルドな自然を無意識のうちに求めていたんだと思います。バリ島はシンガポールから3時間くらいで着いちゃうので、3カ月に一回くらいのペースで通っていました。そこで知り合った女性がゴングメディテーションのセッションをしていて、初めて体験させてもらいました。正直、そのときはそこまで『これだ!』というほどのインパクトはなかったんです(笑)。でもなぜかその後、シンガポールでよく通っていたヨガスタジオにもGongが置かれ始めたりして。本当に自然な流れでまた受けるようになり、気づいたら通い詰めていたんです。」

——継続してみて、どんな変化がありましたか?
「当時は一日中パソコンの前に張り付いているような仕事だったので、脳が常にフル回転状態。どんなに疲れていても深く眠れていない感覚がありました。でもGongの音を浴びた日はぐっすり眠れたり、翌日の目覚めも爽快!それが純粋に気持ちよくて、2週間に1回、少なくとも月に1回は受けていました。そんな風に最初はフィジカルな影響が大きかったのですが、通っているうちに脳や身体がほぐれ、そのうち心、魂のような部分に響いていって、深い癒しが起こり、ゴングメディテーションでの体験もどんどん深くなっていきました。あくまで私個人の体感なのですが、自分の五感で感じる感性や感度、そして直感力はゴングメディテーションを続ける中ですごく上がったと思います。

今の時代は情報がありすぎて、本当に自分が求めていることは何か、ということがわかりにくくなってしまっていると思います。SNS や様々な外部の情報の中で、活躍している人が羨ましく思えたり、無意識に自分と比較してしまったり。特に昨年からは、さまざまなことがオンラインで行われることも増え、とても便利になった一方で、日々触れる情報、流れてくる情報の量はものすごく増えているように感じます。しっかり意識をしていないと、そんな情報の渦に埋もれそうな感覚にもなります。」

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ーー情報過多な時代は、自分軸に戻す作業も必要ですよね。
「本当に大切なこと、そして今の自分に何が必要か、自分が心から求めていることは何か、ということの答えは、外側ではなく自分の内側にあると思っています。Gongの音を浴びているうちにどんどん余計なものがはがれてきて、クリアリングされていくうちに、自分が心から求めているもの、好きなものがわかるようになりました。わかるようになったというより、“思い出した”という感覚がしっくりくるかもしれません。メディテーションは、そんな自分が本来持っているユニークで唯一無二な感性や感覚を“思い出す”ことを助けるツールでもあると思っていて。そこから、どういう生活がしたいとか、どういう人間関係でいたいとか、人生を創造していくことに繋がるんじゃないかな、と思っています。」

——ゴングメディテーションを受ける側から、セッションする側になったきっかけはなんだったんですか?
「ある日瞑想をしていたらふと、『このゴングメディテーションを日本の方々に届けたい!』というインスピレーションが降りてきたんです。自分でもすごくびっくりでしたが、それが何か自分のすごくコアな部分と深く繋がっていることだという確信がありました。」

——それはいつ頃ですか?
「2018年の始めの頃ですね。そこからは怒濤の日々!会社を辞めて、長く住む予定だったシンガポール生活を完全撤収して出国して、バリ島に一時的に住みながら、オーストラリアのシドニーまで行ってゴングメディテーションのマスターをとるためのコースに10日間参加して資格をとりました。海外に住むことが夢だったので、『この暮らしを手放していいのか?』と葛藤もしましたが、どうしても“日本にいる人たちにゴングメディテーションを届ける”ということをやらなきゃいけない気がしたんですよね。

そもそも人材業界で長く仕事をしてきたのも、小さい頃から“人が元気になること、その人らしい本来の姿になることをサポートしたい”と思ってきたからでした。 Gongは自分との繋がりを取り戻せる強力なツール。現代人は忙しく、特に日本人は頑張りすぎたり、周りの期待に応えすぎて自分がわからなくなりやすい傾向にある。そんな方々が、本来の自分を取り戻し、持って生まれた才能を存分に発揮して生きていくことをサポートしたい。そんな想いが強かったんです。」

憧れの海外での生活を手放し、日本へ帰国。「思い立ったら即行動」で、帰国後は鎌倉の地ですぐセッションをスタート。今では多くのファンが東京など遠方からも訪れてくる。どうやって人を集めていったのかと聞くと、「それもGongによる引き寄せ!」とManaさんは笑う。

「本当にGongに吸い寄せられるようにいろんなご縁が急速に繋がり、ゴングメディテーションに興味を持ってくださる方が増えていった感じなんです。Gongは五感を研ぎ澄ませてくれて、直観力も増します。自然とシンクロニシティや、いわゆる“引き寄せ”のような現象が起きることも増えたように感じています。」

——日本に帰国されて、鎌倉を選んだ理由は?
「鎌倉は山や海などの自然もたくさんあり、それでいておしゃれで素敵なお店も多い。東京にもすぐ行けるし、すべてのバランスがよかったんです。それに、自分がホリスティックウェルネス・ウェルビーイングなコンテンツを届けるためには、まずは自分自身が整っていることが何よりも重要だと考えていて。私自身がちゃんとウェルビーイングな状態を保つには、都心に住むよりも自然が身近にある鎌倉がちょうどよいなと、思って選びました。実家も横浜で、鎌倉は山を越えたらすぐお隣、という場所で育ったので、小さい頃から親しみのある土地だったということもありました。

湘南に住む方々は、自分の心身が健やかであることに対してプライオリティが高いですよね。それに、適度にマイペースでまわりに干渉しない。基本的にハッピーバイブスを持っている人が多いので、そんな雰囲気が海外と似ていて私にとってはとても居心地がよいんです。」

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七里ヶ浜の海にて。「海でサンセットを見るのが好きです」

——現在は鎌倉と表参道でゴングメディテーションのセッションをしているんですよね。
「はい。現在はその2カ所で定期的にグループセッションを行っています。そのほかにも企業のオフィスや研修の場にお伺いしてセッションをしたり、イベントでゲスト講師として出演したり、あとはプライベートセッションを行うこともあります。」

——最後に、Manaさんが今後目指していることを教えてください!
「今後の活動としては、”本来の自分に戻る”ということ、“ひとりひとりが本来持つ可能性を最大限に発揮する”ということをテーマにした様々なプログラムやコンテンツ、商品などを企画開発していきたいと考えています。すでに始まっているプロジェクトもありますが、そんな様々なプログラムやコンテンツを企画開発する中で、私自身も自分が持つユニークな感性や感覚をカタチにしていくという、自分の中のアーティスト性もどんどん発揮して表現していきたいと思っていて。ゴングメディテーションと、これまで長く取り組んできた人のキャリア、生き方をサポートすることと組み合わせたり、現在学びを深めているイギリスやアメリカでは医療の現場でもよく取り入れられているヒプノセラピー(催眠療法)の要素をそうしたコンテンツに取り込んでみたり。個人の方向け、企業などの組織向け問わず、新たなプログラムや新しいスタイルのクリエイションをしていきたいです。

先程もお話しましたが、大きなミッションとして、“人を本来の姿に戻すこと=人に元気が満ちた状態にすること”を根底にしながら今の仕事を続けていきたいと思っています。私の名前は“マナ”と言いますが、ハワイ語で『内なる力』や『普遍的なエネルギー』という意味でもあるんです。そういう意味で親が付けたわけではないのですが、この名前を選んで生まれてきたんだなぁ、と強く感じているんです。日本のみならず、コロナが落ち着いたら海外にも積極的に行って、ゴングメディテーションや関連の様々な企画やプロジェクトを通して、あらゆる人を元気に、本来の自分に戻るサポートをしていきたいと思っています。」


朗らかでやわらかい笑顔が印象的なManaさん。Gongとの出会い、そして日本に本帰国後にすぐに起業をしたタイミングで鎌倉に住んでからは、この地でもたくさんの出逢いに恵まれ、大変だったときにもこの鎌倉の自然やエネルギーにたくさん助けられたそう。
ニューノーマル時代のウェルネスは、脳も身体も心も、三位一体で考えていくことが大切だ。まさにそれを体現しながら、人々に元気を与え続けているManaさん。 Gongを通じて、Manaさんらしいスタイルで、もっとたくさんのハッピーをこれからも届けてくれるに違いない。


Mana & Co. 公式HP

http://manaandco.com/

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Text by Sonomi Takeo