2021/04/15

REMEDY

突如やってきたデジタル時代に加え、コロナ禍において、私たちの脳は危険にさらされている!?

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現代人には、メンタルヘルスの面において、悩みを抱える方が多くいます。
実際にビープルの店舗やSNSにも、不安を持ったお客様からの悩みを多数頂いている中、その原因の大きなひとつと考えられる「脳」の健康について、脳科学者の有田秀穂先生に伺いました。

「1万年以上の人類の歴史の中で、このわずか20年ほどの間に急激に社会状況が変わりました。狩りをし、畑を耕して生きていた時代の人間の脳の働きと、ここ20年の私たちの脳の働きでは大きな違いがあります。良い睡眠が取れない、頭が疲れてしまう…なんて悩みは日常的に聞くことで、その原因を追うには脳に起きている問題を理解しなければいけません。

心や体を元気にしている源は、3つの脳内物質にあると考えられます。
① 『セロトニン』心や体の元気の源
② 『メラトニン』夜になると分泌される睡眠ホルモン
③ 『オキシトシン』人と人とのふれあいによって増える愛情ホルモン
これがきちんと分泌されていれば、誰でもハッピーになれるんです。しかし、現代社会では分泌しづらくなってきていることが問題。現代のうつ病の日本の推移を見ると、100万人を超えており、2000年頃までの約20万人から急激に増えたと言えます。

まず、①のセロトニン神経が活性化する要因は、
『太陽を浴びること』『体を動かすこと』『人と心地よく触れ合うこと』たったこれだけです。
当たり前のことのように感じますが、パソコンやスマホという素晴らしい道具ができたことによる社会生活の大きな変化と同時に、コロナ禍によるひきこもり生活で、難しいことになってしまいました。
セロトニン神経は、脳全体にさまざまな情報を送り、心と身体をコントロールしています。活発に働くのは目が覚めている時間帯。逆に寝ている間は活動が弱くなり、ほとんど分泌されなくなります。きちんと分泌されると、朝起きた時にシャキッとし、目がぱっちりと開いた状態になります。

では、どうしたら3つの要因をクリアできるのかと言うと、集中した状況があると良いです。ストレスがかかっているとセロトニン神経は活性化しないので、例えば“早朝に人通りの少ない自然の中で疲れない程度に太陽を浴びながら散歩をする”。また、脳内のセロトニン分泌は夜間睡眠中には停止してしまうので、毎朝続けることが大事です。
つまり、疲れない程度に日々集中して行ってみてください(毎日5分〜30分程度でOK!)

陽が沈むと、セロトニンを材料に②のメラトニンという睡眠ホルモンが作られるようになります。昼間にセロトニン活性が十分に起こる生活をしていたかが重要。そして暗くなるまでに、運動をしておくと良いです。
もう一つ、③オキシトシンを夕方にしっかりと分泌させる生活を送ることも大事なこと。オキシトシンは脳のストレス中枢を鎮めてくれ、興奮を抑えてくれるもの。どうやって合成させるかというと、まずは皮膚の心地よいふれあいが大事です。エステやマッサージもそう。そして心地よいおしゃべりも効果的です。
まずは朝、セロトニンが必要となり、夕方仕事が終わった後はオキシトシンが出る生活をし、夜はメラトニンが分泌する状況を作る、この流れが大事ということになります。」

デジタル社会に加え、コロナ禍において、生活パターンが変わってしまった私たち。
セロトニンの脳内分泌が減ってしまうことで、心のバランスが取れない、落ち込んでしまう…などの症状や、さらには不眠症、慢性疲労、そしてうつ病などに繋がってしまい、危険な状況に!
現代人がおかれている脳の状況を知り、3つの脳内物質を分泌する生活を送りましょう。


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脳科学者が教える『ストレスフリー』な脳の習慣(青春出版社 ¥1,067)
医師・脳生理学者、またセロトニンDojoの代表も務める有田秀穂先生の著書。セロトニン研究の第一人者でもある先生が、脳からストレスを消す3つのハッピーホルモン「セロトニン」「メラトニン」「オキシトシン」を詳しく解説。変化の時代をどう強く楽しく生き抜いていけば良いのか…そんなヒントが詰まった一冊です。ストレスはゼロにしなくていい!不安やイライラは1日5分で消せる!など、私たちに起きている脳の問題を、先生がわかりやすく、そして温かいメッセージで解決してくれます。是非この記事と一緒に読んでみてください。