2021/02/25

REMEDY

実は多くの人が悩んでいる?!なかなか回復しない疲れの原因は副腎疲労かも

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しっかり睡眠をとったはずなのに、なんだか疲れが取れない。朝は全くしゃべる気力が出ないのに、夜に向かって元気になってくる…そんな方は副腎疲労なのかもしれません。今回は、日本初の副腎疲労外来をご夫婦で開設した「スクエアクリニック」副院長の本間 龍介先生に副腎疲労についてお話を伺いました。

――まず、「副腎疲労」とはなんですか?
まず腎臓の上に副腎という臓器があるのをご存知ですか?
私たち人間に欠かすことのできない、コルチゾール(別名 抗ストレスホルモン)をはじめとする50種類以上のホルモンを分泌している臓器です。
私の専門としている副腎をケアするという観点からみると「ストレス=炎症」と考えているので、
コルチゾールはこの「ストレス=炎症」、いわゆる火を消すための水のようなものだと考えると分かりやすいと思います。例えば火事が起きたら、水で火を消そうとしますよね?しかし、ずっと消し続けるというのは水も減り、さらには無くなるかもしれませんし、消火作業をしている人も疲労してしまいます。まさにこれこそが、副腎疲労。
コルチゾールは一瞬であれば、たくさん出すことができます。しかし、長期間出すことはできないのです。だから長期になると疲弊して耐えられなくなり、体のバランスを崩して副腎疲労に陥ってしまいます。こうなるとストレスと戦うことができなくなり、メンタルも低下し負のスパイラルに陥ってしまうから、気をつけなければならないのです。

――どんなことがきっかけで副腎疲労は発症するのでしょうか。
• 長期間のストレス、強いストレス(精神的・肉体的・感情的・環境的)
• 自分ではコントロールできないストレス・疲労
• 感染症 (インフルエンザ、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎など)
• 働きすぎ
• 人間関係

これを聞いてはっ!とさせられる人も多いのではないでしょうか。
副腎疲労の原因となるストレスは、人間関係による精神的ストレスなど大きく影響されると思いますが、実はそれだけではありません。
他にも気を付けなければならない「ストレス」、例えば環境的ストレスです。
大気汚染をはじめ、環境に悪いといわれている殺虫剤に含まれる有機溶剤や、
魚に含まれる水銀、鉛、そして歯の金属。さらには、嗜好品として多くの人に嗜まれているチーズやコーヒー、ワインなどに含まれるマイコトキシン(カビ毒)なども、体に蓄積することで障害が起きる可能性があるのです。

それから便秘がちな人も要注意。便秘をすることにより、腸の中の悪玉菌が増えると毒素がたまり、腸の粘膜に炎症が起こってしまう原因にもなりかねません。これらのストレスが蓄積することによって、神経やミトコンドリアにまで害されてしまうのです。

まずはストイックになりすぎずに、これらの外的ストレスを意識して少なくすることから始めてみることをおすすめします。
疲れにくい理想のカラダを手に入れて、今以上に心満たされる生活を目指しましょう。

〜次回は副腎疲労に対して、「今日からすぐにできること」をご紹介します〜


「スクエアクリニック」副院長、医学博士 
本間龍介先生
聖マリアンナ医科大学医学部大学院医学研究科修了。自身が原因不明の重度の疲労感に苦しんだことをきっかけに、アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者であるウィルソン博士に師事。日本で最初に副腎疲労外来を開設。近年は、副腎疲労治療を応用し、認知症状や自閉症など脳のトラブルにも治療効果を上げており、遺伝子検査や腸マネジメントをスポーツ分野に応用させる研究もライフワークとなっている。

*この記事は2019-2020 WINTERのBIOPLE JOURNALに掲載されました