2021/02/05

ORGANIC DICTIONARY

イライラやむくみ、便秘…生理前に感じる不調、“PMS”って一体何なの?

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毎月のように「PMSが辛い!」と悩んでいる方も多いのでは?PMSはなぜ起きるのでしょうか。そのメカニズムや、自分でできる対処法について解説します。

生理前になると、イライラや肌荒れ、便秘、眠気、頭痛、腰痛、胸が張る、憂鬱な気分になる…こんな症状を感じることはありませんか? 
それは、PMSかもしれません。
PMSは、月経前症候群=Premenstrual Syndromeの略。月経(生理)がはじまる前の数日間に起こる心や体の不調のことです。
その症状は、なんと200種類以上ともいわれるほど。
女性の多くが、何らかの違和感や不調を月経前に感じるといわれています。
生理がはじまると、そういった不快な症状は消えてしまうのが特徴です。

症状の要因といわれているのが、排卵後に増加してくるプロゲステンというホルモン。本来は妊婦さんを助けるホルモンで、子宮内膜をやわらかくしたり、体内に水分や栄養を溜め込んだり、妊婦さんが安心して過ごせるように眠気をきたすような生理的作用を担っています。
そのため、生理前にむくんだり、便秘がちになるといわれています。
また、甘いものが食べたくなることもありますよね。
これは、生理前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下し、血糖値が上がるため、血糖値を下げるために普段より多量のインスリンが必要となります。そのため、食事から2〜3時間後に低血糖を生じやすく、甘いものを欲してしまうんです。
さらに、精神的な不調にも関わります。イライラしたり、ネガティブになったりしてしまう方もいると思いますが、これはホルモンの乱れで脳内のセロトニン(幸せホルモン)が低下すると、ネガティブ思考など気持ちが不安定になることが原因。

このように、ホルモン分泌の影響によって、その人の体質、体調によってあらゆる症状となってあらわれるのです。
PMSは、卵巣の状態が正常でも起こります。それゆえ「何かの病気なのか」と不安になる必要はありませんが、ひどい場合は我慢せず、婦人科に相談してみると良いでしょう。


自分でできるPMS対処法とは?
毎月、PMSの症状に悩むのは辛いですよね。 少しでも改善ができるよう、PMSのセルフケアの基本を知っておくと安心です。
まず大切なのは、規則正しい生活。乱れたライフスタイルは、ホルモンのバランスも乱れてPMSの症状も出やすくなります。 睡眠を十分にとり、不規則な生活をしない、ストレスを溜め込まない、バランスのとれた食事をすることが大切です。
他にも自分でできる、PMSの緩和に役立つ対処法はコチラ。

刺激物や急激に血糖値を上げる食品を避ける
リラックスをして神経を鎮め、ホルモンバランスを整えることでPMS緩和につながります。そのためには刺激の強いアルコールやカフェインは避けましょう。また、血糖値を急激に上げる高GI値の食べ物(砂糖、チョコレートなど)もなるべく避けて。反対に摂取したほうが良いとされるのは、イライラや情緒不安定を和らげる、ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム(鰹、レバー、ナッツ類、海草類など)や、神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンE(ブロッコリー、アーモンド)がおすすめ。

軽い運動をして気分転換を
PMSの時は体の不調を感じていることが多いため、運動をする気分になりづらいかもしれませんが、無理をしない程度に体を動かすことで気分転換になることも。また、代謝を促すことにもなり、PMSのむくみなどが軽減することもあります。ストレッチやヨガ、散歩など、リラックスしながら体がほぐれる運動が効果的です。

サプリメントや漢方、ハーブティーを上手に活用
PMSのつらい症状を緩和するといわれる、オーガニックのサプリメントや漢方も取り入れるのも手です。ハーブティーもノンカフェインなので、寝る前も安心して飲むことができます。体の症状別で選んでみましょう。

PMSは個人差があるため、症状の種類も程度も変わります。また、環境の変化などによるストレスや、更年期などホルモンの分泌が劇的に変化する時期は特にPMSがひどくなることも。 症状があまりにひどい時は婦人科に相談したり、ゆっくり休養するなど、無理をしないことが大切です。
また、自分の体に合う飲み物やサプリなど、お守りとなるようなアイテムやグッズを持っておいたり、緩和する方法を知っておくと安心ですよね。 一度自分の体と向き合ってみることで、自分なりのPMS対処法を見つけてみてください。


【参考文献】
公益社団法人 日本産科婦人科学会
オムロン式美人サイト
知ろう、治そう、PMS

Text by Sonomi Takeo