2021/01/06

ORGANIC DICTIONARY

なぜオメガ3脂肪酸を摂取するとよい?カラダに良いオイルの摂り入れ方

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良質なオイルは健やかで美しい体を手に入れりために欠かせません!今回は、必須脂肪酸とされるオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸について解説します。


量よりバランスが大事
ひと昔前まで、油は「ダイエットの敵!」など、悪者にされがちなものでした。
しかし最近では、適度に良質なオイルを摂取することが、健康なライフスタイルを送るためには必要だということがわかってきました。
油=脂肪酸を摂ることは、エネルギー源が効率的に作られ、人の細胞膜やホルモンの構成するのに役立っています。生活習慣病の予防になるともいわれており、体内から健康をサポートしてくれるのです。

とはいえむやみやたらに摂取してしまっては、体に害を及ぼしてしまうことにもなりかねません。
正しい知識を知って、良質なオイルを適正量、バランスよく摂取することが大切です。

ではどんな油をどのくらい摂取すれば良いのでしょうか。

油の種類は、主にオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸、トランス脂肪酸が含まれるものがあります。
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、過剰摂取により悪玉コレステロールが増加してしまう危険があると、問題視されていますよね。絶対に摂っていけないわけではないですが、摂り過ぎには注意しましょう。

逆に、なかでも積極的に摂りたいのが、体内で自ら生成はできないオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸。その理想の比率は1:1〜1:4のバランスとされています。
このバランスが崩れると、血管のダメージが進行したり、老化を促進したりとさまざまな不調の原因となってしまうため、バランスよく摂取することが大事です。

オメガ3脂肪酸は、血液をサラサラにしたり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、心疾患、炎症、がんなどを抑制するとも言われています。

オメガ6脂肪酸は血中コレステロールを低下させるリノール酸、認知機能改善が期待できるアラキド酸が含まれます。

現代人の食生活においては、オメガ6脂肪酸は比較的、十分に摂取できているという報告もあります。過剰に摂ると動脈硬化を引き起こすリスク、アレルギー疾患の悪化などに繋がる要因にもなるため、オメガ3脂肪酸をより意識して摂取することが推奨されています。

◼︎オメガ3脂肪酸が摂れる油、食品
・青魚系、鮭、マグロ、マス、牡蠣、ムール貝、蟹などのEPA、DHAが摂れる食品、くるみなど
・亜麻仁油、えごま油などのα-リノレン酸が含まれる油

◼︎オメガ6脂肪酸が摂れる油、食品
・卵白、アワビ、レバーなどの食品
・ごま油、コーン油、ベニ花油、グレープシードオイルなど

また、オメガ3脂肪酸の油は熱にも弱いためドレッシングに混ぜたりサラダや納豆にそのままかけたり、スプーン一杯そのまま飲んだりしながら摂取しましょう。

一方、オリーブオイルやアボカドオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸は、体内で合成が可能で、熱にも強いため、炒め物など料理に使いやすい油です。特にオリーブオイルはオレイン酸が多く含まれ、血中コントロール値の低下を助けたり、ビタミンEとポリフェノールも含まれているので体が老化して錆びつくことを防ぐといわれています。

気をつけたいのが、油は空気に触れると酸化をしてしまうため、少しずつ購入して冷暗所に保管し早めに使い切ること。

酸化した古い油を摂取してしまうと、細胞膜にダメージを与えてしまう可能性があります。照明灯の光でも酸化は進んでしまうので、棚下や冷蔵庫などの光にも触れない場所に保管することが大切です。

必要な量のオイルを食事でなかなか摂り入れられない場合は、サプリなどで補うのも手です。
摂り過ぎは肥満を招いたり、生活習慣病の原因にもなりますが、控えすぎも免疫力の低下や肌が乾燥しやすくなったりといった悪影響も。
適度に良質なオイルを摂取して、健康や美容に役立てましょう!

(参考文献)
厚生労働省eJIM | オメガ3系脂肪酸 | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト
n-6系脂肪酸|脂肪酸の機能性|油と健康|キユーピーの健康素材 | キユーピー

Text by Sonomi Takeo