2020/12/14

INTERVIEW

「今の自分が一番良い状態」|2020年に3冊のレシピ本を出版したAtsushiさんにスペシャルインタビュー

ビープルファンの皆さんはボタニカルブランド「abotanical(アボタニカル)」を手がけるAtsushiさんと言えば、ご存知の方も多いはず。実は彼、今年だけでレシピ本を3冊も出版。多忙な日々を送る中、ビープルのインタビューに答えてくださいました。

――2020年、コロナ禍において3冊のレシピ本を出版されたんですよね。
「もちろん、世界がこんな状況になることは予想もしていませんでした。5月25日に発売された『やせる!キレイになる!ベジたんスープ50(小学館)』は、特に自粛期間中での発売だったので、不安が大きかったです。でも家から出られない中で、おうちご飯のレパートリーは限られるし、運動量は減るし、でも食べることくらいしか楽しみがない…そんな中で多くの方が受け入れてくださいました。」

――どれも簡単にできるのに華やかで、見ているだけでも楽しい本になっていますよね。
「ビジュアルにもこだわりました。インスタ映えするよう、華やかで楽しく!」



――タイトルの「ベジたん」とはベジ(野菜)とタンパク質のこと。食べる美容液レシピとうたっていますね。
「はい。高タンパクで低糖質にこだわりました。ダイエットで皆さんが気にする“カロリー”ではなく、あくまで低糖質でいかに食後の血糖値を上げにくくするかを考えています。糖質を完全にオフにしてしまうと、トレーニングをしても筋肉量を増やせず、代謝も落ちて本末転倒。タンパク質は体を作るものですし、健康を考えて栄養をきちんと取って美しくなるレシピを考えています。そしてたっぷりの食物繊維で腸をスッキリ!キレイに美腸に導いてくれますよ。」

――しかもどれも具沢山で食べ応えがありそうですね。
「僕が食べても満足するくらいなので、女性が食べるとお腹いっぱいになるはず。かなり具沢山で満足感のある、腹持ちも良いスープです。でも、なんでも美味しくなければ続かないですよね。それを意識して、時間をかけずとも美味しくなるように、うま味成分のかけ合わせをしました。3大うま味成分と言われる、お肉やお魚に多く含まれるイノシン酸、野菜や昆布などに含まれるグルタミン酸、そして干し椎茸や海苔などに含まれるグアニル酸のうち、二つをかけ合わせるとうま味がグンとアップするという研究結果が出ているんです。だから味が薄いからと言って塩を足すのではなく、うま味のかけ合わせでスープのコクや深みを出すようにしています。調味料でもこの方式が大事。料理が苦手な方でも、簡単に作れて美味しくなる魔法ですよ!」

――Atsushiさんはどうやって学んだのですか?学ぼと思ったきっかけは?
「実はファッションのPRをしていた若い頃は、とても不規則な生活を送っていました。夜中まで飲んで、深夜にラーメンを食べて…。吹き出物だらけで常に疲れていて、マッサージに通う日々。頻繁に風邪もひいて、いつも行く病院で先生に怒られていたくらいです。でもジュニア野菜ソムリエを取った頃に雑誌の料理連載が始まったんです。野菜をたっぷりの健康的な食生活を始めたらすごく体調が良くなって。朝はフルーツとすだちウォーター(去年までは8年間レモンウォーターでした)だけにし、簡単でも栄養バランスを考えた食生活に変えたら、それからは全く風邪を引かなくなり、花粉症も全くないですし、頭痛や腹痛などの体調不良もなくなりました。いかに食が大切なのかと痛感したんです。そこから、もっと勉強しようと、野菜ソムリエの中級(野菜ソムリエプロ)も取ろうと決意しました。紆余曲折あり試験に落ちたりもしましたが、1年間勉強して無事に取得。その後漢方も学び、漢方養生指導士初級という資格を修得。野菜ソムリエプロの知識から食材の栄養価の部分と、未病を防ぐという観点からの漢方をかけ合わせたレシピを考えています。」

――働きながら学ぶのは大変なことだと思いますが、もともと学ぶことは好きなタイプですか?
「好きなことはとことんのめり込みます。はっきりしてるんですよね。興味がないと一切動かないですよ。母が料理を苦手だったこともあり、僕自身は中学1年から料理をやっていました。でもせっかちなので、煮込んだりする時間のかかる料理はしません。いつもすぐにできるものを。料理連載でも“10分でできる!”などのキーワードでやらせてもらっています。」

−―「ベジたんスープ」では、うるおう、美白、毛穴レス、むくみ解消、美髪、エイジングケアという女性が嬉しいキーワードごとにレシピを丁寧に解説しながら提案していますね。
「そうですね。レシピはもちろん、美容効果別に摂りたい栄養素を解説しています。実は先に頭の中で栄養価を考えながら食材や調味料を組み立てて試作するんです。昔は食材を並べてひらめきでやっていたのですが、今は完成した味の想像ができるので、まずは頭の中でかけ合わせていきます。」

全てのレシピに驚く調理時間(全て10分以内!)や材料ごとの栄養素が1ページにとても簡潔に記載されている。さらにどこでも購入できるだしの素や旨味を引き出す調味料が紹介されており、誰でも毎日続けられる内容に。皆さんも是非チェックしてみて!




――そして10月には新たに「美腸、美ボディ、幸せになれる 運命を変える魔法の『美痩せ』レンチンスープ」(講談社)が発売になりましたね。

「はい。今までの高タンパク低糖質、さらに食物繊維たっぷりのスープというコンセプトは変えず、さらに体調も整えられるレシピを考えました。疲れやイライラ、むくみ、冷えに効く食材をセレクトし、ダイエットしながら健康に向かっていけるものです。もちろん、あっという間にできるものを。そして今回は装丁にもこだわりました。ページをパタンと開いてそのままキッチンで料理ができるような仕様にしています。」

――とことん、私たちの気持ちに寄り添ってくれるので、嬉しい限りです!1月にはさらに新刊も発売されるとのこと。忙しい日々かと思いますが、Atsushiさんの1日の過ごし方を教えてください。
「先ほど話したように、朝はフルーツとすだちウォーターだけです。前日の夜にすだち6個を絞って、次の日の朝に飲むということをずっと続けています。一度外出したらなかなか戻れないので、午前中はデスクワークに集中し、午後から打ち合わせを入れていますね。外食も自由にしていますが、家にいるときは高タンパク低糖質、食物繊維たっぷりのスープやサラダを作っています。コロナ禍でジムに行けなかったときに家でできるトレーニングをするようになり、最近はパーソナルトレーニングを再開しました。今年44歳になったのですが、今がこれまで生きてきた人生で一番体調が良い状態です。美容クリニックにもたまに訪れプロの力をお借りしていますが、肌もすごく良い状態。やはり続けられることを日々実践することが大事なのだと思いますね。」


2020年、おうち時間をいかに楽しく生きるか、その方法を探りながら過ごした人は少なくないはず。いざ毎日家で過ごそうとすると、前向きに考えられなくなったりして…
そんな時に、Atsushiさんが「大丈夫!頑張りすぎなくたって良い!」そう肩を優しく押してくれるように本を出版した。この状況下で彼は、間違いなく私たちに楽しく生きるためのヒントをくれた。これから先もきっと、そうやって私たちが美しく健康でいるために、いろいろなアイディアを提案してくれるはずだ。
皆さんも、「今の自分が一番輝いている」そう思える日々を過ごしていこう!



Atsushi
(Instagram:atsushi_416
野菜ソムリエプロ
ディーゼル、D&G、ヴェルサーチのPRを経てフリーランスに。オーストラリア留学や前職での豊かな海外経験を生かし、ファッション&ライフスタイルプロデューサーとして、ファッション、美容、食などの分野で幅広く活躍中。ナチュラルスキンケアブランド「abotanical」などのプロデュースも手がける。2016年に漢方養生指導士初級取得、野菜ソムリエ中級試験に合格し、野菜ソムリエプロに。「人生の9割は自信があればうまくいく」(KADOKAWA)、「#モデルがこっそり飲んでいる3日で2kgやせる魔法のスープ」「#モデルがこっそり作っている魔法の楽やせレンチンスープ」(ともに宝島社)など著書多数。

Text by 関 早保子