2020/11/19

INTERVIEW

今、私が追い求める道|佐々木依里さんが伝えたい、光り輝く未来への道とは

瞑想家、環境活動家、モデルと多岐に渡って活躍している佐々木依里さん。
そのルーツとは、なんだったのか。今、彼女が届けたい想いとは?

ーーいろんな活動をされていらっしゃるので、お伺いしたいこともたくさんありますが…。まずは瞑想家としての活動から。
ここ数年で、ビジネスシーンや感度の高い女性をはじめ、瞑想をする人が増えましたよね。佐々木さんはどれくらい前から瞑想を始めたんですか? 

「私の瞑想歴、めちゃくちゃ長いんです(笑)。11歳の時には始めているので、もう25年もの間、瞑想をしています。デビュー戦が早かったのでなかなかキャリアは長いですね」

ーーそんなに小さい頃から!そのきっかけはなんだったんですか?
「アートセラピスト(絵画療法士)として活動していた8歳上の姉がいるのですが、その影響もあって“心の在り方”というものに小さい頃から関心があったんです。また、その頃ちょうど仲がよかった幼なじみが亡くなったことも大きなきっかけでした。『魂ってどこから来ているんだろう』『命ってどう続いていくんだろう』と深く考えるようになって。そんな死生観について考え、調べるなかで出会った本がネイティブアメリカンの教え、『ファザースカイ・マザーアース(父は大空、母は大地)』。この本から学んだインスピレーションは、『魂は宇宙から来ていて、体は地球から生まれている』ということ。そこから瞑想の世界に触れるようにもなり、環境に対する想いにも目覚めました」


影響を受けた本たち



ーーその頃はまだSNSなどが発達していなかった時代だと思うのですが、どうやって瞑想を学んだんですか?
「姉がさまざまな瞑想ワークショップに連れていってくれました。それが特別なことだとは思っていなくて、私の中では『瞑想する』ということが日常だった。でも、今でこそ瞑想ってビジネスでも医療現場でも盛んに行われていますが、少し前まで誤解や、偏見を生みやすい部分もありました。なので、自分の大切な儀式として一人で瞑想していました。でもここ数年で瞑想する人も増えてきて、『なんだ、みんな瞑想したかったんじゃん!』なんて思えて、うれしい気持ちですね(笑)。ずっと想い描いていた世界が現実になり、夢のようです」

ーーいろんな考え方があるとは思うのですが、佐々木さんにとって瞑想をする目的や理由は?
「まず、毎日瞑想を通して新しい自分出会えること、少し変化している自分に気付けることがとても楽しい瞬間なんです。でも、そもそも瞑想はインドの古代仏教からきているものですが、本来はどれだけ“ニルヴァーナ”(解脱の世界)に近づけるか……つまり悟りの世界に到達できるか、ということが目的。だから瞑想は何かと問われたら、“ただ坐り、ひたすら想いにふけること”が大事なんです。たとえば『仕事の効率をあげたい!』というために瞑想するのは欲を増やすことになるので、実はそれが執着になってしまうことも。瞑想、マインドフルネスといっても、捉え方はみんなそれぞれ違うのかなと思います」


気持ちよく日々を過ごすためにも部屋はいつもキレイに整えている

ーーなるほど。瞑想家としての活動はどんなことをされているんですか?

「ワークショップやイベント、オンラインでは365日瞑想配信など、さまざま形で届けています。あと、2018年末から1カ月、オーストラリアのウルルへ瞑想トリップもしました。友人と2人で旅をしたんですが、カフェやエアーズロックからなど毎日現地のいろんなな場所から5〜10分の瞑想配信をしたり。そのほかにも日常のなかでお掃除瞑想、サウナ瞑想、キッズ瞑想などいろんなバージョンでお届けしています」




オーストラリアの大自然を感じながら瞑想トリップ

ーー旅先の映像も観られるのは楽しそうですね!瞑想をエンターテインメントとして楽しめそうです。
「まさに。あまり堅苦しくない感じで伝えていきたいんです。私はお坊さんではなく、普通の社会で生きている一般人。だからこそ、“現代版の仏陀スピリットを志した瞑想女子”として、さまざまなことをお伝えできると思っています。ありがたいことに、瞑想やマインドフルネスの解説をすると“すごくわかりやすい!”と言ってもらえることが多いんですよ。たとえば現代はちょっと移動するだけでも信号を気にしたり、電車の乗り継ぎ時間を気にしたりと、日々を普通に過ごしているだけで情報ってたくさん入ってきますよね。脳はずっとアイドリングをしているような状態。そんな情報過多な生活の中で瞑想をするって、やっぱり難しいし、それは当たり前なんです。お坊さんと違ってそんな現代人的な生活をしている私ならではの表現の仕方ができたらと思っています」

ーー先程、11歳の頃に環境にも目覚めたとおっしゃっていましたが、環境活動家になろうと思ったきっかけは?
「そもそも小さい頃から、“私は地球を救うために生まれてきたんだ!”とハッキリと確信を持っていたんですよね。小学校の卒業文集にも『環境活動家になる』と書いてあるんです。あとは横須賀生まれで海の近くで育ったことも、影響していると思います」

ーー具体的にはどんな活動をされていらっしゃるんですか?
「自分自身では海のゴミ拾いを13年間続けていたり、エシカルトリップと題して、1カ月間にわたり環境に配慮したNZ横断の旅をして、ブログに書いたり。そんなことを発信していたら、環境省からお声がけいただいて、4年前から環境省森森里川海のアンバサダーをさせていただいています」


大きなバックパックを抱えてNZを横断
エシカルなモノ、コトを探す旅


世界遺産のミルフォードサウンド前で

ーー環境活動って、難しく考えてしまう人もいると思うのですが、どのようにしたら継続できると思いますか?
「まずは、自分=地球だということに気づくことがファーストステップかなと。自分は地球の一部だし、地球は自分の一部。その感覚を思い出さないと始まらないんじゃないかな。自分事になれば、自然と自分の行動に責任を持つようになると思うんです。ペットボトル1本買ったら地球から熱が出たりすればわかりやすいんですけど(笑)、すぐに結果がわからないぶん、自分たちの未来の生活に影響が出る、ということが想像しづらいんじゃないでしょうか。『巡り巡って来年の自分たちの生活、子どもたちの未来に影響が出るんだ』ということがわかるためには、環境に関する知識を増やすことも大事ですよね。とはいえ、環境問題ってすごく複雑にいろんなことが絡んでいるので、広範囲に勉強しようと思うと大変だと思うんです。だから自分が興味のある分野についてだけでも調べる、ということでも良いと思います。私の場合は海の近く出身なので、海洋プラスチックについての分野を勉強しています」


愛犬のスパイクちゃんを連れて海でゴミ拾い

ーー興味があることでないと、継続するのも難しいですよね。
「そうなんです。でもそれをみんながやれば、大きな力になる。友人で菜園料理家の藤田承紀(ふじたよしき)くんに教えてもらった言葉で、『早く行きたかったらひとりで行け。遠くへ行きたかったらみんなで行け』というものがあるんですけど、この言葉がとても好きで。環境問題って一人で解決するのはとても難しいし、本当に大きな問題です。未来の地球、動物、子どもたちの幸せのため。だから、みんなで力を合わせていくことが大事だと思います」

ーー瞑想家、環境活動家としてのほか、モデルとしても活動されていますよね。
「モデルは自分の想いを形にして、表現するために必要なことでした。もともとは、自分の想いを写真で伝えようと考えて、写真家になったこともあったんです。そのあとは旅人になり、旅レポーターになり、それが今では“モデル”という職業を通して表現する……というところに辿り着きました。自分の身体を使って全身全霊、全部を使って表現したいと思っているんです。なので、瞑想とも地球環境活動とも、すべて繋がっているんです。魂の進化や、地球という、私たちの“母”を大切にして、どう未来に繋げていくか……。すべては“地球愛”! それを皆さんに伝えていきたい、という想いは小さい頃からずっと変わらずあります。だから時代が変わろうと何があろうと、その軸がある限り私のパッションは絶えることはありません。そのための活動ができているだけで幸せを感じられるんです」

小さい頃から、軸がブレることなく突き進んでいる佐々木さん。
「その軸がブレる時は自分の魂を売る時だ!」と語る。
しかしなかなか、「自分の使命」について確信を持って生きている人は少ない。ついつい、不安に思ったり心配になったりすることもあるだろう。佐々木さんが不安に思ったり、落ち込んだりすることもあるのだろうか?

ーーいつもハッピーなイメージですが、不安になったり心配になることもあるんですか?
「もちろん! しかしその不安に3秒くらいで気がついて対処してしまいます。たとえばフリーランスで活動しているので、『仕事がなくなったらどうしよう』と心配したり。でもその心配をすごくよく見つめるんです。自分と向き合うことで、その心配がどこからきているものなのか、わかってくるんです」

ーー自分で向き合う方法としては、どんなことがあるのでしょうか?
「『心の中にリビングルームをつくる』という方法があります。これはティクナットハーン氏という“マインドフルネスの祖”と言われている僧侶の教えなんですが、リビングルームにテーブルとイスがあることをイメージして、まずは自分の『不安さん』を座らせます。そして、聞き上手のやさしささんや、やる気さん、冷静さんとかを連れてくるんです。そこで不安さんと面談させます」

ーー自分の不安や心配を、客観的に見つめるんですね。
「そうです。お金がないと不安、という相談だとしたら、『なんで不安なのか?』→『暮らせなくなるから不安だ』→『ごはんが食べられなくなるらしい』→『じゃあ何が必要なのか』→『時間を使えば稼げるものなのか』→『アルバイトをすれば解決するのか』という風に、話し合いをさせるんです。大事な妹や親友が来たと思って話すことがポイントです。そうやって客観的に自分の不安を見つめることで、具体的な行動に繋がることにもなるんです。
あと、お金などの問題ではなく他人軸での悩みもありますよね? 『彼氏から連絡がこない』という理由だとしたら、『もしかしたら自己肯定感が低いのかも』『自分ひとりでは生きられないと思っているのかも』という想いに気づいたりもします。そうしたら、『友達だって少しはいるじゃん』とか、前向きな声をかけてあげていくと、だんだんと『まあいっか』と落ち着くこともあるんです。これって実は自分でも気づいていない感情や考え方のクセに気づけることにも繋がるんです。なんとなく漠然と不安を抱えていたままにしていると、不安や怖れがいろんな出来事に反応してあぶりだされていきます。だから、不安や心配=眠っている火山みたいなものだと思って、慎重に火山活動を見守ってあげるといいですね。温かい目で」

ーーノートに書いたりしてもいいんですか?
「紙に書いてもいいんですけど、キレイに書こうとか、いいこと書こうとしてしまって、案外頭を使ってしまうこともあるので、素直に、正直に書ける環境作りが大事です。こんな風に定期的に瞑想など、自分をしっかり見つめる時間をつくることは、とても大切なプロセスだと思います」

ーーなるほど、やってみます!最後に、佐々木さんは今後、どんな未来を描いていますか?目指している道、活動があれば教えてください。
「今までは物質社会でモノを手に入れることで満たされることが主流の世の中でしたが、これから先は“自分の魂の磨き方”がより重要な時代になっていくと思っているんです。みんなが自分の内側からもっともっと輝けるように、あらゆる手段で表現しながら、今後も今の活動を続けていきたいと思っています。個人的には本も出したい。でも、その本も地球の資源からつくることになってしまうので、その方法もちゃんと考えてからじゃないと出さないと決めています(笑)」


幼き頃から、自分の内側と向き合ってきた佐々木さん。
新型コロナウイルスによる影響で、今まで信じてきたことが崩れてしまったり、あらゆる不安や心配事が増えたという人、逆に今まで気づけなかった気づきがあった人…いずれにせよ、2019年までとは違った心の状況にある方が多いのではないでしょうか。
熱い情熱で発信をし続ける佐々木さん。これからもきっと、そんな人たちに寄り添った情報を届けてくれるに違いない。


佐々木 依里(Instagram:erisasakimeditationjourney
神奈川県横須賀市出身。瞑想指導家、環境活動家、モデルとして活動。11歳から瞑想に興味を落ち、独学で瞑想を学ぶ。マインドフルネス瞑想指導者の資格を取得。環境活動としては、環境省森里川海アンバサダーを務め、YouTube配信やイベントでの講演など精力的な情報発信活動を続けている。

HP
https://eri-sasaki.mailchimpsites.com

Text by Sonomi Takeo