現代人はカラダに必要な「酵素」が不足していると言われています。そもそも酵素が大切な理由って？酵素が持つ働きや、どうすれば酵素を取り入れられるのかを解説します。

ここ数年、酵素ファスティングなどの流行により、「健康や美容のために酵素が大切」と耳にすることが増えました。
なぜ酵素は大切なのでしょうか？


■体内でつくられる酵素の種類
まず、体内で生成される潜在酵素には「消化酵素」と「代謝酵素」の２種類あります。

・消化酵素…食べ物を消化分解し、吸収する際に使われる酵素。
・代謝酵素…呼吸・運動や脂肪の燃焼、細胞に栄養を与えるなどエネルギーを供給する際に使われる酵素。人の身体のすべての器官、組織の中には各々独自の働きをする代謝酵素がある。新陳代謝、有害物質の除去、自然治癒力、免疫力を高める働きをすると言われている。

代謝酵素は、必要な栄養を吸収し、その栄養をエネルギーに変えたり、解毒や排泄、古い細胞を新しい細胞に生まれ変わらせることができます。この酵素がなければ話すことも呼吸することもできません。つまり、健康や美容のために、という以前に生命活動において欠かせないものなのです。

そして食べ過ぎなどで消化酵素を浪費してしまうと、体全体の酵素量が減ってしまい、代謝酵素も不足。病気や寿命が短くなってしまうと考えられています。

2つの酵素は、もともと体内に備わっています。
では、わざわざ酵素をとらなくても？と思うかもしれませんが、酵素は加齢とともに減少し、その動きが鈍くなると言われています。さらに減少させる原因とされているのがストレス、寝不足、喫煙、不規則な食生活などがあげられます。
アメリカの医学博士であるエドワード・ハウエル氏によると、体内でつくられる酵素の量には上限があるとも言われています。酵素全体が不足することで酵素の働きが鈍くなり、便秘や慢性的な疲労、冷え性、月経不順など様々な不調を引き起こす要因になってしまうのです！
便秘がち、風邪をひきやすい、むくみがち、集中力がない、月経不順、血糖値が高い、慢性的な疲労、痩せづらい、肌がカサカサする…。
これらの特徴がある不調は酵素不足かもしれません。

また、ビタミン・ミネラルを補給して体の中で十分な働きにするには、酵素が欠かせません。せっかくサプリメントを摂っていても、酵素が働いていなければ力を発揮してくれないのです。


■酵素がフルパワーで働くためにしたいこと
では、体内の酵素がしっかり働いてくれるには、どうすればいいのでしょうか。

【酵素の働きを発揮するためにしたいこと】
・早寝早起きをする
人間の体の中では、眠っている間に酵素が大量精算されています。「酵素栄養学」では、代謝の時間は午後8時〜午前4時までと言われており、この時間帯にすべての臓器を整えています。つまり、夜更かしや徹夜をしてしまうと酵素の生産が思うようにいきません。

・ よく噛んで、ゆっくり食べる
酵素は、噛み砕かれた食物の表面にしか働きかけることができません。食物がより細かく砕かれた状態で消化器官を通ることができれば、それだけ多くの酵素を食物に浴びせられます。ゆっくり食べることで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防止して消化酵素の無駄づかいをしないことに繋がります。

・発酵食品や生の新鮮な食べ物を取り入れる
発酵食品は酵素の宝庫！納豆、漬け物、味噌、しょうゆなど日本の伝統的な食材を取り入れるとよいでしょう。また、生の野菜、フルーツにも酵素は含まれています。酵素はたんぱく質をもとにつくられているので、熱に弱いという特性を持っています。酵素が耐えられる温度は50~70度まで。酵素が含まれる食材は、生や加熱しすぎないでいただくことが大切です。

・不必要な老廃物や有害物質を体外に流す
体の浄化で体内の環境整備をすることで、酵素がしっかり働くように。たとえば水分摂取量が少ないと、老廃物や外部からの有害物質を体外に運べません。水分をしっかり摂取して、どんどん老廃物などを流し出しましょう。定期的に行うファスティングも効果的。ファスティングは専門家の指導のもと、行うことをおすすめします。運動や半身浴で汗を流したり、リンパマッサージをして血液がスムーズに流れるように促すこともいいですね。

これらのことを普段の生活で気をつけて、酵素が十分な働きができるように調えることで必要な栄養素も吸収しやすくなり、健康的な体へと繋がるはず。
サプリメントなども上手に活用しながら、「酵素で体の中からキレイに」を目指しましょう。


（参考文献）
・東京薬科大学 「酵素」
・酵素　出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
・酵素栄養学　出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
・酵素の化学
・びんちょうたんコム
・新谷酵素公式ホームページ