2020/10/02

ORGANIC DICTIONARY

まずは2週間!グルテンフリー生活、始めませんか?

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健康志向が高まるなか、特に注目されている食習慣のひとつ、グルテンフリーについて、改めてわかりやすく解説します!

グルテンフリーとは、小麦などに含まれる「グルテン」を摂取しない食事や食品のことを言います。
もともとは、グルテンが原因の可能性があるといわれる自己免疫疾患のセリアック病(※)、グルテンを消化しにくいことで慢性的な不調が現れるグルテン不耐症(過敏症)の人に対して、グルテンフリーを実践することで体質改善が期待できる、と言われていました。
最近では海外のアスリートやモデルたちがグルテンフリーの食生活を実践したところ、集中力がUPしパフォーマンスが向上したり、肌がきれいになったり、体重が減少したりと美しく健やかな身体になった、とメディアでも話題になったことで、アレルギー症状がない人たちにも浸透していき、日本でもブームになりました。

(※)セリアック病は,小麦に含まれるタンパクであるグルテンのグリアジン成分に対する感受性を原因とする遺伝性疾患。同様のタンパクはライ麦および大麦にも存在します。遺伝的感受性を有する者では,グルテン由来のペプチドエピトープが提示された場合,グルテン感受性T細胞が活性化されます。炎症反応は,小腸粘膜の特徴的な絨毛萎縮を引き起こします。


■そもそもグルテンとは何?
グルテンとは「膠(にかわ)」を意味するラテン語で、たんぱく質の混合物。このグルテンは小麦・ライ麦・大麦などに含まれます。水を加えてこねることで粘着性のある物質として作用し、クラッカーや焼き菓子、ピザ生地などのパン製品をつくるときに粉をまとめてくれます。パンはモチモチ・ふわふわとしていますが、あの感触を作っている成分です。


■ グルテンが与える影響とは
グルテンは分解されにくいという特徴があり、栄養として吸収されず、そうすると粘膜が炎症を起こし、体の不調や肥満などにつながると言われています。
また、グルテンに含まれるタンパク質成分「グリジアン」には、過剰に摂取すると食欲を増進させたり、血糖値を急上昇させる作用があり、“食べだしたら止まらない”という状況をつくりだしてしまう、とも言われています。

そのほかにも、
不安や慢性ストレス、不眠症、消化器疾患、過敏性腸症候群、吐き気、嘔吐、皮膚疾患、婦人科疾患、神経障害、ADHD(注意欠如・多動性障害)、自閉症などの症状や疾患はグルテン摂取との関係が強く疑われています。


■ グルテンフリーで食べていいもの、いけないもの
味はおいしく感じるとはいえ、体のトラブルを引き起こす可能性があるグルテン。
実はカレーのルー、天ぷらやフライの衣、醤油や味噌、酒、わさびなどにも入っていることも多いので、和食であってもグルテンが潜んでいる可能性が高いんです。パンや麺類のみならず、こういった「隠れグルテン」食品にも気をつけたいところ。

【グルテンが含まれている食品の例】
大麦、小麦、オーツ麦、ライ麦、グラハム、ふすま、パン、パスタ、うどん、餃子の皮、ラーメン、トルティーヤ、パン粉、醤油、ビール、ブイヨンなど


■ グルテンフリーのメリットとは?
グルテンフリーにすることで、胃や腸の調子が整えられることで便秘や下痢が解消されることが期待されます。また、腸内環境がよくなることで美肌効果や疲れにくくなるなどのメリットも。
血糖値が急激に上昇させる成分を摂らないという理由から、ダイエットにもつながることも。

とはいえグルテンが体に合っているか合っていないのか、自分ではわかりづらいかもしれません。まず2週間グルテンを抜いてみて、体に変化があるかどうか試してみては?体質が改善されたならば、続けてみてはいかがでしょうか。


今はパンやパスタなど、小麦を使わずグルテンフリーになっている食品も多く出ているので、どうしても食べたいときは代替品を探してみても!
また、小麦粉は米粉で代用したり、ラーメンや焼きそばなどはフォーやビーフン、しらたきに代えるなど、身近な食材で置き換えるのも手です。

何よりおいしく楽しく、食事をしながら健やかな身体を手に入れるのが一番ですよね。
自分ができる範囲で、グルテンフリー生活を実践してみてください。

(参考文献)
「2週間、小麦をやめてみませんか?」/フォーブス弥生著(三五館)
「2週間で体が変わるグルテンフリー(小麦抜き)健康法」/溝口 徹著(青春新書インテリジェンス)
グルテンフリー食学講座
https://www.shokugaku.net/gluten-free/

Text by Sonomi Takeo