2020/08/29

ORGANIC DICTIONARY

買う前にチェックしてみて!よく見かける認証ラベル「フェアトレード」について解説

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近年、見かけることが増えてきた日用品や食料品のパッケージに貼られた認証ラベル「フェアトレード」について、あなたはちゃんと説明できる? 

ここ数年で日本でも「SDGs」や「サステナブル」が謳われるようになり、取り組む企業が増えてきています。
それにともない、「フェアトレード」という言葉も耳にしたり、目にすることが増えてきましたよね。
ここでは改めて、フェアトレードとは何か?について解説します。

フェアトレードの認証ラベルが貼られていることが多いものといえば、コーヒーや紅茶、バナナやチョコレートなど。どれも日常生活で口にすることが多い、身近な食品ばかりです。

これらは途上国で生産されることが多く、驚くほど安い値段で売られていたりします。しかしその生産国では、安さを生み出すために正当な対価が払われていなかったり、生産性を上げるため必要以上に農薬が使われていたりと、環境破壊や労働環境の悪化、生産者の健康に害を及ぼすなど、さまざまな悪い事態を引き起こしているんです。

そのため「国際フェアトレード基準」というものを設定し、生産者の労働環境や生活水準の保証、また環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていこう、という仕組みがあります。

基準は3つ。経済的基準、社会的基準、環境的基準。
そして基準の原則はコチラ。

<経済的基準>
フェアトレード最低価格の保証、フェアトレード・プレミアムの支払い、長期的な取引の促進、必要に応じた前払いの保証など

<社会的基準>
安全な労働環境、民主的な運営、差別の禁止、児童労働・強制労働の禁止など

<環境的基準>
農薬・薬品の使用削減と適正使用、有機栽培の奨励、土壌・水源・生物多様性の保全、遺伝子組み換え品の禁止など

これらの基準を満たし(製品によって内容は異なります)、認証・ライセンスを取得するには、国内ではフェアトレードジャパンへの申請、監査が必要になります。

フェアトレードとは、直訳すると「公平・公正な貿易」という意味。
もともとはヨーロッパを中心に、1960年代から広まったものです。
今では加盟国は計30カ国以上、販売は世界150カ国以上。その広がりは年々、増え続けています。つまり、フェアトレード認証ラベルは、世界的に最も広く認識された倫理的なラベル、ということ。
商品も上記であげたような食用品のほか、衣類、ファッション雑貨も増えていています。

スーパーやコンビニ、雑貨ショップなど、ショッピングの際にはラベルがあるかどうか、一度チェックしてみてください。
あなたのその選択が、遠い国に住む誰かのサポートになっているかもしれません。

(参考:フェアトレードジャパン公式サイト)

Text by Sono Hirose