2020/05/16

LIFESTYLE

大切な植物、どうすれば枯らさない?|植物の上手な育て方

Photo by 畑中清志

お気に入りの植物、せっかくなら長く元気でいてほしいですよね。代官山のフラワーショップ「Foretment(フォートメント)」の畑中清志さん曰く、どうやら「みんな過保護になりすぎ」とか。どうすれば上手に育てられるのでしょうか? 

前回、畑中さんに「植物が持つ力」についてお話いただきました。
今回は「植物の上手な育て方」について、教えていただきます! 「どうしてもすぐ枯らしてしまう」「植え替えの時期がわからない」なんて人は、必見です!


――植物を育てるために、知っておくべきポイントは?
「まず植物を育てる環境にとって大切なことは、
・日当たりがいいこと
・風通しがいいこと
この2つの環境があることが、ベストです。風を浴びさせないと弱ってしまうので、屋外用植物はベランダや庭、室内用植物はレースカーテン越しの柔らかい陽が当たる窓側に置いてあげると良いです。
とはいえ、日当たりがあまりよくない部屋に住んでいる方もいらっしゃいますよね。正直、植物には日陰でも枯れない強さを持っている植物もいますし、なんなら、LEDの光を浴びさせるのでも大丈夫。その代わり、1週間に一度は外に出して、2〜3時間ほど太陽に浴びさせてあげること。それくらいでも充分、元気になりますよ。ただ、今の時期から真夏の直射日光は人間と同じで葉が日焼けしてしまうので、夜にベランダに出し、朝日を浴びさせるくらいが良いですね。人間と違って、日焼けした葉は元には戻らないので。」

――環境が整っていても、枯らしてしまったり、弱ってしまったりなど、失敗してしまう原因はなんでしょう?
「よく、『私、サボテンでさえ枯らしてしまいます!』なんて言う人がいますけど、そんな方は大抵の場合、“お水のあげすぎ”が原因であることが多いですね。植物も人間と同じで、お腹いっぱいの時に食べさせられても、消化しきれないんです。
消化されずにずっと土の中に水が残ると根が腐ってしまします。また毎日、少しのお水を与えるよりも、“数日あけて、土の表面が乾いたらたっぷりと与える”を心掛けた方が良いです。今はおうちにいる時間が長いので大丈夫かもしれませんが、出張や旅行などで3日間家を空けるなんてことがあった場合、帰ったあと枯れていたりしませんか?そんなことがないよう、ある程度放っておいても大丈夫な状態にしておくことが重要。最初からあまり過保護にしすぎないことが大切です。」

――では、お水をあげる頻度はどれくらいが適切なんでしょうか。
「土の表面が渇いた状態まで放置してから、たっぷりとお水をあげてください。鉢の底からこぼれるくらいまでお水をたっぷりあげること。そうすることで下に溜まっていた古い水が抜けて、新しい水に変わり、新しい新鮮な空気も土の中に入るんです。水をちょろちょろっとしかあげなかった場合、土の表面だけ濡れていて、根っこの部分にまで届いてなかったりするんです。」



――水のやりすぎ以外にも失敗してしまう原因はありますか?
“根詰まり”が原因なこともあります。根詰まりとは、根っこが育ちすぎてギュウギュウになり、鉢に収まらなくなってしまうこと。植物を育て始めて半年か一年くらいたって、いきなり葉が黄色く変色し、ぼとぼとと下に落ち始めてしまうことがありますが、それは、根詰まりして土の量が足りなくなり、水をあげても浸透せず、充分に吸えなくなっている場合が多いです。
要は、ちゃんと育ててあげたからなのですが、根っこが成長したら植え替えをしてあげることが必要です。」

――植え替えの時期は、どうチェックすればわかりますか?
「鉢底を裏返してみて、根っこが鉢底から出ていた場合は根詰まりのサインなので植え替えをしてください。ひと回り大きい鉢を用意し、適した土の量を入れ、整えたらお水を与えれば大丈夫です。
ちなみに根詰まりしないようにと、最初から大きめの鉢を用意してしまうのはNGです!植物の根っこの長さに対して水の量が多すぎてしまい、根腐れしてしまうので、ちゃんとサイズに合った鉢で育て始めてくださいね。」

――植物が弱ってしまった時、復活させる方法はあるんでしょうか?
「日照不足で弱った植物は太陽を思いっきり浴びさせて、お水をたっぷりあげれば数日で元気になってくれますよ!あと知っておきたいのは、植物にも“休眠期”があるということです。植物によっても異なりますが、ほとんどの植物が春夏に成長し、冬は休眠期に入ります。なので、秋冬は少し元気がなくなってしまうのは当たり前なんです。そこで慌ててお水をあげすぎてしまうと、土が常に湿った状態になり、かえって根腐れしてしまうこともあります。休眠期は休ませてあげれば、春になれば元気になってくれるはず。植物には植物の育つペースがあるので、状態を見ながら見守ってあげましょう。」

――植物の声をちゃんと聞いてあげながら、育てるのが大切なのですね!
「植物も人間やペットと同じで、生き物なんですよね。環境が変わるだけでもストレスを感じたりもするんです。なので、おうちに植物が届いたらすぐに違う植木鉢に植え替えたりするだけでストレスになることも。まずは買った時の鉢のまま育てることをおすすめします。根詰まりしたら初めて植え替えする、でOK。
一番大事なのが植物を知ること。人間と犬、猫は同じ哺乳類でも育ち方は異なりますし、人間でも国が変われば、食生活が変わったりするように、植物全体では当然違いますし、多肉植物なども夏型・冬型と違いがあります。犬や猫を飼うときって、犬種を検索して、どう育てるのが良いか?など調べると思うんです。植物も同じで、まず“この植物はどう育てるのが良いのか?”を知ることが大事です。お花屋さんに直接聞くこともいいのですが、全部は伝えきれないことが多いので、今の時代、『植物の名前 育て方』で調べればすぐに情報はたくさん出てくるので。



あとはもっと簡単に植物を生活の中に取り入れる方法としては、ドライフラワーや香木などもおススメです。特に外出自粛などでお部屋時間が長くなると、いかにおうち時間を豊かな物にするかが大事だと思います。私は家でもアトリエでもパロサントやホワイトセージを焚いています。パロサントは南米の沿岸部に自生する植物で、インカ帝国の時代から邪気を祓い、場を清める力を持つといわれ、民間療法や儀式で使用されてきました。現地では『聖なる=SANTO、木=PALO』と呼ばれており、現在でも教会など神聖な場所で焚かれたりしています。数百年前から現代まで人を癒すって、やっぱり植物の力はすごいと思います。」


私たちに癒しをもたらしてくれる植物。
大切にしたいという気持ちからついつい、「お水をあげすぎていた!」という方も多いのでは?
ちょっと元気がない時の原因や対処法がわかることで、どんどん植物を育てたくなりますね。植物が成長しやすい今の季節、ぜひ新しい仲間を迎えてみてください。


Foretment (Instagram:foretment_daikanyama
代官山の路地裏にひっそりと佇む、観葉植物やドライフラワー、インテリア雑貨が揃うライフスタイルショップ。ONLINE SHOPやInstagramからオーダー可能。

text:Sono Hirose

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