2020/01/04

FOOD

教えて!続けられる料理のレシピ 〜槇村野菜食堂「グラニースミスと春菊のサラダ」〜

グラニースミスと春菊のサラダ(Photo by biople編集部)

私たちの体を作っているのは、まぎれもなく毎日の食事。何をどう食べるかで、心も身体も健やかな日々を過ごせるか、ということに繋がってきます。とはいえ忙しい現代では、毎回手の込んだレシピを考えたり、凝った料理を作り続けるのは至難の業。そこでビープルでは、口に入れる大事なものだからこそ、「私、やればできる!」「料理好きかも!」と思える、〝続けられる料理”を提案します。

毎月ビープルが今気になる料理人の方に、週ごとにアイディア満載のレシピをお伝えする連載第3回目。前回に引き続き、東京・青山にある野菜のレストラン『槇村野菜食堂』代表の槇村賢哉さんに、何かと暴飲暴食が続く年末年始にぴったりの、身体に優しい野菜料理レシピを教えていただきました。槇村さんは、20年かけて日本各地の農家をまわり、年間1000種類以上の野菜やハーブ、果物を多くのレストランに卸している、野菜のスペシャリスト。これまで様々な野菜と「対面」してきた槇村さんならではの絶品、なのに簡単な料理レシピをご紹介。ぜひ参考にして、楽しみながら作ってみてください。

今週のメニュー
☆美味しい簡単サラダで正月太りを解消!「グラニースミスと春菊のサラダ」☆

正月はおうちでゴロゴロ、ゆっくり過ごしながらおせちやお餅をいただく…。とっても至福な時間ですが、身体は重たくなりがちで、胃にも負担が出てくる時期ですよね。そんな時でもさっぱりと美味しくいただける今回のレシピは、酸味のあるリンゴと独特な香りの春菊を使ったサラダ。和えるだけと手順がシンプルなので、時間がない時や疲れている日でもササッと作れて、忙しい女性のお助けメニューとしても活躍しそう。友人を呼んだ日のおもてなし料理の前菜としてもおすすめです。



「“1日1個のリンゴで医者いらず”ということわざがあるほど、リンゴは低カロリーで栄養が豊富。アメリカで行われた研究では、リンゴは食物繊維、ポリフェノールを含む炭水化物が少なく、『代謝を促す腸内善玉菌の育成に有益』と決定づけられたそうです。さらに今回使ったオーストラリア産の青リンゴ・グラニースミスは、7種のリンゴを比較した結果、最も身体を整える助けになったということが判明した品種。フレンチでよく使われ、酸味が強めなのでサラダにぴったりの風味です。合わせた春菊も、βカロティンはほうれん草より多く含むと言われ、ビタミンやミネラルも豊富で冬は積極的に摂りたい栄養価の高い野菜。つい鍋料理で使いがちですが、実は水溶性の食材なので長く加熱すると効能がなくなってしまい、もったいないんです! ぜひ旬な今の時期に、生でいただき素材そのままの味を堪能してみてください。今回の調味は別の素材を使ったサラダでも応用できるので、覚えておくと便利ですよ!
とにかくできるだけ新鮮な鮮やかな緑色の春菊を選ぶのがベスト。近くのスーパーより信頼できる農家のもの、宅配サービスを上手に活用するのがおすすめです。」(槇村さん) 

【材料】(2人分)
・リンゴ(グラニースミス) 1/2個 
※なければ別の酸味強めのリンゴでもOK
・春菊                  80g
・オリーブオイル    小さじ1
・塩こしょう        各適宜
・ホワイトバルサミコ酢 小さじ1/2
・ごま油               小さじ1
・パルメザンチーズ(粉・固形) それぞれ好みの量で
・軽く炒った松の実   適量

【作り方】
① リンゴは皮をむき、くし型に切る。春菊は葉の部分は手で一口大にちぎり、茎の部分は1㎝程度の長さに刻む。

② ①をボウルに入れてオリーブオイル、塩こしょう(こしょうを強めに)、ホワイトバルサミコ酢、ごま油を加えて和える。粉のパルメザンチーズを振り、松の実を加えて混ぜ合わせる。

※長めの菜箸で空気を含ませながら和えると均等に味が入る。カリカリの松の実の食感がグッド!

③ 器に盛りつけ、固形のパルメザンチーズを削りながらのせたら完成。
※選ぶ器は淡い色の方が、サラダが引き立ち見た目が映えるのでオススメ!

「旬の食材は、身体のバランスを整えてくれます。例えば冬は身体を温める作用のある里芋をいただくとか。ですが、昨今の異常気象などによる影響で、本来の時期より野菜の出荷自体が遅れているんですね。それゆえ、スーパーや八百屋で並び始めたものをただ食べればいいということではなくて、野菜自体が持つ効能を知り、『今、自分の身体に必要なもの』を選ぶことが大事。そもそも旬はその時に身体が欲しがるものだ、ということを理解することが大切です」(槇村さん)

2019年の日本は特に、異常気象と感じる天候が多い一年でした。槇村さんからの「野菜の旬の時期が遅れている」というお話から、それほど地球温暖化など、環境問題は深刻になってきていると考えられます。今後も旬の野菜を美味しく、そしてたくさん食べていける未来にするためにも、ビープルの皆さんはこの問題を受け止め、何ができるかを共に考えていきましょう。



<今月の料理人>
槇村野菜食堂代表・槇村賢哉さん
元々ホテルで10年ほど勤務していたという槇村さんは、「30歳で独立する」と決め、まだインターネットなどがさほど普及していない29歳の頃、知人に相談たり、本で情報収集。そこで温暖化など深刻な環境地球を知り、「これからの時代はエコだ!」と、持ち前の行動力で長野県にある八百屋「てくてく」へ出向く。そこでの店主の話に衝撃を受け、自身も八百屋になると決意。その後はオーガニックレストランのレストランマネージャーなど様々なフィールドで活躍し、「美味しい野菜を多くの人に届けたい、というのと同時に、日本の農家をもっと元気にしていきたい」と、2014年に「槇村野菜笑店」を開業。2019年7月から同店で槇村さんの野菜料理がいただけるレストラン形式に。独自のネットワークで手に入れた新鮮で最高品質の野菜の他、スーパーでは見かけない珍しい野菜とも出会える。その場で素材も購入でき、槇村さんから作り方や保存方法まで教えてくれるという唯一無二の店。



槇村野菜食堂
住所:東京都港区南青山2-20-1 1F
営業時間:火〜土 18:00〜24:00
TEL:03-6863-6806

協力:槇村野菜食堂/Text by Sono Hirose, Photo by biople編集部

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