私たちの体を作っているのは、まぎれもなく毎日の食事。何をどう食べるかで、心も身体も健やかな日々を過ごせるか、ということに繋がってきます。とはいえ忙しい現代では、毎回手の込んだレシピを考えたり、凝った料理を作り続けるのは至難の業。そこでビープルでは、口に入れる大事なものだからこそ、「私、やればできる！」「料理好きかも！」と思える、“続けられる料理”を提案します。



毎月ビープルが今気になる料理人の方に、週ごとにアイディア満載のレシピをお伝えする連載第2回目。前回に引き続き、東京・青山にある野菜のレストラン「槇村野菜食堂」代表の槇村賢哉さんに、何かと暴飲暴食が続く年末年始にぴったりの、身体に優しい野菜料理レシピを教えていただきました。
槇村さんは、20年かけて日本各地の農家をまわり、年間1000種類以上の野菜やハーブ、果物を多くのレストランに卸している、野菜のスペシャリスト。これまで様々な野菜と“対面”してきた槇村さんならではの絶品、なのに簡単な料理レシピをご紹介。ぜひ参考にして、楽しみながら作ってみてください。

今週のメニュー
☆栄養たっぷりの注目野菜を使った華やかレシピ「パースニップと豚肉のグリル ゴルゴンゾーラ仕立て」☆

「パースニップ」という野菜はご存知ですか？　あまり聞いたことのない人も多いであろうこの食材は、〝白にんじん”と呼ばれていて、にんじんと同じセリ科の根菜。珍しい野菜ですが、実は北海道など一部国内生産もされている、冬が旬の野菜です。加熱すると甘みがぐんっと増し、にんじんというよりはじゃがいものようなホクホクとした食感を楽しめます。それゆえチーズとの相性は抜群！アツアツのとろけるチーズとともにぜひ味わっていただきたい一品です。

「今フード業界で注目されているパースニップは、栄養価がとても高い野菜なので、ご家庭でもたくさん使っていただきたい食材。抗がん作用の高い食材『デザイナーズフーズ』の第一群にも選定されていて、女性が特に摂取した方が良いとされる食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンC・E・B群・ミネラルが豊富に含まれています。これらの栄養素は疲労回復、免疫力を高める働き、皮膚や血管の老化予防にも繋がります。基本的にはにんじんと同じ調理法でOKですが、にんじんのようにクセはなく、加熱するともっちりとした食感で甘くて濃厚な味わい。今回のレシピのようにチーズと組み合わせたり、グリルやマッシュ、シチューにしたりと、芋類を使うような料理に活躍します。パースニップ自体は見た目が地味ですが（笑）、このメニューは見映えも良いので男女問わず、子どもにも大人にも喜ばれるはず。ただバナナと同じくらい糖質を含んでいるので、食べ過ぎにはご注意を！」（槇村さん）　

【材料】（2人分）
・パースニップ　130g
・豚肉（ロースもしくはバラ）150g
・ゴルゴンゾーラチーズ　40g
・パクチー（なければイタリアンパセリでも）適量
・オリーブオイル 小さじ1
・塩、こしょう　各適宜


【作り方】
① パースニップは皮をむき、3mm厚さほどのいちょう切りにする。豚肉は食べやすい大きさにスライスする。パクチーは手で一口大にちぎっておく。

② フライパンにオリーブオイルを熱して豚肉を入れ、塩少々を振る。豚肉に少し赤みが残るくらいまでさっと炒めたら一度取り出しておく。

※豚肉に火が通りすぎるとかたくなってしまうので、一度取り出す。

③ ②のフライパンにパースニップを入れ、豚肉から出た脂で強火で炒める。パースニップに少し焦げ目がつくくらいまで火を通す。

※パースニップはあまり動かさず、じっくり焼き付けてカリカリにするのが美味しくなるポイント。

④ ②で取り出した豚肉をフライパンに戻し入れ、お湯60cc（分量外）を加える。沸騰したらゴルゴンゾーラチーズを入れて溶かす。


⑤ 豚肉に火が通ったらこしょうを強めに入れて塩を振り、味を調える。

⑥ 器に盛り、ちぎったパクチーを散らして完成。

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＜今月の料理人＞
槇村野菜食堂代表・槇村賢哉さん
元々ホテルで10年ほど勤務していたという槇村さんは、「30歳で独立する」と決め、まだインターネットなどがさほど普及していない29歳の頃、知人に相談たり、本で情報収集。そこで温暖化など深刻な環境地球を知り、「これからの時代はエコだ！」と、持ち前の行動力で長野県にある八百屋「てくてく」へ出向く。そこでの店主の話に衝撃を受け、自身も八百屋になると決意。その後はオーガニックレストランのレストランマネージャーなど様々なフィールドで活躍し、「美味しい野菜を多くの人に届けたい、というのと同時に、日本の農家をもっと元気にしていきたい」と、2014年に「槇村野菜笑店」を開業。2019年7月から同店で槇村さんの野菜料理がいただけるレストラン形式に。独自のネットワークで手に入れた新鮮で最高品質の野菜の他、スーパーでは見かけない珍しい野菜とも出会える。その場で素材も購入でき、槇村さんから作り方や保存方法まで教えてくれるという唯一無二の店。


【槇村野菜食堂】
住所：東京都港区南青山2-20-1 1F
営業時間：火〜土　18:00〜24:00
TEL：03-6863-6806