2021/11/27

ORGANIC DICTIONARY

食後の眠さ、だるさは要注意!「血糖値スパイク」について知っておこう

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血糖値が乱高下することを「血糖値スパイク」といいます。血糖値スパイクが起こると、どんな不調につながるのでしょうか? 


血糖値スパイクって?
血糖値スパイクとは、食後の短時間に血糖値が急上昇・急降下する状態のこと。「グルコーススパイク」とも言われます。
いつ計測しても血糖値が高い糖尿病とは違い、血糖値スパイクは食後1〜2時間の急激な高血糖が特徴です。

そもそも血糖値とは何かというと、ブドウ糖(グルコース)の血中濃度を指します。米やパンなどの穀物に多く含まれる炭水化物(糖質)を食べるとまず口の中で細かく噛み砕かれながら唾液で分解されます。次に食道、胃を通り、最終的に小腸でブドウ糖に分解、吸収され、血液中に取り込まれます。その結果、血中のブドウ糖濃度が上がります。
血中のブドウ糖濃度が上がると、膵臓でインスリンというホルモンが作られ、血管中に分泌。
インスリンは血糖値を下げる働きをします。この働きによりブドウ糖は筋肉などへ送り込まれ、エネルギーとして利用されます。


血糖値スパイクが起こるとどうなる?
血糖値スパイクの状態になりやすい人は、空腹時の血糖値は正常なので、「隠れ糖尿病」とも言われています。
食後は誰でも血糖値が高くなるものですが、上がり方が急激だとインスリンが血糖値を下げるために過剰に分泌されます。さらに、大量のインスリンが出てしまうと、今度は血糖値の急降下を招いてしまいます。
この血糖値の乱高下=血糖値スパイクは、血管にダメージを与えることにもつながってしまいます。また、動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなるとも考えられています。
すぐにわかる主な症状としては、頭痛、眠気やだるさなどを感じるため、食後から2時間後、こういった症状が起こりやすい人は、注意が必要かもしれません。

血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴は、
・炭水化物中心の食事をたくさん食べる
・食べる速度が早い
・運動不足
・血縁者に糖尿病の人がいる
などが挙げられます。


血糖値スパイクを避ける対策は?
血糖値スパイク対策として重要なのは「食事」。
よく噛んでゆっくり食べることや、食べる順番も大切です。
タンパク質や脂質、食物繊維を含むおかずや野菜を最初に食べることで、炭水化物の消化吸収がゆるやかになり、急激な血糖上昇を防ぐことができます。
また、血糖値を上げにくい低GI食品(玄米、そば、全粒粉パン、ライ麦パン)などを選び、反対に血糖値を上げやすい白米やうどん、スイーツなどを過度に摂取するのを控えるだけでも改善されます。

また、食後1〜2時間後に運動を行うと、血糖値や中性脂肪の値の上昇をゆるやかにするとも言われているため、階段の登り降りやウォーキング程度の運動を心がけることも大切です。


炭水化物(糖質)は、体にとって必要な栄養素。
また、好きなものを制限したり我慢すると、ストレスが溜まってしまいますよね。
量や食べる順番、ゆっくり噛んで食べる、適度な運動をするなど工夫をしながら、血糖値の変動をゆるやかな状態をキープし、健やかな毎日を目指しましょう!



<参考文献>
養命酒公式ホームページ
グリコ

Text by Sonomi Takeo