忙しい毎日からちょっと離れたくなったとき、旅に出たくなる人は多いはず。それは仕事で地方や海外に出ることも多いであろう、モデルやスタイリストも同じようこと。様々な著名人に慕われ、活躍されているスタイリスト、風間ゆみえさんのプライベート旅についてご紹介!私にとって旅とは、五感を自由にする、感じたことのない自分に出会う楽しみ。異国の匂い、空の色、服の色、瞳の色、見たことのない包み紙、読み取れない看板、流れる時の速度、お財布に溜まる小銭…。いつもとは違うこと、心地よいことも不便さもすべてが、自分から飛び出して感じられる不自由が自由な、私の栄養素。
買い付けで行ったモロッコのマラケシュにて旅に出る目的は、すきあらば東京を離れる!が私の暮らしのスタンス。仕事をするには、東京という街のエネルギーは必要不可欠であるけれど、仕事から一歩離れれば東京からエスケープしてどこかへ出かける。
仕事に追われるようになれば、視野は狭まり環境に麻痺していく。大切なものが見えなくなっていたりすることを必然的に回避するために旅に出るのか?
パリにてこう取材を受けて改めて考えるとそういうことなのかもしれないですね。私は思い立って不意に出かけるようなショートトリップにワクワクさせられる。
南仏・プロヴァンスにて数年前の出来事、友人がフィンランドに旅にでるとSNSで知って、そこにコメントを行きたいわ!と書き込んだところ、良かったら来ちゃいなよ!の返信にすぐにチケットを手配して現地で合流、一人旅の予定の友人は突然のふたり旅に、私は行きたいと思っていた場所へ突然のトリップ。
旅中しっかりと予定を組んで満喫する彼女との旅は、おんぶに抱っこみたいについて行く旅で、放っておいたら部屋で2日くらいベッドの上でごろごろしてしまうことにだってなりかねない私には、ありがたい限りの旅だったのだけど、1日だけ私に合わせた彼女からは「こんなに暮らすように旅をするのも楽しいものね」と、仕事以外ではのんびりすぎる私の旅のスタイルもなかなかだと褒めてくれた(笑)。
フランスのアヴィニョンにてスタイルの異なる者同士の旅も、時にはこんな風にお互いのないものを埋め合えることもあるのねと、今も良い旅だったと思い出します。どんなことも柔軟に受け入れて楽しめるのが旅の醍醐味。
風間ゆみえ(Instagram:
yumie_kazama)
独自のファッションセンスで広告、CM、ファッション雑誌、ブランドのディレクションなど多岐にわたって活動中。著書に「Lady in Red」「GLAMOROUS HAWAII」「LIKE A PRETTY WOMAN」
*BIOPLE JOURNAL 2018 spring 掲載記事