2021/09/17

ORGANIC DICTIONARY

“もどき”なお肉、「フェイクミート」が今大人気!

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“環境に優しい”と、今注目を浴びているフェイクミート。日々の料理や外食に取り入れるだけで、気候危機緩和に貢献できると話題を呼んでいます。


フェイクミートとはどんなもの?
フェイクミートとは代替肉のことで、肉の風味や見た目を似せた食べ物のこと。
主に大豆やえんどう豆などの植物性タンパク質から製造され、ベジタリアンやヴィーガン、フレキシタリアンを始めとした肉を食べない人や、減らしている人たちの間で広まりました。
また、健康や環境への影響、動物愛護の観点などからフェイクミートを食べる人も増えています。
数年前より海外でも国内でも注目されており、フェイクミートを使用しているカフェやレストランなどの飲食店も急増中。

アメリカでは西海岸を中心に、フードテックにおける成長がめざましく、2019年にはフェイクミートを主商品とする会社「ビヨンド・ミート(Beyond Meat)」が設立。アメリカにある世界最大の新興企業向けの株式市場NASDAQに上場を果たしました。

日本でも徐々に市場は拡大しており、チェーンのカフェや飲食店に加え、スーパーやコンビニでも見かけるほど。今後はますます規模は広がっていくと予想されています。


なぜ環境にいいの?
環境保全を目的としたヴィーガンの人のことを、「エンバイロンメンタル・ヴィーガン」ともいいます。食べ物の中で特に環境への影響が大きいといわれているのがお肉で、お肉をフェイクミートに置き換えることで、温室効果ガスを9割減らせるともいわれています。
家畜を育てる為に膨大なエネルギーや食糧が消費され、その環境負担は排気ガスよりも大きいともいわれているほど。
また、環境問題の一つにアマゾンの森林破壊、生物多様性の崩壊がありますが、WWFによると実はアマゾンの森林破壊の80%は、牛の放牧が原因とされています。牧草地は火災のリスクを高め、水の中の生き物の生態系を壊し、土壌を侵食し、河川の汚染の原因にもなっているそうです。


フェイクミートの種類は?
現在流通しているソイミートは大きく2つに分けられます。

ソイミート
日本で主流とされているのがソイミート。
その多くは乾燥した状態で販売されており、料理に使うにはまず水やぬるま湯で戻してから洗う必要があります。乾燥している分、保存がしやすいのもメリット。
鶏の唐揚げ風にはブロック、ガパオライスのようなひき肉風ならばミンチタイプ、フィレタイプならしょうが焼き、フライ、焼肉などさまざまな形状のものがあります。
グルテンミート
グルテンとは、小麦粉特有のタンパク質のこと。
グルテンミートは瓶詰めや缶詰で販売されていることが多く、しょうゆなどで味付けされていることも。


「お肉の代わり」というと味気ないものを想像しがちですが、菜食主義者でなくとも満足できる味になることから、お肉が好きな人の間でも人気急上昇中。
ヘルシーなのはもちろん、身近な環境問題への取り組みとしてレシピに加えてみてはいかがでしょうか。



〈参考文献〉
WWF

Text by Sonomi Takeo