2021/08/28

INTERVIEW

【湘南PEOPLE】自然美研究家・田熊ゆいさん「心身の健康にとって大切なのは、魂レベルで満たされること」

今回の湘南PEOPLEは、自然美研究家・ライフスタイルデザイナーの田熊ゆいさん。多方面で活躍する田熊さんに、美の秘訣や現在の活動、これから目指したいことをインタビューしてきました。

まず驚くのが、その透き通るような肌と細身のボディ。どうやってキープされているのか気になります。しかも普段はNOファンデ、日焼け止めのみとのこと。
その美肌や美ボディを維持する秘訣から聞いてみた。

――その美肌や体型は、どうやってキープされているんですか?
「美活は好きなのでいろいろ試していますが、一番続いているのが酵素風呂。週に1回、『鎌倉パークホテル』の酵素風呂に通っています。かれこれ10年近く続けているかな?出産後に極度の冷え性になってしまって、体調もすぐれないし代謝が落ちてしまって、痩せづらい体になってしまったんです。出産して3年くらい経ったある日、友人が撮ってくれた自分の後ろ姿を写真で見たんですよ。出産前と比べて、あまりの変わりように愕然としてしまって(笑)。背中が疲れて丸まっているというか、“老け”を感じる背中に。これを見て、かなり衝撃を受けたんです。

そこからまずは『自然と排出ができて、循環できる体にしよう』と思い、酵素風呂に通い始めました。酵素風呂に通っている湘南のおばあちゃんたちって、みんな肌もピカピカで、元気でシャキッとしているんです。それを見て私も通い始めたら、半年後くらいから背中が徐々にスッキリし始めて。酵素風呂って、背中から蒸されるから後ろ姿に変化が出やすいんです。続けていくことで、肌のトーンも上がり、肌質も良くなった気がしています。」

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10年間、週1回通い続けている酵素風呂。「2週間前から予約しておきます。あらかじめ、先に自分の体を労る時間を作ることも大切」

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NOファンデでもUV対策はしっかりと。シーンや部位によって使い分けている。
〈左から〉顔には『MeTIME』のBBクリーム、子どもと一緒に使える『カプレープ』、首や肩には『RUHAKU』、腕や足には『Acorelle』


――体を温めるってとても重要ですよね! 
「太ももやお尻まわりなど、脂肪が溜まっている場所が冷えやすくなっていて、腰痛もひどくなってしまったのが改善されていきました。あとは江ノ島にあるジム『スタイルG』に通っています。さまざまなストレッチマシーンを使って美しい姿勢に導くワークアウト。肩甲骨や股関節の可動域を広げつつ、骨盤の位置を正しい位置に戻しながら体幹を整えていくもので、8年ほど前から通っています。

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江ノ島にある「スタイルG」

激しいトレーニングや筋トレが苦手なので、ストレッチジムは私にとても合っているんです。次男を出産後は保育園の送り迎えをしつつ、合間を縫って週に1〜2回通っていました。忙しくて大変だったけど(笑)、長男を産んだあとなかなか体型が戻らなくて苦労したので、とにかく早い方がいいと思って産んですぐに通い始め、今でも定期的に通って続けています。あとは骨に適度な負荷をかけて、筋肉を弛緩させてくれるコルギや、最近では鎌倉・長谷にできた美容内科で白玉注射を打ってもらっています。」

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顔の歪みを改善してくれるコルギマッサージサロン「パンパラソル」

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今年から通い始めた白玉注射は「SIC鎌倉院」


――とても美容に研究熱心な田熊さんですが、美容法を選ぶ基準とされているものはあるんですか?
「自分にとっての判断基準は、『それを続けることで健康でいられるかどうか』。若いときは肌の調子が悪いわけでもないのにフォトフェイシャルを受けたり、高額のエステに通ったりしていた時期もあって。もちろん、それだけの効果はあったのですが、今思うと『そこまでする必要はなかったかな?』とも。その時の自分に、『まだ若いからそこまで頑張らなくても大丈夫だよ』と言ってあげたい(笑)。

今はただ美しくいたいという外側だけの“美”ではなく、体の中からキレイで健康であることを軸にしています。コルギも顔の歪みを整えていくことで噛み癖が改善されたり、白玉注射もグルタチオンという元々体内にあるアミノ酸を主成分としていて、体内の毒素を排出したり免疫力を上げてくれたりする効果があるといわれています。やっぱり年齢に抗えない部分って必ず出てくるので、元気で過ごすためにも時には人の手を借りることも必要だと感じています。」

――20代の頃のお話を聞いていると、美に対してとてもストイックだったんですね!
「かなりストイックだったと思います。20代の頃は都内に住んでいて、若さゆえなのか、東京マジックなのか、とにかく最新のものや、噂でいいと聞いたものには手を出していた気がします。
鎌倉に引っ越してから徐々に価値観が変わってきました。まず、鎌倉って遅くまで飲食店が開いてないので、遅い時間までお酒を飲むこともできないですし(笑)、自然豊かな場所なので、無理なく人間らしい、ナチュラル志向な生活にシフトしていったと思います。」

――環境が変わったことが大きかったんですね。
「そうですね。ほどなくして長男を授かりましたが、それも大きなきっかけです。子どもには体内に入れても問題ない、なるべく添加物などケミカルなものが含まれていない、自然なものを取り入れてあげたいと思うようになっていったんです。それまではそこまで気にしない方でしたが、母になり、自ずと家族みんなの健康を考えるようになりました。

例えば、調味料もかなりこだわっていて、昔ながらの製法のものを選んでいます。写真にある発酵調味料もオススメです。料理の腕が上がった気にもなれますよ(笑)。先日、自分で手作りお醤油を仕込んだところです。野菜も信頼できる農家さんから取り寄せていたり、鎌倉の市場で買ったりしているので食材をスーパーで買うことはあまりないですね。」

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鎌倉在住の友人が作るSpruce発酵調味料

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野菜は北海道の折笠農場や、湘南でも購入。写真は平塚にある畑「のんのの野菜」のもの。

湘南らしいライフスタイルを送っている田熊さんだが、18歳でモデル・タレントとしてデビュー後、20代半ばで起業し、ファッション系の企画や施設のプロデュースなどの事業を展開する会社を設立。
事務所兼自宅は東京・渋谷と都会のど真ん中。バリバリ働くキャリアウーマンだった。当時は「男性には負けてたまるか」と、気を張って生きていたという。

「その頃と今では、全然顔が違うんです。今の方が穏やかですね。会社の部下たちを守らなければ!とも思っていたし、常に戦闘体制。鎌倉へ来てから仕事はセーブしたけれど、とはいえ慣れない育児に向き合うのも、それはそれで大変でした。他人を受け入れながらもマイペースに自分らしく生きられるようになったのはここ2〜3年な気がします。」


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起業した頃の田熊さん

――田熊さんは、“毎日を自分らしく、丁寧に生きること”をテーマに「湘南ヘルシスタ」というコミュニティも主宰されていますが、どんな活動なのでしょうか?
「まずスタートしたきっかけとしては、湘南にはいくつになっても魅力的で、感性豊かなライフスタイルを送っている女性がたくさんいるんです。最初はそんな彼女たち自身やライフスタイルを世の中に発信したい!という想いがありました。そこでマルシェをはじめ、企業と組んで商品をプロデュースしたり。でも、イベントだけでは想いは伝わらないと思い、発足時にフリーマガジンを創刊したのですが、それがSHONAN TIME編集長の目にとまり、全国誌で湘南ヘルシスタの連載を3年間続けさせてもらうことができました。ある程度やりたいこともやれて、彼女たち自身が個人で発信できるようにもなったので、自分のお役目はここまでかな~、と感じています。彼女たちの活躍を目にするたびに、応援と幸せな気持ちでいっぱいになります。

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『湘南ヘルシスタ』で開催したマルシェ

現在のヘルシスタの活動としては、ビープルでもインタビューを受けていた桃生亜希子さんと、不定期で『tea session』というお茶会を開いていて。お茶会ではみんなで自分の考えや悩み、思っていることをシェアします。そうすることで自分は何をすれば魂が喜ぶのか、自分自身は何者なのかを思い出し、今ブロックとなっているものは何かに気づく作業になると考えているんです。なぜそういう場を作ったかというと、そもそも『ヘルシスタ』が、『ヘルシーな女性』を捩ったネーミングで、心と体の健康を考えた時に、“スピリチュアルヘルス”は必然だと思っているんです。何が人生において大事かというと“魂レベルで満たされる”ということなんじゃないかなって。」

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tea sessionは、葉山にあるカフェ『eatYOGAstudio』で開催。
〈左から〉田熊さん、eatYOGAstudioオーナーのみっこさん、女優・桃生亜希子さん


ーーそういったスピリチュアルヘルスが大切だと気づくきっかけは何かあったんですか?
「実は起業をする前、一年近く占い師として働いていたんです。18歳からモデルやタレント業をやっていたのですが、まわりの子達と比べてダンスも歌も、演技もそれほど上手くないし、『自分って秀でてるものがないんだな』と感じ始めてしまい、モデルやタレントのお仕事に自信がなくなっていた頃があったんです。そんな時にご縁があって、占いの勉強をすることになって。当時は占いの館に所属しながらテレビ番組のお仕事を頂いたりしていました。

その時、まわりの占い師の方々を見て、みなさん高い能力をお持ちだし、多くの人に尊敬されているにも関わらず、なぜだか幸せそうに見えなかったんです。もちろん全員がそういうわけではないのですが、当時はそういった印象を受けました。それで、占いによって未来は見えるかもしれませんが、それってさほど重要なことではない、ということに気づいたんです。今がすごく楽しいとか、何かにときめいたり、ワクワクすることが大切なんだなって。自分の魂の声を気づいてあげて、それを叶えてあげることの方が大事。いったんは良くない結果が訪れたとしても、最終的に帳尻は絶対に合うと思うんです。そういった直感を磨くためにも体を動かしたり、食生活を通して、クリアな状態にしておくことも重要だと思っています。」

――五感を研ぎ澄ますことは、ウェルネスの一つだとビープルでも考えています。そのために他にしていることはありますか?
「ほぼ毎日、瞑想はしています。特に新月・満月の日は2時間ほど瞑想することも。あとは夕方って眠くなりますよね?その眠さを利用して、瞑想することもあります。ほどよく脳がリラックスしている状態なので、おすすめです!友達たちとお茶している途中であっても、『ちょっと15分くらい瞑想するね』といって瞑想状態に入っちゃうこともあります。さすがに1対1の時はやりませんが(笑)。」

――まわりにも理解してもらえているということですね(笑)。
「そうですね(笑)。あとは、恵比寿にあるサロン『the CLEANESS』もおすすめです。男性セラピストによるオールハンドのマッサージを受けられるのですが、心も体もすごくスッキリします。あと、『男性にこんなにも大切に労ってもらえるのは初めてかもしれない!』という感覚でした。『自分はこれほど男性に大事にされる価値がある人間なんだ』と思えるんです。心を満たすために、『自分に価値があることを思い出す作業』ってとても大切だと思っています。それは自分でもできると思っていて、例えばたくさん歩いた日の夜、バスタイムに足の甲を丹念にマッサージしてあげるだけでも十分。自分を労ってあげることで、魂が満たされて、心と体の健康に繋がると思っています。」

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疲れた日は、足先をスクラブで丁寧にマッサージ

――さまざまなことにチャレンジングな田熊さんですが、これから目指している道を教えてください!
「理想は、肩書きが“田熊ゆい”であること。今まで企画やプロデュースを中心に仕事をして行きましたが、その軸は変えずとも、より自分らしさ、自分の経験を活かした提案ができればと思っています。今45歳ですが、これまで培ってきたすべてを投影させた企画やものづくり、イベントができたらいいですね。今、新しいメディアも準備中なんです。コンセプトは、『女性が、自分らしく生きることを赦すメディア』。世の中の女性が、『いつまでも自分の人生を生きていいんだ!』と思ってほしい。そんなことを願って、発信していきたいと思っています。」

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心と体、そして魂が喜ぶことを第一にしながら、子育ても仕事にも取り組んでいる田熊さん。
自身で実践してきたことを発信することで、世の中の女性たちに勇気や元気を与えてくれる活動を続けている。
田熊さんが大切にしている、“自分らしく”生きること。それが一番の、ウェルネスへの近道かもしれない。彼女の次なる挑戦、新たなメディアも要注目!

Instagram:@takumayui

Text by Sonomi Takeo