2019/12/19

from BIOPLE

BIOPLE FESトークショー「モノづくりとサスティナビリティ〜小さなコミュニティから世界を変える〜」をレポート!

『BIOPLE FES vol.9』のトークイベントの様子。左から四角大輔さん、マルコム・ランズさん、田中達也さん、椋林 裕貴(Photo by biople編集部)

2019年9月に開催された『BIOPLE FES vol.9』(注1)にて、「モノづくりとサスティナビリティ〜小さなコミュニティから世界を変える〜」をテーマに、トークイベントが行われました。

近年、耳にすることが多くなった“サスティナブル”(自然環境や社会、人間に優しく持続可能なスタイルのこと)という言葉。“環境問題”と聞くと、計り知れないほどの大きな力が必要で、個人の力ではどうにもできないように感じるかもしれません。しかし、「一人ひとりの小さい行動や、小さなコミュニティから始めることこそが、ムーブメントを起こし、世界を変えていけるのではないか」と登壇者の四角大輔さんは話します。

サスティナブルな社会を実現するべく日々活動している4人のゲストによる、熱いクロストークの模様をレポートします。

⬛️登壇者
・ニュージーランド在住の執筆家/四角 大輔さん
・SPEC Bio Laboratory, Inc.代表取締役/田中 達也さん
・ecostore創始者/マルコム・ランズさん
・(株)マッシュビューティラボ取締役副社長・エコストアジャパン代表取締役社長/椋林 裕貴

⬛️ニュージーランドに学ぶサスティナブルな社会

元音楽プロデューサーの四角大輔さんは、10年前に大好きなニュージーランドへ移住。山奥の森の中、湖のほとりで自給自足ライフを営みながら、ニュージーランドの魅力を発信すべく執筆活動をしています。
サスティナブルの先進国ともいわれるニュージーランド。食をはじめとしたオーガニック製品へのこだわり意識がとても高く、国民もサステナブルな社会への関心が高い国です。今回の「BIOPLE FES(ビープルフェス)」でもニュージーランドコーナーを設置しました。

そんなニュージーランドで一番大きなナチュラルブランドといえば、「ecostore(エコストア)」。100%植物でできた洗剤やボディーソープをつくっています。そのエコストアを創設したのがマルコム・ランズさんです。



「1986年にエコヴィレッジ(自然界を害せず調和しながら生活するコミュニティ)を立ち上げました。エコヴィレッジに住み始めた時に、家から排出される水が科学製品によってとても汚いことに気付き、これはまずい!と。〝この綺麗な環境を残さなくてはならない”という考えが生まれ、1993年にエコストアを創設しました。ニュージーランドは自然が豊かで水辺に遊びにいくことも多いことから、水が汚れているととても悲しい気持ちになるんです」(マルコムさん)。

マルコムさんの行動によって、エコストアは世界中に認知され、ニュージーランドでも代表的なナチュラルブランドとなります。


⬛️小さな町がスタートした大きな一歩

日本の中でもニュージーランドのように、サスティナブルな社会を目指している場所があります。それが徳島県にある上勝町です。その仕掛人であり、中心人物となっているのが田中達也さん。ビープルフェス主催者でもある椋林も、毎年お盆休みになると上勝町に訪れているそうです。

「日本にもニュージーランドのようなサスティナブルな活動を盛んに行っている場所はないか?と考えていたところ、注目したのが徳島県上勝町。そこで26年自給自足している中村さんという方の自宅にお邪魔し、意見交換をしたりしています。(フェス会場の)ニュージーランドコーナーでも、サスティナブルの一環で彼らが作っているクラフトビール『RISE & WIN Brewing Co.』を出しています」(椋林)。

上勝町は、徳島空港から車で一時間ほどかけた山の中にある小さな町です。人口は1500名ほど。ここは、日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町です。

「要はゴミゼロ活動をやっています。町には焼却場はおろか、ゴミの収集車すらありません」(田中さん)。

日本ではまだほとんど環境やゴミ問題に対する関心が薄かった2003年当時に始め、すでに約15年。町の中央にはゴミステーションがあり、住民は自らゴミを持ち込み、分別。その分別数がなんと45分別!2020年にはゴミゼロを目指しています。そんな活動を町全体で行うためには、田中さん曰く“自分ごとにすること”だといいます。



自分ごとになるのに必要なのは、楽しいとか美味しいとか、ポジティブな感情に訴えることではないかと。そこで僕はビールが好きなので、ビールで広めていくことに。農家さんは果汁を絞り、それをポン酢の原料として出荷しているんですが、余った皮は使えないので捨ててしまいます。つまりゴミになってしまうので、その皮を譲ってもらい、ビールの香り付けに使っています。我々のビールを飲むと、ゴミが減ることに繋がります。また、計り売りにすることで、パッケージのゴミが出ないようにもしています」(田中さん)。

田中さんがつくるクラフトビールは、東麻布にアンテナショップでも計り売りされています。このアンテナショップ、廃校になった小学校の廃材を再利用してつくられているのだそう。



「再利用と言うと、地球のために良いとか、そうしなければいけないとかイメージありますけど、この店を見るとイケてて、めちゃくちゃカッコんいいです。ニュージーランドにもそんなお店がたくさんあります」(四角さん)。



店内のシャンデリアは空き瓶を切って作ったもので、棚や什器も全部廃材。ビープルフェスの会場に持ってきたサーバーも、昔の古いタンスをサーバーに作り変えたもの(通称・タップタンス)と、すべて再利用でつくられています。大量生産、大量消費の時代となってしまった日本において、その土地にあるものを使うことで、環境の負荷がなくモノづくりを実現しているのです。

Text by Sono Hirose、Photo by biople編集部

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