2021/06/04

ORGANIC DICTIONARY

「ケトン体」って一体何?仕組みから、ダイエットに効果的な理由までを解説

Photo by Shutterstock

ここ数年、話題となっている「ケトジェニック」や「ケトン体」という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。そもそもケトン体とはなんでしょうか。正しい知識を知って、健やかで美しいボディメイクを! 


今注目を浴びている「ケトン体」って?
ケトン体は簡単に言うと、「脂肪を燃やして作り出されるエネルギー源」のこと。
脂肪合成や脂肪分解をする過程で発生する、「中間代謝産物」(生体内の代謝において、ある物質が最終的な代謝産物に至る過程で生じる物質)です。
体内の脂肪が分解されることによって肝臓で作り出され、血液中に放出されます。


ケトン体がなぜダイエットに良いとされるのか
身体のエネルギー源となるのは、「糖質」「脂質」「タンパク質」の3つ。
この「糖質」を摂取しすぎると、体内で糖質が余ってしまい、使い切れなかった分はインスリンの働きにより中性脂肪として蓄えられてしまいます。これが糖の摂り過ぎで太ってしまうと言われる所以です。

また、人の体は糖をたくさん摂取することに対応できていないため、体に負担がかかってしまい、さまざまな不調やトラブルに繋がってしまうことも。
糖質を控えて「脂肪酸エネルギー」を使うようになると、体内の中性脂肪を分解します。
この脂肪酸の一部が「ケトン体」に変換されます。
つまりケトン体は、炭水化物を食べずに栄養が足りなくなったとき、エネルギー源として使われるものなのです。
ケトン体は血液の循環に乗って脳や筋肉へと分配されていき、最終的にエネルギー源となるブドウ糖に代わり体を動かすパワーとして使われます。 血液中のケトン体の濃度が通常よりも上昇した状態(一定値を超え手いる状態)を「ケトーシス」といい、この状態を維持することが、糖質制限ダイエット(ケトジェニック)となります。

とはいえ、糖質は脳のエネルギー源となる必要な栄養素。「糖は体に良くない」という考え方ではなく、今の自分の身体の状態を観察しながら、「糖質」「脂質」「タンパク質」をバランスよく摂取していくことが大切です。
また、糖尿病などの持病などを抱えている場合は自己判断せず、必ず医師に相談のうえケトン体の食療法などは行いましょう。



〈参考文献〉
薬学用語解説「ケトン体」
「Sweeten the Future」ケトン体っていったい何? 糖が不足すると増える危険物質の正体
『「ケトン体」こそ人類史上、最強の薬である 病気にならない体へ変わる“正しい糖質制限”』宗田哲男著(カンゼン刊)

Text by Sonomi Takeo